俺、ツインテールになります。4 (ガガガ文庫)


【俺、ツインテールになります。 4】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫

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変身解除不能! 男に戻れなくなった総二!

男の娘属性を持つエレメリアンとの戦いの直後、かつてない危機が総二を襲う。テイルレッドの変身を解除すると、そこには見たこともないツインテール美少女の姿が!?男に戻れなくなった彼の身に、着替え、トイレ、風呂、暴走するトゥアールといった数々の受難が降りかかる!女の身体に戸惑う一方で、自分のツインテールに熱中して、危機感が薄れていく総二。そんな彼を元に戻そうと、愛香や慧理那たちは奮闘するが…。今こそツインテールへの愛が試される時。大いなる試練を経て、総二のツインテールは、新たなる領域へと進化する!!
もはや、ツインテールってなんだったっけ? とゲシュタルト崩壊を起こしつつある昨今。
ツインテールって確か髪型の一種のはずだったんだが、この本を読んでいるともっと哲学的なもの、或いは宇宙の真理に等しいものに思えてくる。神と子と精霊の三位一体とはすなわちツインテール。菩提樹の下で仏陀が得たとされる悟りとはすなわちツインテール。生きることすなわちツインテール、そして死ぬこともまたツインテール。つまり、武士道とはツインテールと見つけたり!! いや、本編で武士道とは、男の娘と見つけたり、と見つけちゃってる人がいるので、一概に武士道がツインテールとはいえないのですが、いやしかしツインテールの男の娘がいるのなら、それすなわちパーフェクトブシドー!! ……って、いるじゃないか、ツインテールの男の娘が! 
そんな完璧な武士道の体現者であるツインテールの男の娘が、実際に女体化してしまいツインテールの真実なんたるかを体験し、ツインテールと苦楽を共にしてツインテールの真髄へと辿り着くという人生哲学にもつながる高尚な物語がこの【ツインテールに俺はなる!】 という作品である。あれ? タイトル違ったか? しかし、間違っては居ない!! もはや、ツインテールという髪型になります、というレベルから脱却し、ツインテールという存在、いやツインテールという概念へと到達しようという階梯に、主人公の総二はついに至るのであります! まさに大悟!! 
何を言っているか自分でもわからなくなってきたが、本編の方も何を言っているか段々理解できなくなってきたのでオーケーオーケー。理解するんじゃない、感じるんだ!! そう、ツインテールさえその身その心で感じ取れれば十全賄えるのである。いや、マジで。いや、本気でマジでw

女体化、というシチュエーションは往々にして初めて体験する女性の体の不思議に、男の子が戸惑い困惑しながらもその未知の世界に魅了され、周りの女の子たちに導かれてめくるめく花園へと転げ落ちていくのが常道なのですが、この総二先生はそれどころではありません。一応、なった冒頭くらいには女性の体に戸惑っているのですが、そんなことはさておいて、日常生活をツインテールで送るという未知にして至高の体験に頭と心がいっぱいになり、もはや女性になったとかならないとかは眼中になし!! すべてツインテール、何もかもツインテールが中心に回っていくのです素敵!
はじめの頃には自分の髪をツインテールにくくるのに四苦八苦していた総二が、いつしか瞬きする間に髪型をツインテールに整える技量を日々の欠かさぬ訓練で習得していくその過程には、思わず感動の涙を誘われるほど。幾らツインテールが好きでも、24時間ツインテールにし続けるわけにはいかないという非情な現実を知る事にもなり、決してツインテールも常在戦場ではなかったのだと思い知りながらもそこに失望すること無く、ツインテールとは多大な困難を経て成り立つものなのだという認識を新たにし、今までツインテールを簡単安易に考えてしまっていた自分を見直し、さらなるツインテール愛を育てていく、まさに実地で体験することでさらに上の境地へと伸びていく主人公ならではの成長物語が、この4巻には余さず注ぎ込まれている。そして、ついに総二はツインテールの進化系、二段変身というツインテールの革新を手にするのだ!!

やっぱり何を言っているか自分でも分からないが、概ねノンフィクションであるからして悪しからず。あしからず。

テイルブルーこと愛佳の蛮族化はますます進行し、バルバロイ系ヒロインという新たなジャンルを開拓し、慧理那はもはや脱衣することに理由などいらないことに気づいてただの露出狂と化し、トゥアールはそろそろ留置所に入ってもらったほうがよさそうなほど変態行為がエスカレートし、冷静に考えると味方の布陣は阿鼻叫喚である。
むしろ、フェティシズムの塊といえど、純然たる部位への愛と、同僚たちへのお互いの趣味を讃え合い、時に手を取り合って強大な敵に立ち向かう友情の熱さに心震わせられるエレメリアンたちの方が、相変わらずこっちが主人公サイドじゃないか、という真っ当な熱さである。友情を超えて愛に殉じる男たちの儚くも雄々しい決意、覚悟、そして散る者たちの美しさを前にして感極まるが良い。
いい加減、もうどうでもいいや、と思えてくる陶酔感が、ちょっとヤバイw そしてああ、ついにあの属性が現れる。最強にして最凶、まさに覇道をゆく髪型属性の大巨人。
これは、もはやガメラ対ゴジラに匹敵する夢の戦いである。襟を正して座して待て。

シリーズ感想