姉ちゃんは中二病2  へっぽこ吸血鬼vs.最強の妹!? (HJ文庫)

【姉ちゃんは中二病 2.へっぽこ吸血鬼vs.最強の妹!?】 藤孝剛志/An2A HJ文庫

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ヒロイン争いに最強ブラコン妹が参戦!!

一学期末。魔眼の謎は解けないものの、姉の睦子が率いるサバイバル部の活動や、『殺人鬼』武内奈月との早朝鍛錬、『吸血鬼』野呂愛子との初デート(なぜか妹付き)など、騒がしい日々を送る雄一。
そんな中、愛子からある相談を受ける。
世界征服をするなどと口走り、最近中二病をますますこじらせている兄の京夜が行方不明になったというのだが……?
電磁投射砲って銃刀法違反じゃないんですか!?
知らない間にカオスとかしてきている雄一のクラスですけれど、もうちょっと日常パートで描写が欲しいなあ。魔眼で見ると訳の分からないレッテルが浮かんでいる連中が、普通の高校生の姿でわいわいやっている光景は微妙な滑稽さがあって、あの身も蓋もない空気が好きだったんですけれど。死者とか獣人とか見るからに怪しい連中よりも、むしろギャルゲ主人公やエロゲ幼なじみの動向が気になる今日此の頃。
この作品の売り、というか作者の作風のアピールポイントは前巻でも書いた気がするんですけれど、やっぱり「身も蓋も無さ」なんですよね。それは、時にはお約束として保証されているはずの展開すらも、無遠慮に踏みにじってしまうところだったりします。たとえば、軽く小当りして思わせぶりなことを口にしながら撤退しようとした怪しげな連中を、逃げる前に捕捉して叩き潰しちゃったり、とか。これでギャグキャラが相手なら、コメディの一幕として処理されてしまうのですけれど、これの場合ガチで黒幕というかネタキャラじゃない相手を捕まえてフルボッコにしちゃってますからね。ほんともう身も蓋もないんですよ。
その身も蓋もなさの化身が、この姉ちゃんなのである。
真面目に付き合ってると疲れるので、主人公の雄一が微妙に思考放棄して概ね姉ちゃんの言いなりになってるのは彼なりの現実逃避なのか、現実的な対処法なのか。いずれにしても、唯々諾々と言いなりになってたら魔改造されてたって、ちょっと怖いですね。姉ちゃん、いい具合に頭おかしいですし。弟の場合はまだ毒されている、という段階にとどまっていると思いたい。弟は弟で、こいつもいい加減イッちゃってるところがありますし、自覚なしに。むしろ、若干ヤン入ってるブラコンの妹が普通に見えてくる不思議。
しかし、この頭のオカシイ姉弟に関わってしまったせいで、軒並み酷い目にあっていくのは異能とか怪物サイドの人たちというのがややも可笑しい哀れな話である。茨木くんもわりと被害者サイドなのに、なんでこんなに雄一になついてるんだ? 
京夜兄ちゃんも、もう少し残念サイドの人かと思ったら、こちらはガチの方に進んでしまって、あんまり笑えない事になってしまったんだけれど。後半は、なんだか真面目に異能バトルを初めてしまって、笑いどころが見つからなかったんですけれど。いや、ニーハオ・ザ・チャイナの出現だけである意味十分なんじゃないか、と言われるとそうですね、としかお返し出来ないんですが。何者なんだ、ニーハオ・ザ・チャイナ!? むしろ彼とその娘の偽物さんは、ツッコまないという弄り方でずっとイジられそうな気もするなあ。そのうち、自分からアピール白状してスルーされそうな勢いである。

で、真面目にヒロインしている野呂さんは、ヨリちゃんじゃないけれど、ちょっと調子乗ってんじゃないの? と因縁つけたくなりました。だって、本気でヒロインしてるんですもん。野呂のくせに。驚き担当、呆れ担当のはずだったのに、本気でヒロインとして覚醒してどうするんですか。ウケ狙いの方向がズレてきてますよ? とか言っただダメなんだろうなあ。どうも、本当にこの子がヒロインで行くみたいだし。殺人鬼少女の方はどうした。

1巻感想