スクールライブ・オンライン 2 (このライトノベルがすごい! 文庫)

【スクールライブ・オンライン 2】 木野裕喜/hatsuko このライトノベルがすごい! 文庫

Amazon

ゲームを成績・評価に取り入れた栄臨学園。レベル至上主義の校風に馴染めず、ぼっちプレイヤーだった主人公・零央は、突然の大型アップデートを機に、幼馴染の沙耶、留学生のユマと共に新ギルド“心の欠片(フラグメンツ)”を立ち上げ、学園の在り方を変える第一歩として攻城戦に挑む!―が、圧倒的な戦力不足、激レアアイテムを巡る黒い噂―零央は無事勝ち抜けるのか!?大人気の学園×オンラインゲーム小説、第2弾!
グググッ、お、面白い! これは面白いぞぉ!!
第一巻は中盤までのモタモタさがかなり目についたのですが、その分後半から別作品のように主人公が輝きだし、面白さが加速していったのですけれど、2巻ではその加速が収まるどころかさらに速まった感すらあります。
現在の学園の在り方そのものに挑もうという姿勢を見せた零央でしたけれど、一巻の段階だとまずうちわのギルドを作るだけで精一杯で、そもそも学園をどうやって変えていくのか、という方策が見えませんでした。結局、小さなスケールで内輪で汲々とするだけなのかな、という印象だったんですよね。上位のギルドと張り合うにしても、少数精鋭の自分たちのギルドだけでパワーゲームで押し切ってしまいそうな、そんなイメージで。
ところが、攻城戦を前にして滝先輩のお膳立てがあったとはいえ、零央がきちんと自分の意志と実力を以って、他のギルドに自分たちの存在と目的を認めさせ、同盟……いやそれ以上に同志として取り込んだあたりから、作品のスケール感が内向きのものから俄然ぶわー―ッと広がりだしたのです。そして、極めつけは相手の卑怯な罠にハマり危機に陥ったのを逆手にとって、零央が思わぬ打開策をとった場面でした。ここ、自分たちのピンチを奇想天外な策で敵を出し抜く痛快な展開であったんですけれど、同時にそもそもの彼の目的であり大義である、レベル至上主義をひっくり返し、学校の無数の生徒達の意識を変えるに足る、そう……楽しくゲームを遊ぶイベントでもあったのです。この作戦で、間違いなく彼は自分の思想を学校全体に叩きつけ、刻み込み、意識改革の足がかりを残したのでした。自分、ここまで零央が劇的かつ確かな形で学校の改革に成果を見せるとは思ってなかったんですよね、その意味では滝先輩と同じく、彼について随分と見損なっていたのでしょう。
いや、こいつ思ってた以上にやる奴ですよ。つい先日まで燻り拗ね倒していたとは思えないくらい、意志と実力と決断力と発想力の優れた主人公です。
それを目の当たりにした瞬間の、滝先輩の気持ちは想像するしかありませんが、彼女が全部吹っ切って、晴れ晴れとした姿で「選択」したシーンは、痛快とかいう以上に、なんだか嬉しかったですね。登場キャラクターはみんな魅力的ですけれど、この人に「認めてもらう」というのは別格の心地なんじゃないでしょうか。
相変わらず、紗耶や滝先輩、そしてユマや新たに同盟を組むことになった<迷子天使>の杏奈さんをハジメとした新キャラたちとの掛け合いも、キレキレに切れまくっていて、このへんの面白さも一級品です。そこにストーリーのダイナミックな面白さも加わってきたら、そりゃ強力無比ですよ。
しかし、忍足と零央の関係が青すぎて、もう見ていてこっ恥ずかしいですなあ。なに、この男同士のツンデレ関係w もうここまでくると、甘酸っぺえ、とか言った方がいいんだろうか。あまりに青すぎて、なんかハマってきたぞ(笑

盛り上がりも収まらぬまま、これはさらにぐんぐんパワーアップしていきそうな感触です。今後がこれは楽しみだ。

1巻感想