ノーゲーム・ノーライフ4 ゲーマー兄妹はリアル恋愛ゲームから逃げ出しました (MF文庫J)

【ノーゲーム・ノーライフ 4.ゲーマー兄妹はリアル恋愛ゲームから逃げ出しました】 榎宮祐/榎宮祐 MF文庫J

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ゲームで全てが決まる世界【ディスボード】――魔法や超能力を駆使する数多の敵を相手に連戦を重ね、なおも無敗を貫く最強ゲーマー兄妹『 』、だがそんな二人にもクリア出来たことがないゲームが、実は“二つ"だけあった……。東部連合で優雅な休暇を満喫する二人を訪ねてきたのは、吸血種の少女・プラム。種の危機を救うことになった空と白だが、そのゲーム内容はまさしく二人が未クリアのゲームの一つ、「リアル恋愛ゲーム」だった――青い海を舞台に、咲くか恋の花! 今回はラ~イトに行く、大人気異世界ファンタジーのラ~~イトな、第四弾……?
ど、土下座交渉だとぉ!? い、いの爺さん、あんたって人は、あんたって人は(爆笑
いやこれ何気に成功率高いやり方な気もするけれど、そこまでやられるとさらに一周回ってドン引きだと思うぞ。土下座するからには、速攻で押し切らないと。時間をかけるとむしろ逆効果で向こうもOK切り出しにくくなるんじゃないか。
しかし漢である。
でもむしろ、空の方が土下座交渉似合う気がするぞ。そもそも土下座が似合うし、ベストマッチだし。ステフなら、もう今の時点で土下座してお願いしたら、チョロく押し切られそうなくらいですし。
しかし、いの爺さんにいろいろ持っていかれて、むしろ獣人ヒロインのいづなが全然目立ってないくらいの勢い。周りが女の子ばかりというのもそれはそれで味気ないので、男性キャラ成分はそれなりに必要とは言っても、このジジイは濃いな、ほんとに!!

さて、今回のゲームのお相手は序列十二位の吸血種と序列十五位の海棲種。この2つの種族は、十の盟約によって直接の被害を被ってしまった種族でもあり、ルールに縛られた結果生存のための最低条件が阻害されてしまい、現在滅亡の危機に立たされてしまっているのでありました。
十の盟約の第一条項「この世界におけるあらゆる殺傷、戦争、略奪を禁ずる」が、まさか生存権そのものを脅かす事になってしまっていたとはさすがに驚いた。何しろ、生きるため(食事・繁殖)に他者を必ず傷つけないといけない種族は、それができなくなってしまうんですから、ハンデどころじゃなく最初から死ねと言われてるようなものじゃないですか。テト神の適当さがこの辺りからもうかがい知れてしまいます。
それでも、吸血種は縛りプレイをやらされながらも、最大限知恵を絞って生存するためのルールの抜け道を確保したわけですが、その相互扶助関係となる海棲種が、とてつもない単細胞的な「馬鹿」であったために、巻き添えを食って自滅の道へひた走る羽目になり、全種族を取り込もうとしている空と白に救済を求めてきたのが、今回のお話のはじまりでした。
序列にして最下位の人類種。その種としての力が無に等しいのは御存知の通りだったのですが、だったら人類種のすぐ上となるブービーである十五位の種族や、十四位の種族はどの程度なのか、という疑問は最初から浮かんだものでしたけれど、三巻で十四位の獣人種がまた尋常でない力を持った種族だっただけに、人類種だけ別枠でほかは隔絶してるのか、と思っていたのですが……海棲種の酷さはまた想像の斜め上だったw
鳥頭という言葉があるけれど、こちらはまさに魚頭。綿しか詰まってないんじゃないかというアーパーっぷり。通知表があったなら、「もっとよく考えて行動しましょう」と備考欄に記載されてしまいそうなほどの短絡さ。これ、ステフのお父ちゃんなら、普通にやってても食えてたんじゃないだろうか。
と、思うところなのですが、馬鹿だからと言って侮ることなかれ。馬鹿は馬鹿だからこそ、馬鹿に徹する事ができる。自覚のある馬鹿ならば尚更に。相手が馬鹿だから思い通りに動かせると思ったら大間違いなのは、吸血種も既に大昔に同盟を組もうとした時に思い知っていたはずなのだけれど、やっぱりそのバカさ加減を目の当たりにしていたら、侮っちゃうんだろうなあ。
視点を変えてみると、空と白の強さというのはそれだけ相手を上にも下にも見ないところにあるのでしょう。遙か上位である天翼種だろうと森精種だろうと、海棲種だろうと人類種だろうと、空白には関係なくゲームのプレイヤーとして油断もしないし隙も見せず、ただただ飲んでかかってる。その揺るぎの無さは、相手が神であろうと関係なく、必勝を予感させてくれる頼もしさ。
今回は空白が全く苦手とする「リアル恋愛ゲーム」が主体となるだけに、苦戦してのた打ち回るような展開になるのかと思ったら、全然余裕じゃないですか。まあそもそもどこにも「リアル恋愛ゲーム」なるゲームは存在しないんですけれどね。ルールと勝敗条件が設定されているのなら、それはどうしようもなくゲームであり、ゲームである以上空白が勝つのは必然ですからね。それがたとえ、勝敗条件そのものが隠蔽工作されていたとしても、です。
とは言えまさか、一石二鳥どころか3WAYショットを狙うほどの大胆な真似に打って出るとは想像だにしませんでしたけれど。こいつら、ダラダラと1種族ごとに陥落させていくようなちまちました真似は最初からするつもりなかったな。恋愛ゲームで言うならば、選択肢を最適化して同時攻略を仕掛けるようなものか。しかし、その相手が天翼種となると空恐ろしくなってくる。話が進めば進むほど、上位種の尋常でなさは浮き彫りになってくるばかり。よくまあ、ジブに勝ったよなあ、とかエルフと渡り合えたよなあ、と今更ながらに唖然とする他ない無茶苦茶っぷりなんですよね、上の連中。そう考えると、まがりなりにもそれらと対等に渡り合ってきた獣人種の長たる巫女さんも、また大したもんなんだよなあ。この人が、本格的に味方になってくれるというのはまた頼もしい限り。
頼もしいというと、最近のステフさんの頼もしさはあれなんですか? サポートキャラとしても盛り上げ役としてもイジられ役としてもぶっちぎりじゃないですか。不遇ヒロインのはずなのに、一番報われてる気がしますし、さりげに一番ヒロインポジションとしても輝いてますしねえ。今や、人類種では負けなしの勝負師になってますし。もうこれ、最終巻の表紙を飾るのはステフしかないんじゃないかという勢い。ある意味白より美味しいポジションになってますよ?

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