浮遊学園のアリス&シャーリー2 (オーバーラップ文庫)

【浮遊学園のアリス&シャーリー 2】 むらさきゆきや/しらび オーバーラップ文庫

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“お助け猫"(ヘルプキャット)絶体絶命! ?
ふたりの異能バトルは今日もレベルMAX! !

夏の盛りを迎えた浮遊学園都市《楽園(カナン)》。
柾貴(まさき)とアリスとシャーリーの三人は、規律委員会(ブレイカー)の本部に呼び出される。そこでシャーリーは、委員長の須旺(すおう)から規則違反による幻想具現化(グローバライズ)禁止を言い渡されてしまう。その須旺は、菓子作りの世界で高く評価されており、柾貴の憧れの人物でもあった。
その頃、支援隊の氷梨は、とある噂を耳にする特有幻想(ディアレクト)を強くするケーキがあるという。真相を確かめるべく規律委員会は動き出す…!
紅茶(アリス)とお菓子(シャーリー)の異能学園バトル、レベルMAXで第2幕スタート! !
なんでこの作品、男の料理上手率がこんなに高いんだよ!!(笑
この巻に限りだけれど、登場した男性キャラ三人とも料理スキルの持ち主だし。それに比べて、女性陣は食うばっかりで、これは将来女の子たち太るんじゃないか、と要らん心配をしてしまう。まあ、アリスはとても太りそうな体質じゃなさそうだし、シャーリーはカロリー消費大きそうだしなあ。でも、そんな太りません属性をもねじ伏せそうなほど、柾貴と須旺委員長のお菓子作成スキルと、それ以上にお菓子にかける情熱が高すぎる。まだ、それぞれ個人個人ならそこまで熱もあがってなかったかもしれないのだけれど、同世代の同性のお菓子作りにこだわり、情熱を傾ける者同士が顔を合わせてしまったので、二人共余計に気合と熱が入っちゃった、いわゆるスイッチが入った状態になっちゃったっぽいんですよね。お陰でこれ、アリスとシャーリーが柾貴が作った分を消費する分が回ってしまうんじゃないかと。毎日美味しいお菓子を山ほど食べてたら、さすがにシャーリーくらいでもふくよかになってきそうで、恐ろしい(笑
しかし、規律委員会としての活動がコンビ限定、ということが何気に三人の活動に制限を加えてしまうことになるようです。コンビからハズレて支援隊に回った子は、幻想具現化の自由な使用を禁じられてしまうわけで、とにかく破壊してしっちゃかめっちゃかにしてしまうことに特化しているアリスとシャーリーの場合、それだと手足を封じられたのと同じこと、のはずなんですが。シャーリーという子は、能力が使えるとか使えないとかは全く関係がない子のようで。氷梨の探索を手伝うことに、一切の躊躇とか考慮とかそもそも考える、という素振りすらなかったことに感心するやら呆気に取られるやら。いや、ここまで難しく考えない、感じたままに動く、ということに
徹する姿はもう惚れ惚れするしかないですね。皮肉じゃなく。シャーリーにとって、能力のあるなし、というのは意味ないのでしょう。それこそ、彼女の行動はたとえ無能力に近い立場だったにしても、まるで変わらないままだったに違いありません。能力が発現し、学園都市に来る前からシャーリーという少女は輝く太陽のように皆の信望を集める存在だったといいます。それこそ、ただ側に居続けるために柾貴が多大な努力を必要としたくらいには。ある意味、その頃と何も変わってない、というのを彼女は体現しているわけで、眩しいなあ、こりゃ。柾貴が全身全霊をかけてついていこうとしたのもよくわかる。そして、あの気難しいアリスがこれほど信頼しているのも。
ほんと、コンビ限定なのが持ったいない三人です。勿体ぶっている、とも言えるのかもしれませんけれど、このアリス、シャーリー、柾貴の三人は三人揃った時こそ一番相乗で力を発揮できるだろう。今コンビ限定でも十分活躍していますけれど、全然ポテンシャルの底を感じませんもの。
さて、今回の敵は矮小と言っていいほど小物でしたが、どうやら裏で動いている黒幕も居る模様。須旺委員長もなかなかエッジのきいたキャラクターで、味方でいる間は実に頼もしそうですがどうも事情を色々と抱えていそうでもあり、そして意外な方向から重要人物として食い込んできた氷梨ちゃん。彼女の動向、というか行く先が目下最大の懸案となり、状況はうごめいたまま次回へ続く、と揃うものも揃いだして、盛り上がってきましたよっと。

1巻感想