うちの居候が世界を掌握している! 5 (GA文庫)

【うちの居候が世界を掌握している!5】 七条剛/希望つばめ GA文庫

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お待ちかね、ルファの素顔を遂に公開!

「やっと日本で会えましたね、社長」
社長秘書の緊急来日から始まる波乱の日常!?
日本屈指の大財閥に真正面から戦いを挑む刺激的な第5弾!!

「社長、ここに居候させて下さい! 」
真哉が最も信頼をおく社長秘書ルファ=マルティーニが来日! 日本に住む祖父に呼ばれ、逃げるように飯山家までやってきたというが――

「社長のお世話は私がいたしますね」
仕事も家事も完璧にこなす彼女に
「最強の敵がきてしまいました……」
「シャチョーって? なんて意味?」
桃香と莉子の女子力じゃ対抗不能!?

しかし、ルファが実家から託されたある責任が、オリオン全体を揺るがす大きな決断を真哉に迫る……。

「僕にとってルファこそが――」

でもね社長、学校の書類もちゃんと提出するんですよ?
美少女秘書の素顔が初めて明かされる超無敵アットホーム第5弾!!
まさに、これこそ「満を持して真打ち登場!」そのものじゃないですか。
いやあ、これまで秘書のルファと言えば、いつも本編である日本から遠く離れた本社に足止めされ、社長の無茶ぶりに半泣きになってヒーヒー悲鳴を上げながら駆けずり回り、挙句イラストでは何故か顔が隠された状態で描かれる、という凄まじいまでの不憫キャラを地で行っていて、とにかく「可哀想な子」というイメージだったのですが、なぜ彼女がこうも執拗に物語から隔離され、遠ざけられていたのかが今回良くわかりました。

ICBMは本当に発射したらイカンとですよ!!

あまりの威力故に、使えば全土が焦土と化してしまう。そんな強力すぎる兵器を投入してしまえば、既存のヒロインなど束になって掛かってきても、歯牙にもかからない。そんな蹂躙戦が、ここに現出してしまったのでありました。
この娘、あまりに完璧すぎる!!

前々から社長もCEOも、ルファのこと扱き使っていましたけれど、同時にその際立った優秀さには賞賛を惜しまなかったので、まあ出来る人なんだろうなとは思っていました。が、その完璧さたるや想像をはるかに絶するものでした。
仕事が出来る、というレベルじゃなく、女性としてもほぼパーフェクト。飯山家に逃げ込んできたあとの、まるで何年も自分の家の中のことを切り盛りしてきたかのような手際の良さは、これまで飯山家の家事を大過なくお母さんのようにこなしてきた桃香を、一瞬で無職に押しやってしまい、まるで他人の家の借りてきた猫みたいにおとなしくさせてしまうほどで、その完璧超人っぷりには圧倒されるほど。と、家事の切り盛りを片手でやると同時に、もう片方の手では国際企業たるオリオン社の業務を片っ端から片付けていく辣腕ぶり。兼兼、社長である真哉がずっと日本で学校なんかに通っていて大丈夫なのか、と思ってたのですけれど、こりゃ大丈夫ですわ。このルファとCEOのキルマンが本社抑えてたら、よっぽど社長の承認と判断が必要な懸案以外は全部二人がまとめてやってくれてるでしょうから、そりゃ学校に通う余裕も余裕であるってもんです。それに何より、ルファと真哉の呼吸の合いっぷりと来たら以心伝心もいいところで、真哉も信用と信頼を丸投げして当然です、これ。肩書こそ社長秘書ですけれど、ルファの能力と権限はオリオンのナンバー3である事は疑いようもないことで……。
彼女の祖父が、目をつけたのもまさに慧眼と言ってよかったのでしょう。これは、万難を排しても迎え入れたい、と多少ならずとも強引な手に出て手の内に入れようとしたのはわりと理解の範疇です。普通に考えたら、財閥の長がそこまで無茶して手に入れようなんて、おかしな話なんですけれどルファのあまりの完璧超人な際立った能力を見せられると、それも説得力が出てきてしまう。

というわけで、今回は日本の大財閥の長と、新興企業であるオリオンの社長である真哉が、ルファをめぐって全面対決、それこそ社の全力を賭して凄まじいまでの経済闘争を繰り広げることに。何気に、同じ企業、それも一国の根幹を担うほどの大企業と対決する展開は初めてでしたので、なかなか燃えましたね。今度の相手は、いわば真哉の持つ権力と経済力を上回る相手であり、純粋に真哉の能力とオリオン社の実力が試される展開でしたし。とは言え、オリオン社も真哉とキルマンが立ち上げた新興企業とはいえ、今や世界を股にかけメキメキと成長を続ける国際企業。決して弱小のネズミではないので、対決も四つに組み形勢がコロコロと変わる殴り合いで、面白かったですねえ。
また今回に限っては、真哉の攻勢は相当に苛烈だった気がします。これまでは比較的受け身だった気がするんですが、今回はかなり徹底して相手を叩き潰しに掛かってましたし。二度とうちのルファに手出しさせん、という意味で。作中でも何人かが言及してますけれど、家族以外でこれだけ彼が執着しているのって、ルファだけなんですよね。その意味では、本当に特別なんだよなあ、この社長秘書。
もっとも、この娘の器からして囚われの姫君、なんて役回りに甘んじるはずもなく。正直、ラストの真哉社長との以心伝心丁々発止での殲滅戦は、ちょっと黒過ぎなんじゃ、と苦笑してしまうほどで。あれはさすがにルファの爺さんがかわいそうになったなあ。まあ、これだけの人でもルファという娘を見誤ってしまっていた、ということなのでしょうけれど、腹から食い破られたようなものだもんなあ、これ。

とまあ、お仕事でも日常パートでも圧倒的なスペックで並み居る敵味方を蹴散らしてくれたルファですが、事件が片付くと同時にお役御免とばかりに再び日本からさようなら。そして、イラストでは再び顔が隠れてしまう、という不遇キャラへの帰還は、なんと言いますか……ご愁傷さまでしたw
でも莉子さんよ、あんたこれと張り合うのは相当大変ですよ。家族の中では一番努力して真哉にふさわしくなろうと頑張ってる娘なので、なんとか応援してあげたいところなのですが。