彼女がフラグをおられたら こんな風にみんなと学園祭の話をしたの、初めてだな (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら こんな風にみんなと学園祭の話をしたの、初めてだな】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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学園祭の季節がやってきた!一週間ぶっ続けで行われる旗ケ谷学園最大のお祭りに、菜波や颯太や茜たち1年F組は「焼きそばお化けメイド喫茶」なる奇っ怪な模擬店を企画。一方クエスト寮の催しは“演劇”―新転校生・白亜執筆の脚本はラブシーン満載、その相手は全て颯太という超展開だが、ヒロイン役の女子達の期待はMAXに!?徹夜の泊まり込み準備はじめ非日常の連続にずっとこんな毎日が続けと誰かが念じたかはさておき、学園祭初日の華「ミス旗ケ谷コンテスト」にも、美少女揃いのクエスト寮女子メンみんなが出場することになりさらに大忙しの颯太。だがその影で彼を取り巻く“事態”も静かに進捗しつつあった!大人気イチャコメ第5巻夢の学園祭編。
ブレードフィールド公国を訪れ、そこで事件に巻き込まれたことでついに物語の核心に突入した!? と思ったら、普通に帰ってきました……お・か・え・り・な・さ・い! しかも、白亜付きである。とんでもなく重たいものを引っさげて帰ってきやがった。持ちネタ「天然」「重たい女」です、よろしくお願いしますよろしくお願いします。ヒロイン=芸人というのが竹井ワールドの共通認識なので、どのヒロインもそれぞれ「振り」に対して適切なキャラ特有の個性ある「返し」を行わないと容赦なく売れなくなっていくという厳しい世界なのである。吉本新喜劇か、この作品わw
定番の譲り合い劇場ももはや学園でも評判の名物劇場と化していて、オチを無関心な菜波が全部持っていくというのもお決まりのパターン。お決まりなんだけれど、毎度毎度譲りあった挙句に見事に菜波に颯太のパイが回ってくるのは大したものだなあ、と少々感心してしまった。これも運命ってヤツなのだろうか。個人的にはそろそろ菜波にもちょっとデレてほしいところなんだけれど、彼女がデレてしまうとオチとして機能しなくなってしまうので難しいところである。でも、何だかんだとイベント各位にはきっちり参加しているあたり、菜波も満更じゃないのかしら。
そんな颯太を中心に繰り広げられるクエスト寮の面々のドタバタラブコメを眺めている学園のみんなの視線の生暖かいこと生暖かいこと。いや、そこまでぬるい目で見なくても、と思うくらいに生暖かいんですよね。なにこの空気w
とまあ、表では相変わらずヌルい空気で白亜が加わってもラブコメが進展も進捗もなくゆるゆると揺蕩っている一方で、裏側ではブレードフィールド公国の一件を機に着実に刻々と状況が進行している模様である。いきなり「魔法使い」なる存在も登場してきて、あからさまに不憫枠なのはまあ置いておくとして、ブレードフィールド公国の七徳院を主軸として展開してきたサクラメントにまつわるあれこれに対しても、外からの視点というかアプローチも加わってきて、徐々にその全貌が明らかになりつつある。と言っても、まだまだ何が何だかさっぱりわからないのであるけれど、壮大な仕掛けが歯車じかけの機械のようにカチリカチリと動いている様子がかいま見えて、なかなかワクワクさせてくれる。忍者ロボ娘のあの秘密にはかなりビビらされましたし。なに? ガチシリアス? こういう引っ張り方が竹井さん、上手いんだよなあ。ほんとになかなか見せてくれないんですけれど。微妙に一人だけ役職が意味不明なところがあった生徒会長、聖帝小路美森。彼女については重要そうな立ち位置のくせに前回のブレードフィールド公国来訪では置いてけぼりにされて、かの公国に伝わる重要なお伽話にも該当するような役職が見当たらず、はてなマークが浮かんでいたのだけれど、魔法使いサイドから思わぬ関連が浮かび上がってきて、美森会長自身はまったく感知していないようなのだけれど、また随分と危なっかしいところに知らないうちに立ってるっぽくて、なんだか心配になってきた。そのうち、美森会長回とかあるんだろうか。あんまりこの作品、誰か特定のヒロインの担当回とか無いんだけれど。

竹井10日作品感想