つきたま 2 ※公務員のお仕事楽しいです (ガガガ文庫)

【つきたま 2.※公務員のお仕事楽しいです】 森田季節/osa ガガガ文庫

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パワハラと陰謀にはお気をつけ下さい

見える人にしか見えず、触ってもぷにぷにしているだけで何の役にも害にもならない「つきたま」。
そんな謎の物体の「駆除係」として埼玉県に務める主人公・鶴見は、ある事件から「つきたま」の秘密に近づいてしまい……。お気楽公務員として日々の業務を淡々とこなすはずが、国家の秘密プロジェクトに関わることに!? ……なるのだけは勘弁して頂きたい。だって公務員だもの。
しかし上司という名の現実は厳しく、拒否権のない鶴見に下された極秘指令は、「つきたま」は魔法のパワーをくれるという自称・魔法少女のエナと、「眷属」であると主張する自称・ヴァンパイアのマノの生活に密着して、謎を解き明かすこと……!?
公務員の窓口業務ネタとぷにぷにの物体満載のやわらか公務員小説(?)第二弾!
女子高生に手を出したら犯罪です、特に公務員! さすがに区役所のリアルな日々の業務ばかりという展開だとネタが続きにくくなったのか、それとも物語にもっとアクションを、という要望でもあったのか、区役所ネタを小さく小話的にはさみつつも区役所の窓口職員としてはほぼ現実にありえない女子高生密着取材、という羨ましいのか大変なのかわからない流れに。
区役所の視聴覚室の大画面で女子高生の入浴シーンをガン見する公務員は、まず速攻でマスコミ沙汰になります、ご愁傷様です。
とまあ、本人が望まないにも関わらず公務員倫理規定どころかナチュラルに法律に引っかかりそうな、特に未成年云々の方に引っ掛けられそうな綱渡りな展開を強いられる鶴見さん。それでも、冷や汗かきかき愚痴めいたことはこぼしつつも、可愛い女の子と接触できるのはまんざらでもないとみた、こやつ。まあ、やや危ない面はあるものの基本的に可愛い女子高生に、わりと直球で慕われたらそりゃあ悪い気しませんわなあ。とは言え、この歳の男性からするとリアル女子高生ってやっぱりまだ子供、という感覚は否めないんですよね。そんな子供からヤキモチ焼かれても、ピンと来ないのは理解できなくもない。鶴見くんからすると、これでもエナの事はそれなりに対等の大人扱いしているんだぜ、という感覚でいる気配が伺えるので、噛み合わないのもまあ仕方ないか。そう考えている時点で子供扱いしていると言われてもしゃあないんだぜ、鶴見くん。だが、事実として相手は子供だからなあ、むしろそういう態度で居ることが防衛策として正しいのかもしれない。そうやって事前に自分の心の中にアンカーしかけておかないと、何気にこの鶴見くん、女子高生にぐらついているシーンが散見されただけに、ちょっと堰が切れれば本気で危ないかもしれないから。

とまあ、日々代わり映えのしない地方公務員生活のはずが、変なことに首を突っ込むことで色々と試されることになってしまった鶴見くん。たとえば倫理とか倫理とか。いや、彼の場合無難に無難にやろうとしてたら、向こうから厄介事がツッコンデきて避けられなかった系統なのだけれど。挙句の果てに、自称魔法少女の妹はなにやらガチで「つきたま」という謎で未知で無害で無意味だったはずの存在の根幹に関わる黒幕的な存在であることがわかった上に、何やらその妹ちゃんにまで目をつけられる羽目になり、はてさて安定した公務員生活はどこへやら。これって、手当付きませんよね?
まあ、美人な上司と差しで飲みに言っている時点で、こいつ勝ったも同然なんですが。女子高生と仲良くしてもらっている時点で、リア充なんですが。つきたまに飲まれて爆発しろ、という類の逸材なのですが。
鶴見くん、本音はガチに「※公務員のお仕事楽しいです」なんじゃないだろうな、この野郎w

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