瓶詰魔法少女地獄 (講談社ラノベ文庫)

【瓶詰魔法少女地獄】 安藤白悧/kyo 講談社ラノベ文庫

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魔女である先輩、長南雨衣佳と僕、三田村黒犬によって計画された「魔法少女絶滅計画」は、魔法少女と魔女の壮絶な戦いを経て、魔法少女は魔女を目指していき、その手助けをする、という形で進められることになった。その活動の一環として、雨衣佳は「地上最強の魔法少女」であり黒犬の幼なじみでもあるほのかとともにMCを務める魔法ラヂオにて「魔法少女身の上相談」を行っていた。それは、立場上人に言えない秘密を抱えがちな彼女たちの悩みを聞き、手助けをするというもの。魔法少女たちからも好評のこの企画に、ある相談が持ち込まれる。そこには「史上最強」の魔法少女が関係していて―。講談社ラノベチャレンジカップ“大賞”受賞作。
相変わらず癖のある作品なんだけれど、ほのかが仲間に収まり雨衣佳先輩と三人で活動を始めることで全体に安定してきた感じ。一巻はネタ任せの勢い任せで面白いんだけれど若干感想書きにくくて、文章こね回しているうちに結局書きそびれてしまったからなあ。
というわけで、魔女先輩の「魔法少女絶滅計画」は一旦棚上げされて、形を変えて魔法少女達のお悩み解決に走り回ることになった三人。ほのかは一巻ではホントに出番少なかったんで、レギュラー化は良かった良かった。二巻ではちゃんと表紙も飾ることになったし。だいたい、魔女先輩はマイペース過ぎて、これまたボケツッコミともに特殊な傾向のある主人公の黒犬とは噛み合い方が変なんで、ほんとにひたすらネタ方面に突っ走ってしまうんですよね。そこに、ほのかが加わったことで上手くバランスがとれたというか、黒犬自身の問題も解決したことが大きいんだろうけれど、やたらとナレーションにひた走る性癖もまあ若干落ち着いて、良いトリオとして機能しはじめたんじゃないでしょうか。ラブコメ方面にも色彩が出始めましたからねえ。
それに、魔女先輩が奇人ではあるものの、魔法少女たちみんなのお姉さん役として世話好きで親身になって助けてくれる立ち位置になったのも、作品にどっしりと落ち着いた雰囲気が定着した要因の一つなんじゃないだろうか。元敵同士で今も恋のライバルとして(一方的に)敵視しつつ、喧嘩も多いものの、あれでなんだかんだとほのかは魔女先輩のことを慕っているようなんですよね。見方によっては懐いている素振りすらありますし。長年、地上最強の魔法少女としてある意味孤独な道を歩んでいたほのかにようやく出来た、自分と対等以上の、精神面では寄りかかることすら出来る頼りになる人、ですからね。魔女先輩の方も、黒犬とは違った形でほのかのことは妹分として随分とかわいがっているようですし。
もっとギスギスした雰囲気になるかと思ったら、何気に仲の良い三人なのである。

そんな三人が携わることになった案件は、魔法少女四天王の一人でコスチュームチェンジを技とする「ひみつのクリーミィ・百」こと似村百子からの以来で、彼女の姉の身辺調査。調査を進めるうちに判明してきたのが、魔法少女というカテゴリーが誕生する以前の混沌の時代に名を馳せた「魔女っ子」と呼ばれる古き者ども。
それは現在隆盛を担っている戦闘型魔法少女よりも前、日常型魔法少女が誕生する以前にもっとも魔女に近い形、なんでもありの魔法の中に在った「史上最強」の魔法少女の存在だった。
というわけで、魔女先輩の戦いは、ついに魔法少女をさかのぼり、魔女っ子との全面対決に。
その一方で、魔法少女のコスチュームチェンジについても、何から姉妹の闘争から至高のコスチュームとは何かという命題に辿り着く展開が。あの結論については、なるほど! と言わざるを得ない。まさにあらゆる魔法少女の変身の究極の姿は、共通してアレだよなあ。ただ、あれは常に一瞬の存在だけに、それを常態化するというのは確かに凄いんだが、でも邪道は邪道だと思うぞ、自分w