キャットテイル・アウトプット! 3 (MF文庫J)

【キャットテイル・アウトプット! 3】 神野オキナ/西E田 MF文庫J

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ネコミミ宇宙人少女・メアリーの護衛をしている七文字綴は、メアリーをはじめ、桔梗美陸、クリムゾン・スカーレット姉妹にレイカも交え、温泉旅行に出かけることになる。「温泉~♪」「温泉~♪」
一方、メアリーの経歴を取り寄せたジャン・ジャック・マーは直感で嘘の経歴だと気づく。そして温泉旅行から帰ったスカーレットに秋神院鞘香から「お茶会」の話が持ち込まれるのだが――!?
ネコミミ×猟犬の本格アクション、緊迫の第3弾!!
今回はいろいろありましたが、最後のメルウィンの勇ましい一言に尽きるでしょう。レイカが加わり戦力も整い、スカーレット姉妹の心の傷も埋まる傾向にあり、人間関係としても防衛体制としても十分充実してきた中での、ジャン・ジャック・マーとデルヴァンガーの本格的な攻勢。手段を問わず倫理を顧みず冷酷非道を地で行く容赦の無いテロリズムに、綴たちは力及ばず蹂躙されてしまう。キャーティアであるメルウィンが初めて目の当たりにする、人間の中に生まれた本物の邪悪。大切な友人たちの心と体を切り刻んでいった悪意に、しかし彼女は怯みません。
ズタボロにやられた後だっただけに、メルウィンの毅然とした宣言は奮い立ちましたね。温厚なキャーティアだって、ナメられちゃ終わりだ、というのはよく分かってる。守りに徹しているだけでは、徹底して付け込まれる。そう、時として、力を誇示しないといけない時があるのだ。ともあれ、これはメルウィン個人の判断である。しかし、だからこそ彼女の怒りが窺い知れる。キャーティアの子が本気で怒ったのって、初めて見る。エリスはああいうのほほんとした子でしたしね。勘違いしてはいけないが、猫だって元は狩猟種族だ。間違っても、狩られる獲物の側ではないというのを、幾らキャーティアが大人しいからってあの悪党どもは誤解してるんじゃないだろうか。
此処に出てくる、マーたち悪人どもは、全く同情の余地のない享楽をもって悪をなす一団だけに、これはもうこてんぱんにやらかして欲しいですね。ここで痛快を得ないと、いささか憤懣やるせないことになりそうです。
そう、まずは一方的にやられてしまったけれど、此処からは反撃の時間です。
しかし今回、色々と明らかになった設定がありましたね。スカーレット姉妹については、姉と妹への父親の遇し方が確かに変だな、という点はありましたし、彼女たちの記憶の矛盾点、クリムゾンに妙に幼い一面があった事など、彼女たちについて明らかになった後に振り返ってみると、なるほどと思う点がいくつか浮かび上がってくるんですよね。それにしても、ここまで大きい能力が秘められていたとは。霊子関係もそうですけれど、キャーティアにとっても地球人類は何気に思わぬ要素が多く含まれているんだなあ。
あと、綴の身内の話ですけれど、マジであの人がお姉さんだったんだ。いやまあ、前々から綴の回想に出ていた彼のお姉さんに該当しそうなのってあの人しか居なかったのは確かなんですけれど、はっきりと明示されてしまうと、ハハァー、と口を開けてしまいます。謎多い人でしたけれど、そういう来歴だったのねえ。最強の名に偽りなし、か。しかし、また巡り巡って収まったところがあそことか、面白いもんですねえ。

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