スリーピング・ストレーガ2 (MF文庫J)


【スリーピング・ストレーガ 2.刻限聖夜の凶星魔王】 真野真央/風瑛なづき MF文庫J

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「これから試験行くわよ、試験」
突然、玲樹に≪ソサイエティ≫の称号魔術師認定試験へと連行されるリオと君色。ところが君色の契節約の力のせいで試験は破綻してしまう。このままではまともに称号魔術師になることさえ叶わない。そこで君色は、玲樹から力の制御強化の課題を出されるのだが――
「君、うちの妹のリオと結婚しなさい」「……うぇ?」さっそくリオが君色の部屋にやってきて以前にも増して密着してくるようになる。しかしリオの本音は称号魔術師になることとはまた別にあるようで……? 真夜中の美少女バトルコメディ第二幕!
リオが完全にデレッデレやがな!! 前回ラストで好きになっちゃいました、と告白されたのはいいけれど、もうちょっと好きの意味に含みや偏りがあったり、変質的な傾向でも出てしまうのかとヒヤヒヤしてたら、これがまたものすごく純真に恋する少女になってしまっていて……いや、誰だよお前。
気力とかやる気とかが根本的にかけているだるだる系少女で君色への態度もかなりぞんざいだったような記憶があるんだが、今となっては懐いた子猫みたいになってて……なにこれ可愛い。あんまりテンションあがらず大人し目なのは変わらないのですけれど、こうひっそりとキャンキャンうるさくないのに意外に積極的でストレートなのが予想外にツボに嵌ってしまいました。緊張すると丁寧語になってしまうというのも、ついつい畏まってしまうキャラクターが可愛くて可愛くて。これには君色くんも思いっきりあてられてしまうのですが、女の子にこんな態度とられたらたまらんわなあ。防壁なんて簡単に崩される。
とは言え、リオの直球な態度に対して君色がここまで此方も直球で返してくるとはさすがにこれも予想していなかった。もっとグダグダになると思ったんだけれど、彼は自分の気持ちに対してとてもキッパリとしていて、これは好感を抱かざるをえない。結局のところ、彼の悩みというのは自分が最終的に妹のほうを優先してしまうだろう事実が、リオに対して誠実じゃないんじゃないか、という点にあったわけです。つまり、自分もリオが好きという点には何の疑問もはさんでいない。その辺りの苦悩が解消されたあとの、デレた同士のデレあいは見ていてこっ恥ずかしいくらいのイチャイチャっぷりで、これはごちそうさまとしか言いようがありませんでした。いやはや。

当人には戦闘力が皆無にも関わらず、契約者のリオには使用MPダウン、リオ以外の周辺には見境なしにMP値ダウン、という完全支援系自動スキルの持ち主という主人公には非常に珍しい能力の持ち主なんですが、これが極めて凶悪なんですよね。基本的に魔術師しか出てこないのに、君色と対峙したらろくすっぽ魔術を使わないうちにMPがなくなっちゃって魔術使えなくなっちゃうんですから。代わりに味方もリオ以外は区別なく魔力が失われしまうのでなかなか協働も出来ませんし、いざというとき支援や回復の手段が取れないので便利とは程遠いスキルなのですが。でも、敵をほぼ無力化する一方でリオを強化出来るんですから、普通にやったらどんな強力な敵が相手でも殆ど無敵に等しいコンビなんですよね、この二人。
ただし、君色の能力が通じない相手となると、状況は不利になる程度では済まないのですが。そして得てして、そういう状況は訪れてしまうものなのであります。
でも、まさかそっちからアプローチしてくるとは。意気投合、という意味では君色と一番息があっていただけに、この展開はまさか、だったんですが……あながち騙していたわけでもなさそう、という感が見え隠れする以上、話は単純に真の黒幕登場、というわけではないのかもしれない。なんだかんだと妹の真白が鍵、というのは一切揺らいでないんですよね、これ。
まああんまり長引かず、次あたりできっちりたたんでくる気配も濃厚なので、リオとイチャコラもっとするがよいよ?