最弱無敗の神装機竜《バハムート》 (GA文庫)

【最弱無敗の神装機竜《バハムート》】 明月千里/春日歩 GA文庫

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“最強"を為す、亡国の機竜使い《ドラグナイト》――始動!
装甲機竜《ドラグライド》×美少女の“最強"の学園ファンタジーバトル!

五年前、革命によって滅ぼされた帝国の王子・ルクスは、誤って乱入してしまった女子寮の浴場で、新王国の姫・リーズシャルテと出会う。
「……いつまでわたしの裸を見ている気だ、この痴れ者があぁぁっ! 」

遺跡から発掘された、古代兵器・装甲機竜《ドラグライド》。かつて、最強の機竜使い《ドラグナイト》と呼ばれたルクスは、一切の攻撃をしない機竜使いとして『無敗の最弱』と、今は呼ばれていた。リーズシャルテに挑まれた決闘の末、ルクスは何故か、機竜使い育成のための女学園に入学することに……!?

王立士官学園の貴族子女たちに囲まれた、没落王子の物語が始まる。
王道と覇道が交錯する、“最強"の学園ファンタジーバトル、開幕!
滅ぼされた国の王子と滅ぼした側のお姫様が主人公とヒロイン、というだけでもなかなか美味しいシチュエーションなのに、それぞれが抱えている秘密が、ちょうど鏡合わせの裏返し、みたいになっていて因果でガチガチに固めているのが、また面白いなあ。
そもそも、お姫様が戦闘系、というのは大いにあるけれど、それに加えて天才技術者、という属性はかなり珍しいんじゃないだろうか。戦闘バカじゃなくて、技術バカなメインヒロインって美味しいなあ。だいたい、この手のキャラってヒロインでもサブヒロインの更に後ろのほう、というパターンが多いですし。
何れにしても、この二人って正反対の立場でありながら、その境遇や抱え込んでいるものは非常に似通っているんですね。だからこそ、シンパシーが通じ合い、他人にはなかなか見えないであろう本音、キラキラと輝いている前進する美しい光、ギラギラと滾っている仄暗い焦燥、足取りを重くする深い自罰的な苦悩を感じ合えたのでしょう。お風呂でばったり、という最悪の出会いでありながら、二人が吸い込まれるようにお互いに惹かれていき、目が離せなくなり、相手のことを知りたい、自分のことを知ってほしい、と想い合う過程が心地よく描写されていて、読んでいてもすこぶるすんなりとハマっていきました。
ちょっと二人がお似合い、というか一つのパーツのようにピッタリとハマりすぎていたせいか、他のヒロインズのインパクトがまだまだ足りない結果になってしまった気もしないでもないですが、そのあたりはまた後々か。妹姫は兄いじりで結構いい味出してましたけど。
意外と乗機である機竜を、専用機だけじゃなく、汎用というか結構使い分けてたのは面白かったですね。その辺、リーズシャルテが技術バカな開発者な面も強く影響したのでしょうけれど。この調子だと、ルクスのバハムートもリーズシャルテが手がけたり手を加えたり魔改造してしまったり、とかもありそうだなw

さらっと触れられただけで流されてましたけれど、現女王の娘、リーズシャルテの従姉妹にあたる少女が内乱の際に亡くなっており、結果としてリーズシャルテが皇太女として立太子してしまっているとか、後々もろに陰謀絡んできそうですよね、これ。ルクスが企んだ件も結果として影響してそうだし、どうもこの1巻はキャラ紹介であり状況説明回であり、本番は次回以降って感じがするなあ。

しかし、最近のイラストの春日歩さんは、キてますよねえ。他の作品(俺、ツインテールになります、など)でもかなり目立ってますけれど、この巻でもカラー口絵のお風呂のシーンといい、大変眼福でありました。派手な動きのあるシーンもいいんだよなあ。

明月千里作品感想