絶対城先輩の妖怪学講座 二 (メディアワークス文庫)

【絶対城先輩の妖怪学講座 二】 峰守ひろかず/水口十 メディアワークス文庫

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東勢大学文学部四号館四階、四十四番資料室の妖怪博士・絶対城阿頼耶の元には、今日も怪奇現象の相談者が訪れる。長身色白、端正な顔立ちながら、傍若無人で黒の羽織をマントのように被る絶対城は、資料室の文献による知識と巧みな弁舌で、数多の怪異をただちに解決へと導く。夏休み。絶対城と礼音は織口准教授の誘いで、とある田舎の集落を訪れる。そこで二人は、古代より続く奇怪な風習に巻き込まれるのだった。四十四番資料室の怪人が紐解く伝奇ミステリ第2弾。
絶対城先輩、いつの間に貴方そんなに可愛らしくなっちゃって。
確かに前巻でも最初の傍若無人な印象からどんどんと意外と気遣いの出来る人だというのがわかってきて、愛嬌というか可愛い人だなあ、と思える部分は垣間見えてたんですが、礼音と十分打ち解けてきたこの巻ではちょっと他人行儀だったところがなくなって、ほんとに礼音に対していい意味も悪い意味でも遠慮がなくなってきたぶん、彼女に対する対応がえらく可愛く見えるようになってるんですよね。
あーた、ホントは礼音のこと滅茶苦茶可愛がってるだろう(苦笑
これが女性に対する感情によるものか、それとも後輩を猫かわいがりしているのかは判断の難しいところなんですけど、ともかく礼音の事を大事にしているのが随分とあからさまになってきて、思わずニヤニヤしてしまうシーンが多発してきたものだから、こちとら溜まったもんじゃありません。前はもっと絶対城先輩の礼音に向けた言動って、無関心に根ざした辛辣で突き放したようなものの方が強かったのになあ。比べてみたら、随分と態度変わってるんじゃないだろうか。
その辺、無意識に礼音本人も感じ取ってるのか、以前のように彼の言動に腹を立てることも少なくなり、むしろこう満更じゃない感じでデレデレっとし出したのには、参ったというか意外と聡いなあと思ったというか。
何気にあれだけ酷かった女性として最低限の格好も、結構改善してきているようですし。1巻ではさすがにこれはないわー、とドン引きしたもんなー。

さて、肝心の真贋が混在した怪異とそれに纏わる人間たちとの対決、または真相究明は、1巻に引き続いて民俗学に基づいた妖怪モノ、と構えていると椅子ごとひっくり返りそうな展開が待ってます。いや、さすがにそれは予想の斜め上すぎるわーー! とはいえ、件の怪物については某直木賞なんかでも取り扱われたように、こういったケースで登場することについてはそこまで驚かなかったんですけれど、このジャンル跨ぎはやっぱり意表突かれたなあ。いや、この神様の正体そのものよりも、その生き血云々の効能の方が胡散臭さたっぷりですよw
むしろ、ゾッとさせられたのは裸祭りの原型についての薀蓄でした。あれ、マジなん!? そんな話、初めて聞いたんですが、これ本当だとガチで怖いんですけど。

ともあれ、思っていた以上に絶対城先輩と礼音のコンビがしっくりとハマってきた上に、お互いの心がしきりと動いてお互い目を離せなくなってきたので、面白さが本格化してきました。これは、このまま長期シリーズ化所望ですよ。

1巻感想