人生 第7章 (ガガガ文庫)

【人生 第7章】 川岸殴魚/ななせめるち ガガガ文庫


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遊園地デート、行っちゃうの!?

「私は勇樹には無駄にしてほしくないの。このチケットを。そしてこのチャンスを」

冬休み明けの新学期。第二新聞部の部室にやってきた赤松勇樹(あかまつ・ゆうき)は、部長の二階堂彩香(にかいどう・あやか)から遊園地のチケットをもらう。お悩み相談コーナーの理系代表、遠藤梨乃(えんどう・りの)を誘おうと思い立つも、デートをしたことがない勇樹はうまく誘う自信がない。自然なデートの誘い方とは一体どういったものなのか? 悩んだ挙句、偽名を使ってお悩み相談を持ちかける勇樹だったが……。
「デートの匂いがするよ」まさかの勘で、体育会系代表の鈴木いくみ(すずき・いくみ)に看破されてしまう。文系代表の九条ふみ(くじょう・ふみ)、美術系代表の村上絵美(むらかみ・えみ)も納得がいっていない様子。結局、全員で遊園地に行くことになるのだが、非リア充の星・ネガティブキング矢野くんの妨害に遭い……?
経験、掃除、痴漢、集中力、ノリ、働きたくなかったり、恋愛に自信がなかったり……。成るか、遊園地デート! ゆるゆる人生相談7回目!!
そのいい笑顔に騙された!
いや、あんまりにもこの表紙のいくみの笑顔が満面の笑みで可愛らしくて、中身読む前からぽわぽわしていたんだが、本編読んでしまうとこの満悦の笑みに新聞紙を丸めた棒で一撃食らわしてやりたくなってしまいました。
邪魔してやんなよっ!!
もうね、赤松勇樹が名前以上に精一杯勇気を出して、梨乃の事をデートに誘って、梨乃の方も容量超えた事態に一杯一杯になりながらも、考えて悩んでビビりながらも精一杯頑張ってOK出して、ほんとにいい雰囲気で二人きりのデートが始まりそうな雰囲気だったのに、このおじゃま虫さんがッ。
このヘタレ二人組のことだから、邪魔が入ったのは残念に思いながらもホッとしてたりしてたんだろうけれど、今の赤松くんと梨乃なら、緊張でぎこちなく会話も弾まなくてガチガチのデートになってしまったかもしれないけれど、それでも今の二人ならそこからキュンキュンと甘酸っぱくって初々しい恋人っぽい雰囲気になれた可能性、高かったのに。勢いで、ちょっと告白めいたイベントまで行けたかもしれないのに。それくらい、今の二人っていい雰囲気になってるんですよね。お互いに、自分が相手の事を好きで自分も相手のことを好き、というのを自覚し気がついた上で恐る恐る指先を触れ合わせているような段階なんですよね、今って。もう、恋人になる前の一番素敵な時期。
それだけに、配慮の欠片もない欲望私心全開のいくみの駄々こねには、フルスイングをかましたくなってしまいました。せめて、遊園地行きたいと駄々こねるなら、自腹でチケット代くらい準備しとけ!!
まあでも、梨乃も拗ねるわけでもなく、みんなで出かけた遊園地では心から楽しんでいたみたいなので、その点は良かったというかホッとしたというか。邪魔されてむくれてたりすねてたりしたら、やっぱり空気悪くなっちゃいますもんね。その辺、友達が居なかった分、素直に友達と遊園地、というイベントを楽しめていたのは、良かったなあ。ってか、カラー口絵の梨乃が物凄いお洒落してて、一瞬誰かと思うくらい綺麗なんですよね。いや、衣装はそこまで気合入ってるわけじゃないんだけれど、絵師さんが気合入れまくってるのかこれ。凄く美人に描かれてる。恋する少女全開ですよっ。
ラストシーンでの二人きりでの、恋愛について本心を語り合ってる時の甘酸っぱさたるや。
そう言えば、梨乃って最初メガネキャラだったのに、最近掛けてないよなあ。まさか、そこにここまで確信的な乙女心が関係していたとは。まだ始まっていないのに、ご馳走様です。

シリーズ感想