フェノメノ 弐 融解ファフロツキーズ (星海社FICTIONS)

【フェノメノ 弐 融解ファフロツキーズ】 一肇/安倍吉俊 星海社FICTIONS

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「――間違いない。これからヤバいことが起きる」

「もう、美鶴木夜石(みつるぎよいし)とは関わらないこと」
知る人ぞ知る本物のオカルトサイト、『異界ヶ淵』管理人のクリシュナさんの忠告もつかの間、再び俺の前に現れた闇色の瞳の美少女・夜石は呟く。
「なぜ、あの時計はいつも遅れるのかしら」
血の雨が降る皇鳴(こうめい)学園の時計塔、転生する猫、読めば死ぬ呪いの書……。あり得ない場所に、あり得ないものが突如落下してくる武蔵野怪雨現象(ファフロツキーズ)の最中、皇鳴学園の歪みの果てに「もういるはずのない少女」の影が立ち上がる……! 一肇×安倍吉俊のタッグが描き出す、極上の青春怪談小説!!
ファフロツキーズってなんぞや? と思ってたらこれって怪雨現象の事だったんですね。そもそも空から変なものが降ってくる現象を「怪雨」というのも知らなかったのですけれど。しかし、ファフロツキーズって英単語にしてもなんか変なフレーズだな、と思って調べてみたのですが、これって「FAlls FROm The SKIES」の略なんだそうな。英語の略し方も変なのが多いなあ。いやあ、ファフロツキーズってぱっと見でちゃんと読めなくて、ファッ◯ンローズとか読んじゃってて正直申し訳ない。
とはいえ、実のところ件の怪雨現象はこの二巻ではまだ本格的には関わってきていない。物語の導入、或いは今回の一見にまつわる根幹にこのファフロツキーズがあるみたいなんだけれど、実質上下巻になっているようなので、ファフロツキーズが主題になるのはどうも三巻っぽい。
で、この二巻で扱われるのは、学園の中の秘された封印部屋。猫の話。そして呪いの本。
自分、どうしてもオカルトスポットをホイホイと覗きに行く感覚だけはわかりません。なんでまた、ああいうところに好き好んで足を踏み入れようとするものか。しかも、信じていないならばまだともかく、これは絶対にヤバい、という感覚を抱きながらなんでまた入っちゃうのか。オカルトスポットでは前回も廃病院に入っちゃってますけれど、今回の時計塔は前回どころじゃないヤバさでした。これは怖い、ほんと怖い。しかも、自分が通っている学校の中にあるって、ふとした拍子に近づいちゃったらどうするんだ、って話ですよね。時計塔という言葉から抱くイメージとはちょっと異なる建物ではありますけれど、遠くからも見えちゃいますもんね。見たくないと思っていても、ふとした拍子に視線がそちらへ向いてしまう事だってあるだろうに。怖い怖い。
そんな超コワイ場所に足を踏み入れて、何かを連れてきてしまったナギ。その次の猫のお話は、どうもヤバいものに魅入られガチ、というかその共感性故に怪異に好かれるたちでもあるらしい彼が、色んな物に守られていた、というお話。
夜石ってほんとに何を考えているかわからない不気味な少女なのですけれど、あの猫の幽霊の気持ちを「宝物のような記憶」と表現してあげられる時点で、その中身、感性が人から逸脱しているわけじゃないと確信できる。猫の想いと飼い主であったナギの優しさを理解できる子が、彼岸に浸りきっているものだろうか。
むしろ、本当に渡りきってしまった者こそ、今回不気味に蠢いている悪意の影の主のような気もする。かつて、クリシュナさんを精神崩壊にまで追い込んだ事件にまつわる、とある行方不明者。
一瞬幽式のあの子かと思ったんだけれど、どうもクリシュナさんの先輩みたいだし違うらしい。ってか、あの電波娘とその相方ってどうなったんだろう。気になる。
そして、滝田さんが想像以上にたちが悪かった件について。クリシュナさんって案外人を見る目がないというか、お人好しというか、全然信用出来ないじゃんこの人!! 実は良い人、なんてあとで言われても信じないからなw 一応、クリシュナさんに対しては騙してるわけじゃなくちゃんと助けているみたいだけれど、ナギへのあの仕打ちはガチで呪詛紛いだったしなあ。いったいどこまで信じられたものか。
ともあれ、クリシュナさんの過去にまつわる現在進行形の今回のお話の真相は、まだその端緒に触れたばかり。三巻に続く!

しかし、「ろろろ」って単純で意味がなくしかも連続している分、変に凝った名前がついているより怖いよなあ。
……読めば死ぬ本の名前である。
なんかこの本のタイトル、声に出して読むのも怖いぞ。呪われそうでw

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