落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)3 (GA文庫)

【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)3】 海空りく/をん GA文庫

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不敗vs最弱
学園代表の座を賭け、決戦開始!

「この戦いで私の限界を試してやる! 」
学内戦も終盤に近付き、とうとう始まった戦績上位者同士のつぶしあい。最愛の兄と共に歩んでいくために身につけたすべての力を賭して、珠雫は学園最強の生徒会長《雷切》東堂刀華に挑む。
一方徐々に評価を高めつつある一輝に、黒鉄本家はその牙を剥く。卑劣な罠により虜囚の身となる一輝。引き裂かれるステラとの絆。そしてついに迎えた最終戦、満身創痍の《落第騎士》の前に、過去最大の敵が立ちはだかる。

怒濤の盛り上がりを見せる『校内編』、逆境の第3巻!
降りかかる艱難辛苦を斬り払い、七星の頂へ駆け上がれ!
生徒会執行部、実は面白枠なんじゃないかと疑ってたら、予想以上に愉快な集団だった!! なにこの面白軍団、実は主人公サイドじゃないのか、と思うくらいの個性的な集まりじゃないですか。その上で、一つの家族みたいに仲良いのも好印象。本来ならこういうチームは主人公サイドが構築していくパターンが多いんですけれど、この作品の場合は一輝は殆どステラとワンセットで固まっちゃってるんで、妹の珠雫や前巻で弟子になった絢瀬など身近に居る子も多いし、ほか友人として関わってる人たちも結構居るんだけれど、やっぱりチームではないんですよ、今のところ。
それは仕方のない面もあって、一輝の身の上とそれに纏わる不遇の克服に対して、この物語はあくまでステラをその支えとして主軸にするという方法を取っているのです。ただ、彼がその呪縛から解き放たれ、表舞台で存分に力をふるうようになった時、戦いは一輝個人のものではなくなっていくはずなので、その時やっぱりどうしても信頼できる仲間たち、というのが欲しいんですよね。特に、今後が対校戦になってくると尚更に。そんな時、この生徒会執行部の愉快な仲間たちは、そのまま横にスライドして一輝とステラの頼もしい仲間たちになってくれそうなんですよ。実際、学園代表に残ったのは生徒会のメンツの中では一人だけなんですけれど、どうも雰囲気的に場外乱闘がふんだんにありそうなんですよね。そんな総力戦になった時には、学園代表になれなかった面々がやたら活躍しそうなのが、今からワクワクしています。武運なく落選したとはいえ、実力的には学園代表に選考されたメンバーに全く引けをとってませんしね。
しかし、生徒会長の刀華さんにはやられたなあ。このキャラは予想してなかった。というか、珠雫との試合の武者振りを見せつけられて、あのキャラを想像しろ、というのは無理ですよ。本格的に素の彼女が出てきた時には変な声でましたもん。その上で、学園最強の格は巻通して全く落ちないどころか最後まで上がりっぱなしという。あの素の柔らかいキャラクターを見せつけられた上で、最後の剣鬼さながらの振る舞いを見せられた時には、冷たい変な汗が出ましたがな。あかん、かっこ良すぎやこの人。
前巻でも思ったんだけれど、この作品ってバトル、というかお互い戦い理由定まっての決戦となると、凄まじく男臭い「タイマン」になるんですよね。バトルとか試合とかじゃなくて、タイマンの喧嘩、なんですよ、これ。戦い前まではお互いに余分なものがへばりついてるんだけれど、いざ戦うとなった時にはそういう雑音や余計なものをふっ飛ばして、純粋に目の前の相手と全力で戦い尽くす、という一点に研ぎ澄まされるのです。周りの人達も、それに対して邪魔しないし、存分にやれと後押ししてくれる。余計なことをしてくる輩は、徹底的に叩き潰してくれる。今回なんざ、一輝を見舞った出来事は外道の一言で、もう嫌になるほど彼が全力を尽くすことに対して邪魔し、妨害し、一輝の有り様は筆舌しがたい目も覆わんばかりのものになってしまうのです。
それでもなお、屈せず戦うことを選んだ彼に対して……うん、校門の前で待ってた珠雫の姿勢こそ、周りの態度を象徴するものだったんじゃないでしょうか。この余計な手出しをしないところが、無性に嬉しかった。
そしてクライマックスの最強の敵との戦い。この戦いは、ラストバトルとしては尋常じゃなく「短い」のですけれど、ここまで濃厚に圧縮凝縮された密度の濃い攻防は、そうはないんじゃないだろうか。長々と技巧を尽くしてせめぎ合うばかりが最高の戦いじゃない、というのを嫌というほど思い知らされる、ヤバイくらい激燃えの、手に汗握る試合でした。
ステラとの仲も妹公認どころか、公式のものとなり、もう万全のイチャコラ。ステラさんがエロすぎます。
なにやら不穏な空気、というか暗躍する怪しげな面々も登場した上で、ついに対校戦のスタート。脇を固めるキャラたちも充実してきましたし(先生、弄られすぎ)、さあさあ盛り上がってきましたよ。

1巻 2巻感想