東京レイヴンズ10  BEGINS/TEMPLE (富士見ファンタジア文庫)

【東京レイヴンズ 10.BEGINS/TEMPLE】 あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫

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「ごめんな、夏目。でも、いつか…きっと、また会おう」
夏目を蘇らせるため『泰山府君祭』を執り行った春虎。夏目が目を覚ましたとき、その姿はもう何処にもなかった。そして夜は幾度も廻り―舞台は、冬の気配深まる山寺へ。幼い頃に寺に預けられ、下っ端として雑用をこなす少女・秋乃は、新入りの面倒を見るよう命じられる。蛟の生成りだという新入りに、不吉な予感を覚える秋乃。時を同じくして、三人の『十二神将』が来訪し、山寺は俄かに騒がしくなるが…!?大人気陰×陽ファンタジー、それぞれの想いと星の宿命が交錯する、待望の第二部―いよいよ開幕!!
ほ、ほんとにごめんなさいだよ、春虎ぁーーー!!
な、なんてこった、お前、よりにもよってアレ、失敗してたんか!!
あんぎゃーー、と思わず頭を抱えてしまいましたがな。





お陰で、夏目さんは見事にゾンビー状態に。抹香臭い! じゃないけれど、反魂香を焚いていないと行けない上に、かなり無茶なことをして無理やり現世に縛り付けている状態だという、見事に死人状態。
思いっきり失敗してるじゃないか、春虎ぁ。

という訳で、春虎=夜光が一体何を考えて何をしようとしているかはわからないままなのだけれど、少なくとも生きた死人となっている夏目をキチンと復活させる事を最重要に据えて動いている事はどうやら間違いないようだ。
しかしこの夜光、何気にポカが多くないか、と心配になるやら微妙に安心してしまうやら。夏目の事もともかくとして、どうやらコンも無理やり飛車丸として復活したことで色々と不具合が出ているようですし、今回の一件ではどうやら千爺さんの物言いだと、見逃してはいけないものをまんまとスルーしてしまったご様子ですし、土御門夜光といえど決して万能の存在ではないという事なのだろう。果たして夜光の意識と春虎の意識がどうなっているか、これはどうも二つの意識が別個に混在しているのではなく、ほぼ夜光=春虎として混合しているように見えるのだが、こればっかりは友人達と再会しないとハッキリしないんだろうなあ。

夏目については、どうやら春虎の両親と泰純と一緒に行動している模様。実の父娘ではないとわかってどうなるか、と思ったこの二人だけれど、取りあえずは同行しているのか。義父さん、と夏目が泰純のことを呼んでいるあたり、内心複雑なものはあるのかもしれない。可能性として考えていた夏目=鷹寛・千鶴夫婦の実子という関係は、どうやら違うのか。この期に及んで小母さん小父さんと呼んでたしなあ。一方で、陰陽塾を脱して以来、夏目は千鶴から徹底的に仕込まれているようで、お願いですから雷術はともかく性格の方は似ないでください。
どう見ても千鶴さんって、冬児なんかよりよっぽどチンピラなんですからw
再登場した時の第一声には頭抱えましたがな。

冬児は意外なことに天海部長と動いている模様。ちょっと予想外の組み合わせだ。京子と鈴鹿は逃亡せずに倉橋の元に残っているようだけれど、いったいどんな状態なんだろう。そして、この期に及んで誰も言及してくれない天馬(笑
あれだけの大仕事をやりとげた天馬だけれど、決して活躍はあれでおしまいって事はないと思うんですよね。それどころか、これからまたぞろキーパーソンとして成長・活躍しそうなんだよなあ、あざの作品的には。なので期待しています。

そして、ついに春夏秋冬さいごの一人、秋のキャラ、秋乃が登場。いや、最後に解かれた呪の正体には、呆気に取られましたがな。これはびっくり、なんてもんじゃないですよ。どんだけ重要人物なんだ、これ? 同世代じゃなくて、一回り以上年少さんというのも意外でしたけれど。

しかし、ちょうどアニメで装甲鬼兵・土蜘蛛が大暴れしてたんですが、春虎ってばこんなとんでもないものを三体も突っ込ませて大暴れって、無茶苦茶しすぎですって。ガチで戦争じゃないですか。ちゃぶ台返しどころじゃないシッチャカメッチャカさで、なんかもう夜光になってから自重しなくなった? 春虎だった頃はかなり常識人側だったと思ってたんだけれど、これじゃあクラッシャー、デストロイヤー呼ばわりされても仕方ないですよ。しかも、目的があれだったとなると、あれを手に入れるためだけに陰陽庁からも危険視され十二神将三人も送り込んで折衝してたような組織を、行き掛けの駄賃で潰しちゃったわけですしね。穏便という単語の辞書を引け。

夜光復活の一件は結局倉橋長官が情報を堰き止め、関係者以外は十二神将含めて上層部でもほぼ知られて居ない様子。まあ、陰陽庁のトップと双角会がズブズブどころか、主導していたなんて知れたら、責任問題どころじゃないもんなあ。結局、上の様子が怪しいことを訝りつつも、目の前の仕事に徹している弓削さんみたいなのがスタンダードということか。ほぼ全部知った上で飲み込んで従っている小暮さんみたいに苦しむはめになるなら、知らないほうがまだマシって事なんだろうけれど……弓削姉さんはその代わりに、ダントツで苦労人ポジを突き進んでるなあw なんか、行き遅れ属性までつきはじめてるし。誰かいい人いないんですか、結び姫
さんw

春虎に会いたい一心で、指名手配の身でありながら、泰純の星詠みに出た春虎の出現場所に黙って一人赴いてきた夏目。そこで、もう一つの運命の出会いに遭遇するわけですけれど、そんな夏目の切ない思いを袖にする春虎の思惑はどこにあるのか。すっかり謎多き男、になってしまったなあ。
主人公はこうして春虎から夏目に移り、あの泰山府君祭から一年が過ぎ去った今、第二部がこうして幕を開ける。
さあ……ネクストステージだ!!

あざの耕平作品感想