スカイ・ワールド5 (富士見ファンタジア文庫)

【スカイ・ワールド 5】 瀬尾つかさ/武藤此史 富士見ファンタジア文庫

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スカイワールド―それは魔法と科学技術が同居する世界で、無数に浮かぶ島から島へと飛空艇で旅をするオンラインRPG。『竜の末裔』を名乗る二つの種族が争いを続ける第四軌道へとたどり着いたジュンたちは、サクヤの救出に成功する。ついに再会したジュンとサクヤ、そしてサクヤとかすみ。ジュンに対して積極的な好意を示すサクヤに周囲が振り回される中、サクヤを窮地に追い詰めた冒険者たち―クリアのためには手段を問わない強大ギルド―『黄金の果実倶楽部』が再び攻めてきて―。封印都市の秘密に迫る、熱きオンライン冒険ファンタジー!!
なんか、気がつくといつの間にか3,4人の小さなパーティーでコツコツとクエストをクリアしていっていた話から、何十人規模の大規模レイドがメインになってて、驚くほどダイナミックに話が進んでいくことに。途中からなし崩しに協力することになった他のパーティーのメンツがイイキャラしていて、男女共にジュン・ハーレムな元のパーティーメンバーとは違った立ち位置から、色んな意味で頼もしく、またいい感じでチャチャ入れてくれるキャラクターだったんですよね。やっぱり少数のメンバーだけでやりとりをしていると、物語自体も内に内に潜ってしまい、小さくまとまってしまいがちなんですけれど、お陰で世界を見る視界がグッと枠組みごと押し広げられた感じがあったんですよね。ああ、これがスカイ・ワールドなんだなあ、という広々とした雄大さを感じられるようになった。
そこに、サクヤたちのパーティーとの合流であります。あのサクヤが率いるパーティーですから、一筋縄ではいかないだろうと思ったんですけれど、振り返ってみるとジュンたちが構築したギルドの面々ももう一筋縄ではいなないメンツだったりして、これが思いの外すんなりと合流するのにハマってしまったのには、それだけジュンとサクヤがそれぞれ一心同体というだけの同じやり方でギルドを作っていたんだなあ、というのがよく分かる。
全然ぎこちなさとかなく、同じギルドとして合流出来たもんなあ。まあ、サクヤの無茶を制御していた副長格のお嬢が、さらにサクヤと同格のトラブルメーカーであるジュンが合流したことで余計に苦労することになるんじゃないかと心配になるところですがw まあ、無茶苦茶するサクヤの暴走を、ジュンはうまいことコントロール出来るみたいなので、彼女の労力は結果から見ると低減するのかもしれませんが。ジュンはサクヤの副将であるにも関わらず、苦労性な面は一切ないからなあ。あれ、煽ってたよなあw

しかし、サクヤと合流したことでジュンのハーレムロードはどんどん切羽詰まったことに。もうサクヤが全然自重しなかったもんなあ。こっちはこっちで煽る煽る(笑
ヒカルの話なんかきいていると、サクヤがどれだけジュンに傾倒していたかもよくわかりますし、あの土壇場の窮地でさっそうと自分のギルドを引き連れて、置いていった親友まで成長されて連れてきて、助けに来てくれたんですから、そりゃもうただでさえ夢中だった熱量がメーター振りきっちゃうのも当然っちゃ当然なんですよね。
再会シーンで、劇的にならずにサクヤもジュンもこうなるのが当然、みたいに振舞っていたのが二人の信頼度の高さを表していて、これはこれで好みだったんですけれど、果たしてサクヤの内心的にはそんなに平静だったんだか。その直前まで、殆ど心折れかけて精神的にもボロボロみたいだったようですし、それがあれだけ一瞬で立ち直っちゃったんですから、その心推して知るべし。
まあ、再会シーンはヒカルのサクヤに対するそれに殆ど持ってかれた気もしますけど。ヒカル、キャラ違うキャラ違う(笑
ガチでフルボッコし始めた時には爆笑してしまいましたがな。この二人の関係も面白いよなあ。もっとベッチャリとした湿度の高いものだと思ってたんだが、ジュンとは違う意味でサクヤとヒカルが心通じ合わせた関係であるのがもう嫌というほどわかった。掛け替えの無い関係、というのにもいろんな色があって面白い。

ジュンがこれまで辿った遠回りの道と、クエスト狂いが掘り当てた様々な謎解きが、これまで一直線に突き進んでいた最前線の攻略ギルドたちが探り当てる事が出来なかった世界の真実の一端を握っていた、というのは、やっぱりゲームって寄り道大切だよね、と実感させられるw 
次回から、再びもう一度パーティーに戻っての話になるようですけれど、しばらくダイナミックに話が進んでいただけに、ここでもう一度身内の話に立ち戻ってじっくりやるのもイイんじゃないでしょうか。サクヤが加わって、また味付けも変わったでしょうし。ギルドの方も、放置じゃなくそっちはそっちで状況を整えていてくれるでしょうし。話もガンガン動くし、やあ面白くなってきた。

シリーズ感想