シンマと世界と嫁フラグ5 ~嵐を呼んだ恋なんです! ~ (HJ文庫)

【シンマと世界と嫁フラグ 5.嵐を呼んだ恋なんです!】 空埜一樹/にろ HJ文庫

Amazon

嫁候補のコトハが実家に帰省で新たな試練、到来!

「実家に帰らせて頂きたく思います」
護衛役であるコトハのそんな発言をきっかけに、彼女の実家を訪れることとなったシンマ。
コトハはシンマの護衛としてより強くなるべく、実家に古くから伝わる魔劔《緋姫二刀》を継承するための試練を願い出る。
そんなコトハの前に立ちはだかるのは、《天剣の使い手》と称される最強の和装美女剣士・呉葉だった!!
前回、アリスの家のメイドさんに完全敗北してしまった事をきっかけに、シンマの護衛としてさらなる力を手に入れるために実家に一旦戻ることになったコトハさん。そう、今回はついに揺るぎなき正妻ことコトハさんの番が回って来ましたよっと。
ハーレムハーレムと言いながらも、客観的に見るとシンマの嫁の座は明らかにコトハなのです。シンマから寄せられる信頼といい、家庭内における奥さん的な立ち回り方といい、残念ながら一緒に住んでいないミンクやアリスではちょっと太刀打ちできない高みに最初からついていたんですよね、彼女。ただ、彼女の場合護衛としての仕事意識が非常に高く、あまり異性として声高に自己主張することはなかったので、ミンクもアリスもその隙を突き果敢にアタックを繰り返した結果、彼女たちもまた家族の一員としてのポディションを確かなものにしたわけですけれど、それでも彼女たちの目から見てもコトハという娘は正妻に一番近い不動の強敵だったのでした。

そんな今まで沈黙を守ってきた眠れる龍が目を覚ます、まさに正妻が本気を出したのが今回のお話。
……何気にこれまでのお話見ていると、この作品ってヒロインの親御さんや保護者の人にきちんと挨拶して回って、娘さんをボクにください、と行脚を繰り返してるようなものなんですよね。
ハーレムものは数あれど、いちいちヒロイン全員の保護者に挨拶して回るようなマメなことをしてるハーレム主人公は滅多に居ないんじゃないだろうか。勿論、どの親御さんや兄姉もそう簡単にはいそうですか、娘をよろしくお願いします、というはずもなく、その尽くで娘を連れもどさんとする試練や課題が発生し、それを共同作業と他のヒロインの手助けを持って乗り越えることで、二人の仲を認めてもらうという過程を辿っているわけです。
個人的には、相手の両親とかに挨拶に行くイベントなんて人生で一度あるかないかでもう勘弁してほしいと音を上げそうなものなのですが、それをもう三度も繰り返しているシンマには、ぶっちゃけ尊崇の念すら湧いてきそうです。
更に言うと、当番回から外れたヒロインの娘たちも、毎回我関せずと知らんぷりするんじゃなくて、シンマと同じかそれ以上に一生懸命その時渦中にある娘の為に手助けして頑張ってくれるんですよね。お陰で、回を重ねるごとにみんなの親密さがあがっていって、此処に至ってはみんなが揃って朝ごはんを食べている情景に何らの違和感も感じないアットホームな雰囲気を獲得しているくらいです。
特にアリスはいい子なんだよなあ。今回も、何だかんだと親身になってコトハを助けてくれようとしてましたし。そして毎度のようにけちょんけちょんにあしらわれてしまっていましたしw
自分の行為が敵に塩を送るものだと承知していながら、辛坊たまらんといった感じで手が出てしまう様子は、もうほんといじましいというか可愛らしいというか。弄るとホントに映えるんだよなあ、この娘。取り巻きの二人が毎度主人とも思わぬ態度でいじり倒しているのもよくわかります。

さて、ついに自身にはめ込んでいた護衛という任務の枠を取り去り、一人の女性としてシンマの側に侍ることを選んだコトハ。巨星、ついに立つの事実を前に戦慄し共同戦線をはかるアリスとミンク。でも、コトハに太刀打ちできるはずもないので、恐らく早々に内輪もめして果てそうだけれどw
とまあ、家庭内の格好がおおよそ固まったところで、ついにシンマに対抗してきそうな強大な存在、敵の姿が現れる。既に味方となってくれる大きな勢力や強力な人物もたくさん縁ができたので、戦いとなったらそれはそれで派手な総力戦になりそうで、楽しみといえば楽しみかと。

空埜一樹作品感想