六蓮国物語    翠竜と赤の天女(上) (角川ビーンズ文庫)

【六蓮国物語 翠竜と赤の天女(上)】 清家未森/Izumi  角川ビーンズ文庫

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「好きな女のために馬鹿になって何が悪い?」
崇怜が皇位纂奪、さらには結蓮が次代の六蓮天女に選ばれ、大混乱に陥る煌国!〓(そう)成が人質に取られ、崇怜との結婚を了承した結蓮。そのうえ季隆が自分を助けに向かい、投獄されてしまう!季隆の身を案じる結蓮は、危険を顧みず牢へ忍び込み、二人は束の間の逢瀬を果たす。そこで告げられた季隆の真摯な言葉に、堅物の結蓮もようやく恋心を自覚し―!?国を揺るがす完結直前巻。
おまわりさんこいつです!!
前々から物事を自分のいいようにしか解釈しなくて、とにかく結蓮への接し方が気持ち悪くて仕方なかった崇怜が、実はイイ人でした、なんて事など全然なく、いやもう勘弁して下さいという強引極まるキモさで参った。イケメンだからってなんでも許されると思うなよっ、キモいもんはキモいんやー! これはさすがに生理的に受け付けない気持ち悪さで、お姫様を囚えて自分のものにしてしまおうという悪者、怪物、魔王の中でもこれはとびっきりの類である。こんなのの側に結蓮ちゃんが壱時でも侍らされているというのは、脂ぎった醜い豚のようなオッサンに捕まっているよりもよっぽど我慢ならない。オッサンにあるような苦笑めいた愛嬌すら持ち合わせていないからだ。
いやあ、ここまで生理的嫌悪感を催させる略奪役を仕立ててしまうのは、ある意味大したものでありますよ。それだけ、俄然結蓮ちゃんと季隆のラブも燃え上がりますからね。
しかし、季隆の男っぷりは大したものだと感心せざるを得ない。男ってのは何かしら自分の要求を好いた女性に強いてしまうものなのだけれど、この男に関しては一切揺るがず結蓮の意志を尊重してブレないんですよね。さすがに、六蓮天女の任につくことを結蓮ちゃんが了承してしまう事までは掣肘するかと思ってたら、国のため敬愛する太子の為にその役を受け入れてしまおうとする結蓮ちゃんの決断をまで尊重してしまうとは。とはいえ、唯々諾々とそのまま受け入れるんじゃなくて、最後まで一緒に居るよ、と彼女の意志を妨げずに自分が出来る範囲での譲らないところは決して譲るまいとするところは、非常に男らしいんですよね。彼女の意志は尊重する、でも彼女任せに流されない、ってのはひとつの理想でありますねえ。
そんなイイ男に全身全霊尽くされてるというのですから、いい加減誤解や勘違いは許されませんよ。というわけで、さすがにもうどんなにトンチンカンでズレている結蓮ちゃんでも誤解しようのないくらい、丹念に馬鹿でもわかるくらい直裁的に告白してのけた季隆に、ようやく自分が彼に抱いていた気持ちが恋心だと理解した結蓮ちゃん。
遅すぎるわっ!!
意思の疎通って難しいんですよね、うんうん。
それでも、何を話しても言葉が通じないキモいイケメン崇怜に比べれば、結蓮ちゃんはマシであります、マシマシ。いい加減、馬に蹴られて死んじまえ、てなもんですなあ、ははは。
待たされずに、三ヶ月連続刊行も次で最後、最終巻。糖分過多は必至でしょう。困難は多々あれど、好きに愛に勝るものなし。最後だからこそ、甘々なラブラブを期待したいと思います。

シリーズ感想