ネームレス・リベリオンII 氷結魔典は破れない (HJ文庫)


【ネームレス・リベリオン 2.氷結魔典は破れない】 草木うしみつ/鉄豚 HJ文庫

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外道が集う超危険な《夜会》の舞台に今、氷結の女王が降臨する!!

断罪者アスティスとの激闘を仲間と共に乗り切った新米騎士フェリマに与えられた次なる任務――それは、人身売買を目的とした闇の品評会《夜会》への潜入だった!
ルナやナハトも巻き込みつつ、潜入準備に取り掛かるフェリマ。
そんな折、フェリマを溺愛するメイドのアンが騎士団を襲撃。
結果としてフェリマは、アンにナハトを恋人として紹介するハメになってしまい!?
誰だよ、あんた!! フェリマさん、ちょっとやりすぎ!! これ、本気で新キャラ登場と思って疑いもしなかったわ。自ら正体明かすまで。いやいやいや、あんたそんなにキャラ濃かったっけ。いや、酔っ払った時は甘え殺すという必殺技で濃いも濃いキャラを噴出させてましたけれど、今回に至っては完全に素面じゃないですか。少なくとも初回登場時は堅物キャラだったはずなんだが、二巻で既に「芸風」が身につき始めてるんですけど、この人(爆笑
でも、演技だと割り切ってるにしろ、
素面であそこまでテンションあげられるとか、なんかドツボにハマってますよ、このヒロインさん。キャラが面白くなりすぎでしょう、よしもっとやれw
隊長にも、出張から帰ってきてからキャラ変わってない?みたいにツッコまれてたフェリマさんですけれど、図太くなったというか開き直ったというか、色んな意味ではっちゃけちゃったなあ、この子。堅物キャラはどうやら完全に返上したようで、遠慮呵責もなく搦め手でルナやナハトを巻き込むことに躊躇わないあたり、いい意味で曲者ぽくなっちゃってまあ……。
うん、こうしてみると彼女だけじゃなく全体的にキャラが溌溂と動いてるんですよね。キャラ主体の時はノリノリのコメディ路線、ストーリーそのものはガチんこでダークな展開も辞さないハード路線、と二枚腰で掛かってるんですが、さて人によっては中途半端とかどっちつかずとか言われそうな気もしますけれど、個人的にはメリハリついてて凄く面白いと思うんだけどなあ。今回も、フェリマ、ナハト、ルナとそれぞれに自分自身の事情を背景にして今回の夜会に潜入しているので、誰が主人公というわけじゃなく、三者三様の話の筋をうまく絡めあわせながら、夜会の摘発に挑んでる形になるんですね。群像劇、というほどとっ散らかってはいないので、一本の大きなラインを軸にして集中して見ていられますしね、勢いもあっていいんじゃないかなあ。
しかし、1巻で対決した正義の断罪者アスティスが、倒れてなおスゴイ存在感なんですけど(笑
この人、首都の方でも殆どあの調子で大暴れだったんだ。なんか、殆ど騎士団でも繰り出してはいけない最終兵器扱いだったみたいなんですけど。安全装置ついてないミサイルみたいな扱いだったんじゃないですかw
正直、こっちでのこの人の評判聞いていると、派遣されたあの街で悲劇によって狂うまでの統治の仕方は相当穏当に済ませていたんじゃないかとすら思えてくる。むしろ、着任した途端に「ヒャッハー、汚物は消毒ダぁ!!」とかやりださなかったのが不思議なくらいの鉄血正義だったんですけど。
たった一人の騎士の影響力としては尋常ならざるものがあったんだなあ、アスティスさんて。そして、死してなお、フェリマの力に寄ってアスティスの威光は衰えずに、悪に対して降り注ぐことになるのです。……こわっ!!

さて、今回もまた、職務に忠実であるがゆえに苦悩を湛え罪に苦しむ一人の騎士の戦いが描かれることになったのですが、彼……ジークの正義の為、悪を誅する為にじっと闇の中に潜み戦い続ける生き様は、これ絶対悲劇的な結末を迎えると思ったんだけれど、そして実際、任務の成功の代償にあまりにも厳しく辛い「その後」が待ち受けているように見えたんだが……ええーーー!?
えええーーー!?(爆笑)
いや、確かにこの人の苦悩と功績を思えば報われて然るべきだと思うけれど、だからってこんなに盛大に報われていいのか? 報われすぎじゃね? うら寂しく唇を噛み締めて見送るようなバッドエンドかと思ったら、なんというロリコンハッピーエンド。これはやられたわ、この発想はなかった。お見事なちゃぶ台返しとしか言い様がなかったです、うははは。

他にも、多くのものを失った痛みを乗り越え、大切な人が残したものを抱えて前に進もうとするルナの物語や、闇から光差す世界に這い出して、戦う意義と価値を手に入れたナハトの物語、と残虐で惨たらしいストーリーの中でキチンと人間の気高さを描き出してるのは好印象。そして、闇の側だった彼らを引っ張りだしたフェリマにもまた、自分の素性に基づく試練の時が訪れる。次回はそれこそ、フェリマ中心のお話になるんだろうか。

ところで、【超機動仲人】ってなんなんですか? 超怖いんですけどw

1巻感想