聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 4 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 4】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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諸葉を狙う美しき《魔剣》の暗殺者――!!

ロシア支部の刺客・レーシャ襲来! 恐るべき《魔剣》の暗き光と、少女の横顔に見える影……。そして、遂に諸葉の《聖剣》が真の輝きを取り戻す!!
「灰村諸葉は身内に対して非情になれない。それが奴の死を招く――」
ロシア支部の密命を受け、留学生として諸葉の前に現れた美少女・レーシャ。彼女は"人喰い"の異名を持つ、対人戦のエキスパートだった。正体を隠したまま積極的にデートへ誘ってくるレーシャ。だが諸葉は彼女の破天荒なふるまいや、時折見せるひどく物悲しい眼差しに、語られざる残酷な掟を予感する……。

急襲、救世主殺しの救世主! 《魔剣》レプラザンの凶刃を受け止める、覚醒せし《聖剣》サラティガの真なる力とは――!? 美少女暗殺者と命懸けの通学路を行く、緊迫感最高潮の学園ソード&ソーサリィ第四弾!!
諸葉さん、あんたかっこ良すぎるじゃろう!! 一連のレーシャへの対応は元より、何より最後のあの行動でしょう。もう痺れたわー。なんつーかなぁ、この主人公って作中の登場人物たちにしても読者にしても、一番願ってやってほしい、と思っている事をズバンと叩き切るようにやってくれるんですよね。得てして、そういうやってほしい、と言うことは立場やしがらみ、常識や社会秩序、単純な力関係や圧力などからどうしても困難だったり、実行に障害があったりするものであり、それ以前に心理的にも足踏みしてしまうものなんですね。つまるところ、やって欲しいと願いつつも半ば無理だと諦めている。少なくとも、そこにたどり着くためには様々な多岐にわたる準備だとか辻褄合わせだとか、面倒くさい手順が必要になってくる、というのは否応なく理解してしまっているわけである。正義とは、正しくあるほど、善に近いほど身動きが取れなくなってしまうものなのです。
だからこそ……しがらみだのなんだのを全部すっ飛ばして、無視して、叩き潰して、許せないもんは許せないんだ! と正しき怒りを真っ向から理不尽にぶつけてくれることの、なんと痛快なことか。この痺れるようなカタルシスを果たして今どきどれだけ味わえるものか。

滾ったわ!!

いやあ、元々この諸葉くん、いわゆる俺つええ系主人公にも関わらず、肩肘張ってなくてスカした気障ったらしさもなく男女問わず好かれるタイプなんですよね。これだけ突出した力の持ち主なのに、ある種の特別感がなくって自然体なのです。周りの連中からも、気安い扱いを受けていますし、そういった関係を結べる人格の持ち主だったりするのですが、かといってやはり普通からは逸脱してるんですよね。ここぞという時の揺るぎのなさ、自分を持て余しておらず絶大な力そのものを制御下に置いている安定感。それでいて、こぢんまりしておらず荒々しいどこまでも膨れ上がるような雄大さもあって、とにかく頼もしいのなんの。それでいて、あの最後の果断さ、苛烈さ。惚れるわー、惚れ惚れするわー。
レーシャとの接し方も、半ば彼女が暗殺者とわかっていながら一緒に過ごしているのですが、なんていうかホント自然なんですよね。無闇におせっかいでもお人好しでもなく、過剰に何とかしてやろうとか思ってるんじゃなく、あの暗殺者とわかっていながらもそれはそれとして脇においておいて、本気で普通の友達として接してるんですよ、この子。
ロシア側としては、レーシャを身内として受け入れてしまえば諸葉は彼女を攻撃できない、と考えていたようですけれど、はっきり言って諸葉ってそういうレベルじゃないんですよね、これ。このニュアンスは読んでこそ理解できる範疇なんでしょうけれど、尋常じゃないですわ、彼。大物とかいう段階じゃないかも。こういう、よくあるシチュエーションだからこそ、諸葉という人物のパない器の大きさが見えた気がします。

お膳立てとしては、最高のシチュエーションになってきました。これは次回が楽しみすぎる!

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