聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 5 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 5】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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『禁呪』VS『禁呪』の歴史的大激突!!

現世最大最凶の魔力《雷帝》ヴァシリーサへ挑め! ロシア支部戦争編、開戦。

「これが俺の戦争だ」

ロシア支部に運命を弄ばれた少女レーシャを救うため、諸葉はひとり日本を離れ、広大な帝国へ殴りこむ。

目指すはランクSの禁呪使い《雷帝》ヴァシリーサ。しかし最悪最凶と謳われる、ロシアの猛者たちが諸葉の前に立ちはだかる! 容赦なき連戦につぐ連戦。入り乱れる絶技と絶技。己の持てる全ての力を駆使し、諸葉は前進し続ける!! そして戦いは決戦の地「エカテリンブルグ」へ――。

『禁呪』と『禁呪』がせめぎ合う、歴史的大激突! 静かな怒りが天を喰らい、世界の形さえ変えていく。
美しき案内人と危険なロシアを往く、バトルカタルシス爆発の学園ソード&ソーサリィ第5弾!!

アンジェラさん、大好きじゃーーー!!

うははは、ヤバイ、やばいやばい、AJさんが好きすぎてもうどうにもタマラナイ!! なにこの人、最高に素敵すぎるんじゃないですか? エドワードの部下で、以前腕試しに襲撃をかけてきた女の人、というのも忘れてたくらいの人だったんだけれど、今回ロシアのヴァシリーサに戦争を仕掛けようという諸葉に、エドワードが案内人として送り込まれてきたAJさん。彼女と二人旅、と相成ったわけですが、これがもう最高の旅だったのでした。ロシアの各地を区管長として収めているヴァシリーサの部下である幹部連中を片っ端から打っ倒していく、という殺伐とした旅のはずなんだけれど、AJさんと諸葉のでこぼこコンビがいい味出しまくってて、なんだかひたすら楽しい気分の旅だったんですよね。というか、AJさんが良いキャラすぎますよ。新ヒロインというのもおこがましい、何というか人間として手放しで好感持てちゃう人なんですよね。エドワードの美人腹心というからには、もっとクールなキャラなのかと思ったら、完全人情系の姐御肌で態度も荒っぽい人だったんだけれど、人の良さが滲み出ちゃってて、どんなキツイ憎まれ口叩かれてもついつい微笑みが浮かんで来ちゃうのである。
諸葉がまたAJさんのこと大好きでねえ。この主人公、わりと人間そのものが大好きなタイプで、どんな相手でも長所を目にとめて好感を覚える人好きする性格なんだけれど、それでもAJさんへの好き好きっぷりはちょっと度を越しているんじゃないか、というほどだったんだけれど……わかる、気持ちわかるよ! AJさんは付き合えば付き合うほど好きになっちゃうよな!! これについては、もしAJさんが男だったとしてもこの好感度天盤は変わらなかったと思う。男とか女とか抜きにして、人間としてAJさんべた惚れよ。
諸葉の立場からしても、AJさんみたいな立ち位置の人って初めてだったんじゃないだろうか。頼れる先輩なんかは石動隊長をはじめとして、決して居ないわけじゃなかったんだけれど、諸葉が年下の男の子として裏表なく甘えられるような人というのは居なかったんですよね。AJさんはそそっかしいし柄は悪いし短気で怒りっぽい事この上ないんだけれど……凄くじゃれつきやすい人なんですよね。邪険にはしても突き放さないし、根本的に面倒見の良い人で、諸葉の凄味を身近で実感しその実力を肌で理解しながらも、いざという時彼を身を挺して守ろうとしてくれた人でもあるわけです。それも諸葉がどれほど強かろうが関係なく、庇護者として、弟を守る姐のように、全身全霊を込めて。
もうねえ、あの諸葉があまりにAJさんを好きすぎた挙句、懐いちゃって懐いちゃって。お前は、元気の有り余った大型犬か、というくらいAJさんにじゃれついちゃってるし。AJさんはAJさんで、ぎゃーぎゃー喚いて叱りつけながらも、満更でもなさそうだし。
今回はエドワードとのお遊びとは違う、ついにランクSと本気で対決するという緊迫の展開だったはずなんだけれど、肝心のヴァシリーサではなく全部AJさんが持ってっちゃいましたよ。完全にAJさん回。
ラストなんか見てたら、諸葉、アンジェラさんに頭上がってないですか。静乃をはじめとするヒロイン衆ですら、アンジェラさんの雷にはタジタジだし、もうこれはアンジェラ姉さんと呼ぶほかナイですねっ!
これほどの人を腹心として懐に抱えているエドワードの偉大さが初めてわかった気がします。
それに比べて、ヴァシリーサは能力とは裏腹にその人格の方は思いっきり欠落、というよりも未熟さが目立つ人物だったようで。正直、あそこまで酷い支配をしていながらあの処置は甘い方だとは思うんですけれど、まあもう立ち直れないくらいにベキベキに心折りまくったからなあ。敵は<異端者>であって、これは所詮身内同士の揉め事に過ぎないわけで、内輪もめで戦力を減らすわけにはいかないし、しょうがないのか。精神的に未成熟であった分、ある程度叩き直すことは出来そうですし。
しかし、ポイントポイントの展開の熱さは、やっぱり素晴らしい。痛快感がパないです。此処ぞという時に、思わず拳をグッと握りしめてしまうような、痒い所に手がとどくような行き届いた、そう望むべき所に望むものが、時にはそれ以上に想像を上回る熱量が降り注ぐようなシーンの数々、いやいや素晴らしいったらありゃしない。
クライマックスの盛り上がりときたら、最高潮もいいところでした。あくまで諸葉が突き抜けた強さを示しつつ、しかしそれ以外の周りを固めるキャラたちがまた活き活きとして活躍を欠かさないんですよね。諸葉の一人舞台にならず、みんながべらぼうにカッコいい。その上で、諸葉が最高にカッコいいという構図は、痛快さにかけては現行のライトノベル見渡しても、最高峰と言っていいんじゃないでしょうか。
こりゃ、この作品弾けるで。

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