甘城ブリリアントパーク2 (富士見ファンタジア文庫)

【甘城ブリリアントパーク 2】 賀東招二/なかじまゆか 富士見ファンタジア文庫

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「人が足りない!」
東京西部の遊園地、「甘城ブリリアントパーク」の支配人代行に就任した高校生の可児江西也は、会議室で声を張り上げた。放火(!)までやらかして、潰れかけの遊園地を救ったことはよかった(よくない)のだが、問題は山積み。中でも深刻なのは『人員不足』。急いで人を募集してみたら、集まったのは珍妙な女の子ばかり。ある者は清純派の元○○女優、ある者はドジっ子な血まみれ女子高生、またある者はどうみても小学生。…こんな奴らと働くことなんてできるかぁぁぁぁぁ!!果たして、西也は再び「甘ブリ」を救うことができるのか!?
いや待て、AVの女優と聞いたら普通はそっち思い浮かべるし、面接でそんな言い方をされるとどうしたって勘違いするから! 人員募集で集まったメンバー、三人とも非常に個性的で面白いキャラクターだったんだが、後半全然出番なかったな。この作品って、おっさん着ぐるみたちの下品なしもネタが売りなので、女性キャラが増えても使いどころがないのかもしれない。それって、ちょっとした絶望だよ?(苦笑
この着ぐるみドモの加齢臭がいったいどの層向けなのか、未だによくわからんなあ。私はまさにおっさんだけれど、おっさんどもの下品な会話を聞いていても、別に面白くもなんともないですよ? それとも、中高生にはむしろウケるんだろうか、これw
とは言え、ちゃんとラブ寄せもはじまってるんですよね。1巻では堅物すぎて女っ気が一欠片も見受けられなかった千斗いすずが、ここに来て急速に西也を意識し始めたのです。あんた、1巻のときそんな素振りあったか? 少なくとも全然自分は覚えてないぞ!? いやでも、いすずにちゃんと女の子らしい意識があって良かったよ。姫様が何しろ記憶リセットで好感度も初期化されちゃってる状態で、さらにここから再びというのはなかなか初速が得られにくい展開で、もしかしたらこの作品ヒロイン抜きなんじゃないか、とすら危惧していたところなので、いすずが非常に女の子らしい振る舞いをするようになり、メインヒロインとして動き出したことはこの酒焼けしすぎた作品に仄かな彩りを与えてくれることになりましたし。こういう不器用な娘が自分の心を持て余して内省しながらグルグルとその場で回り続けるような展開は好みの一つですから
西也も決して鈍いタイプじゃありませんから、いすずの不審な言動には察するところがあるようですし。ただ、察したからといってうまく対処できるかどうかは全く別なんですけどね。この男、人間性と性格に乖離があり、さらに対人関係もビジネスの時とプライベートでは器用度が全く違うからなあ。
一方で遊園地経営の方は、先のイベントで凄まじい赤字路線に突入してしまい、その挽回に東奔西走するはめに。いや、だからこれ無理ゲーでしょう(苦笑 西也はとり得る手段からかなり現実的に対策を打ち出していますけれど、かなり場当たりの感がある。なんだろうな、西也って天才的でも破天荒でもなく、わりと秀才タイプだよなあ。実務については、ほぼ独力で交渉をまとめているあたり、凄まじく優秀でしょうし、むしろ破綻寸前の案件を立て直す再建屋としてのプロっぽさはあるんだけれど、誰も思いつかなかった手段で大逆転、という手法はあんまり似合わない。だからこそ、前回なんて犯罪まがいどころか明らかに犯罪である手段を使って泥臭いにも程があるやり口で補填をやってのけた、と言えるのだけれど。
つまるところ、現段階での条件ですらアップアップだったのに、さらに上書きされた閉園の条件は法外もいいところで、このどうやって無理ゲーなのを、だからどうやってクリアするんだ、と。展望がまったく見えん!!

1巻感想