俺のかーちゃんが17歳になった (2) (電撃文庫)

【俺のかーちゃんが17歳になった 2】 弘前龍/パセリ 電撃文庫

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『17歳教』によって17歳の肉体に若返った、俺のかーちゃんとばーちゃん。そんな俺の家族の前で、クラスメイトのメー子がいきなり俺との結婚宣言!? さらに緊急家族会議開始!? 驚くかーちゃんたちと嫉妬する妹の優香。引きこもり中の優香がますます部屋から出てこなくなり、説得するために突撃した俺とメー子だったが、そこで様々な『初めての3人プレイ』をすることに!そんなメー子の父は『17歳教』によって若返ったハーフの美少女と再婚していた。何か事情があるのではと探る俺と優香だったが…。
17歳だらけのホームコメディ第2弾は結婚ネタだらけでお贈りします!
この作品のファインプレイは、家族モノだからと物語を身内だけで固めずに、メー子という外部の人間を加えた事なんだろうな、とまさにメー子が中心になって物語を引っ張りだし、後半は彼女が核心となって物語が動き出したのを見て、しみじみと思ったのでした。
結局これ、新しい家族が出来る、新しい家族が加わる、という事がどれだけ大変で難しく、そして素晴らしい事なのかを、隆史の家族とメー子の家族の二家族で相対的に描き出した話なんですよね。なので、ぶっちゃけ隆史とメー子の間では一応他人同士である恋人関係でくくられる人間関係はすっ飛ばされてしまっている。隆史がどう思ってるか知らないけれど、事実上もうこれメー子は澤村家に嫁入りしているのと同じ状況なのである。だからして、メー子の家族関係の修復は隆史たちにとっても、もはや他人ごとではなかったりするわけだ。
メー子と義母の拗れてしまった関係を何とかしようと隆史が動き回っている姿、これは主人公がヒロインの家族の人間関係を修復するために奔走するという展開として見るならばそれほど珍しいパターンではないはずなんですけれど、読んでいる間中ずっと微妙な違和感がつきまとってたんですよね。どうも隆史の立ち位置と距離感が変な感触だなあ、と。で、考えてみた結果、これは恋人の家族の事に首を突っ込んでいるんじゃなくて、既に嫁として自分の家族になったパートナーの、身内との問題に対しての距離感、て感じだったわけですよ。つまりは、もう親族間の問題、或いは家族の問題として捉えている、と。
同時に、この件については隆史はまず自分の嫁であるメー子の絶対的な味方である、という前提があるんですね。変に調停者ぶっているわけではない、と。この辺の隆史の言動は、完全に主人公とか彼氏の枠を超えて旦那の領域に入ってるんですよね。
メー子はあらゆる方面に対して完璧超人な女性ですけれど、そんな女性に対してこれほどどっしりと構えて、弱い部分を支えてあげられる、ってまさに相性ピッタリというべきか、メー子の男の見る目の高さを褒めるべきか。いずれにしても、1巻でドタバタの末にメー子の押しかけみたいな形で収まった恋人カップルが、思いの外お似合いの夫婦として機能したことに驚かされた2巻でした。
なんかこれ、脈絡もないイメージなんですけれど、隆史とメー子って主人公とヒロインというよりも主人公の両親、みたいなキャラだなあ、と一瞬思ったり。ふたりとも貫目がありすぎて、むしろ中高生くらいの子持ちになったくらいの頃の方がハッキリと思い描きやすいんですよね。いやあ、なんか思いがけないポイントで面白いと思わせてくれる、ハートフルストーリーでした。
……でも、高収入の嫁が来てくれたら、お母ちゃん身体張って働く必要なかったんじゃないか、とチラッと思うよね。まあ、母ちゃんが十七歳にならなければメー子とこんな関係になることもなかったので、必然的な星めぐりなんだろうけれど。

1巻感想