俺、ツインテールになります。3 (ガガガ文庫)

【俺、ツインテールになります。3】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫

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眼鏡との死闘! 最強の敵と、最大の修羅場

トゥアール奪還のため、ついに姿を現した闇の処刑人・ダークグラスパー! 強力な属性である眼鏡属性から作られた『グラスギア』を身にまとう少女の姿に、戸惑いを覚える総二。
「愛香はさておき、俺は人間の少女を相手に本気で戦えるのか?」。
総二の悩みをよそに、ダークグラスパーはアルティメギルの兵力を再編成し、ツインテイルズを倒すための作戦を着々と進行していく……。
そんななか、新たにツインテイルズの一員となった神堂慧理那は、ヒーローとしての活動で頭がいっぱいになるあまり、従来の生活サイクルが崩壊。それを見かねた学園理事長であり慧理那の母親である神堂慧夢は、18歳で結婚しなければならないという一族の掟にならい、娘の婿探しを開始。責任を感じてそれを阻止しようとする総二たちだが、思わぬ方向へ話が進み、愛香とトゥアールは焦り始める……。

登場人物みぃぃぃぃんな変態!
徐々に中毒読者を増やしている『俺、ツインテールになります。』シリーズ新作第三弾が登場!
火傷するほど熱い変態ヒーローたちの戦いをみんなで応援しよう!
ツインテールに眼鏡属性というのは、実のところ何気に難易度が非常に高い。ぶっちゃけ、常用型メガネは似合わないのだ、ツインテールには。これは、オウルが不毛の途につくことになった文学属性も同様で、これらの属性は非常にツインテールと相性が悪い。極々限定的に天才型ツインテールが、オプションとして解説シーンで眼鏡を装着する、というシチュエーションがあるが、これは普段眼鏡をつけない娘が時折眼鏡をかけると今までにない魅力が、という眼鏡を外したら〜の逆バージョンであって、ある意味ギャップ萌えであり、眼鏡属性としては王道とは言い難い。
王道とは言い難いが根強い支持があり、常用型眼鏡属性の衰退が囁かれる昨今においてはむしろ眼鏡属性の中のメインストリームと成りかねない頑強な勢いを感じさせる。名にし負う、私もまた支持者の一人だ。幼さに裏打ちされる快活にして未成熟な天真爛漫さの象徴とも言うべきツインテールを装備しながら、知性と思慮の象徴とも言うべき眼鏡を装着することで、相反するはずの矛盾した属性が両立し相乗するという奇跡の瞬間の演出。これは一種のドーピングのようなもので、繰り返し使うと効果が薄れていくというシロモノであるが、それでも瞬間的なインパクトは衰亡の途にある眼鏡属性の家中にあっては一際輝きを見せているのではないだろうか。
しかし、残念ながら本作に登場するツインテールにおいて、この瞬間的な眼鏡の装着による萌えの強化という効果を得ることの出来るツインテールは見当たらない。なぜなら、本作に登場するツインテイルズは総じて眼鏡を装着しても間抜けにしか見えない生粋のバカだからである。馬鹿だからである。馬鹿だからである。眼鏡を装着したからといって頭の良くなるような生易しい馬鹿ではないのだ。実は知的なキャラだったのです、などというサプライズなど皆無なのである。もはや、常識を常識と思わない、認識もしない、概念すらも存在しない極めつけの馬鹿揃いなだけに、眼鏡ドーピングなど全くの無意味!! 愛香に眼鏡を装着した所で、野獣に眼鏡が付随するという滑稽さが際立つのみなのだ。トゥアールは実は頭がいいじゃないか、という人もいるかもしれないが、あれはもはやツインテールではないという以前において、知能が高いことと知性が高いことは全く別であることを認識するべきだろう。頭が良いことと度し難い馬鹿であることは、決して矛盾しないのだ! 頭のいい馬鹿が眼鏡をかけたからといって、どこにギャップが生まれるのだろう。嘆かわしい哀れさだけが醸し出されるのみである。
しかして、ダークグラスパーである。彼女の画期的であったところは、ここは彼女についたプロデューサーであるケルベロスのセンスティブを称賛するべきなのだろうが、ツインテールに三つ編みという非常に眼鏡に親和性のある属性を融和剤として付随されることで、眼鏡とツインテールという互いに矛盾する二つの命題を両立させる事に成功した点である。これによって、彼女は状態装備型眼鏡属性でありながら、この世の真理であるツインテールであるという状態を何の無理もなく顕現させたのだ。繰り返すが、流石はアルティメギルにおいて伝説とすら呼ばれたプロデュース力を持つ幹部ケルベロスギルティである。ツインテールを至上とする組織において禁じ手とも言うべき髪型属性でありながら、幹部の座にまで至った実力は伊達ではなかったのだろう。
しかし、しかし惜しむらくはまた三つ編み属性もまた、遠く去りゆく過去となりつつ在る属性であったことだ。文学属性のオウルギルティと同じように、老兵は死なずただ去るのみ、であったケルベロスギルティを再び最前線に導くことになったダークグラスパーの所業は果たして酷な罪なのか、はたまた朽ち行く翁に最後の徒花を咲かせる幸であったのか。それを知るのは、破れ消え去った彼ら古きギルティたちの魂のみである。しかし、忘れることなかれ。かつて隆盛を誇った無双の属性があったことを。今廃れゆくとも、かつて輝いた実績が霞むことなど無いことを。さらば眼鏡。さらば三つ編み。今はただ安らかに眠れ。いつか再び、時代が巡り来る日まで。



…………三巻の感想を書こうと思ったら、なぜかツインテールと眼鏡と三つ編みの相性について熱く語っていた。さすがは究極の馬鹿小説、まともな感想など微塵も書かせるつもりなし、であるか。
しかし、言い訳させてもらうならば、あながち的はずれな事を書いていたつもりもない。総じて中身もこんな話をツッコミなしでひたすら暴走させ壊乱させた統制した混沌である。止める奴が皆無なので、本当に行くところまで突き抜けてしまっている。正直、この領域まで突入してしまっている馬鹿を寡聞にして私は知らない。まさに天外魔境が此処にある。こここそツインテールの極地であり、性癖が真理として成り立つティル・ナ・ノーグなのだ。読めば戻ってこれなくなること請け合いである。性癖に飲まれ殉じる覚悟あるものだけがこの本を手に取るがイイ。今日もニコニコ這い寄る混沌の人も言っている。
「この物語に正義はないーーそこにあるのは、純粋な性癖だけである」

ならば私も毅然と告白せざるを得ない。
私はポニーテイル属性である。
眼鏡など、三つ編みなど、語るにも及ばないツインテールに対する絶対的な敵対勢力。その存在が、いつか語られる日が来るのか。神対神ならぬツインテールVSポニーテールという宇宙開闢レベルの闘争が幕開けル日が来るのか。全く内容について触れていない気がするが、後悔なし。まずは読むべし。ひたすらオススメ。

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