這いよれ! ニャル子さん 11 (GA文庫)

【這いよれ! ニャル子さん 11】 逢空万太/狐印 GA文庫


Amazon

さよならニャル子さん。――からの!?

真尋が珠緒とついにデート!?

「お前、魔法少女になれ」
ある日、残酷無惨混沌絵巻のような戦い方ではなく、
見る人に夢と希望を与えるようなものにならないかと真尋がニャル子に提案したのは
「ニャル子魔法少女化計画」であった。
一見してそれは、うまく行くように思えたのだが――
そしてまたある日、ニャル子の下に届いた一通のメール。
それは意外な事態を知らせるもので……。

――そんな風に、相変わらず騒がしい真尋の日常だが、
さらに去って行ったはずのイス香の呼びかけで、
なんと珠緒とケーキを食べに行くことになったりして……!?
GAマガジン掲載の2編も収録した宇宙邪神混沌コメディ第11巻!
まあ待ってください、真尋さん。普通は変身ヒーローだって、敵をミート的な意味でぐちゃぐちゃにしたり、グロい倒し方をするわけではないんですよ。むしろ、魔法少女の方がグロかったり、敵に対して容赦なく暴力的だったりするケースが多いような気がするので、ニャル子を魔法少女にして精神的に落ち着かせようという試みは、平成の世ではむしろ逆効果。真尋さんが想定している魔法少女は、いわゆる黎明期の魔法少女であって、昨今の戦闘型魔法少女では余計悪化するばかりです。
そんな感じで真尋さんが無駄な努力をする【優しい敵の仕留め方】。タイトルコールは【やさしい竜の殺し方】のパロになるのかな。基本的に真尋さんは何をやっても無駄なので、つまり毎度のことのような気がするものの、積極的にニャル子の行状を改革していこうという前向きな思考になったのは、それだけ今後もニャル子と付き合っていこうという心持ちになったのだと思うと何気に感慨深い。

さて、真尋さんの回想という形で展開される今回の短編2編と中編1編の11巻ですが、巻数が二桁超えたにも関わらず、作中時間は驚きのまだ三週間。たった三週間(笑
この人達、ほぼ一日も休まずイベントこなしてるんですよね。僅かな間隙も、こうやって短編で埋めてしまっているのだから、本当に何もない平穏な一日って、こいつらには存在しないんじゃないだろうか。
しかし、バレンタインや誕生日とか文化祭などといった季節イベントに全く頼っていないという点は、この手のコメディとしては特筆すべき点かもしれない。

【さよならニャル子さん】
一応、ニャル子たちが地球に留まる言い訳として利用されていた蕃神が予定期日を大幅にまくって完成してしまい、ニャル子たちが任期満了で帰還しなく成りかねない大ピンチ。という話だったんだが、ニャル子たちの場合結局なんだかんだと理由をつけて地球に居残ることが確実なので、特に緊張感もなく真尋さんも何を焦っているんだか、というお話。むしろ、ニャル子たちの方が焦っていたのが違和感があるくらい。お前ら、そんなん気にしねえでしょうに。

【不器用じゃなきゃ恋はできない】
真尋さんは罪作り、というお話。イス香の煽りと支援があったとはいえ、珠緒はとっくに諦めていたのを考えを覆してしまったのは真尋の思わせぶりな態度のせいだよなあ。
さらに言うと、邪神系宇宙人たちの暴虐に徹底的に反逆しているようでいて、真尋さん案外流されるタイプであることが、今回の一件でなんだかんだとイス香の言うとおりに珠緒をデートに誘ってしまったあたりに如実に現れているような気がします。

【ELDER GOD SPEED LOVE】
けっこう色々と巻き込まれていたにも関わらず、ニャル子たちの正体についてはさっぱり知らないままだった珠緒さんが、ついに全部知ってしまい、名実ともにこの戯けたラブコメに参戦するというお話。
ハス太が……まあ最初からこいつは色物だったんだけれど、昨今ではちゃんと男の子としてルーヒーと実質お付き合いを始めてしまい、真尋さんのヒロイン役からは脱退してしまったので、最近ではほとんどニャル子とクー子の寡占状態だったんですよね。アト子についてはやや特殊な立ち位置で、むしろ煽り役に回っていることを鑑みると、珠緒の参戦というのはなかなか大きな一石を投じる形になるのではないだろうか。
さりげに、真尋のお母さん、もう誰でもいい、って感じでこの人も煽るなあ。

シリーズ感想