カンピオーネ! 16 英雄たちの鼓動 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 16.英雄たちの鼓動】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

Amazon

魔王、囚われの身に!? 平和なクラスで起きた珍事件「囚われのカンピオーネ」、エリカと護堂のある夜の出来事「ローマの休日・深夜版」等短編を一挙収録! さらに古代ガリアから帰還した護堂たちが再び相見えるのは、かつて倒したはずの宿敵たちで…!? 封印されし「最後の王」をめぐる最終決戦の鼓動が、今聞こえはじめる……!!
短篇集、ちょうど時系列的にはシリーズの最初の方から最新のところまで満遍なく流れているのだけれど、こうしてみると護堂のスタンスが順調に変わってきているのが如実に見て取れるんですよね。
例えば、「ローマの休日・深夜版」では、エリカにキスすることに関して、お前は特別だから気軽にキスなんて出来ない、と言っていた護堂さん。エリカとのキスをある意味神聖視していた護堂さんですが、一番新しい話では言い訳とかキスしなければならない理由を抜きにして、純粋に愛おしくてキスしたいからエリカと濃厚なキスにかまけているわけです。いつだって本気のキスしかしない護堂さん、その本気のキスを乱れ打ちに乱発しているんですから、そりゃあ女殺しと言われても仕方ない。まあ、それだけ相手の女性陣も魅力的だからなあ。特にエリカのとびっきりのイイオンナっぷりは、改めて見ても並大抵のものじゃありません。彼女の場合は特に海外欧州付近で二人きりだと、凄く絵になるんですよね。エリカはリードするのも男の人を立てるのも上手い上に、護堂さんもなんだかんだとエスコート上手い人なので、デート風景が十代の初々しいそれとは全然違うんだよなあ。特に欧州だと、海外旅行のお上りさん、という風が全然ないものだから、映画みたいなデートになってしまうわけで。
代わりに、日本の風景が似合うのが祐理。意外と護堂の地元の日常風景が一番似合うのはリリアナだったりするのが面白いところ。祐理も家庭的なのは、南方で同棲してた時にわかったところなんだけれど、彼女上品すぎて護堂の地元の下町に入るとちょっと微妙にズレがあるんですよね。その点、リリアナの方が実は庶民的だったりするんですよね。
恵那については、また別の魅力があるんですが。

さて、今回は護堂さんの天敵……破邪顕正の神様の登場である。二郎真君と言えば、天界で暴れまわってた斉天大聖を懲らしめに駆け回っていた印象どおり、正義の味方というよりはお説教魔というかお仕置き魔というか、邪悪を討つ人というより邪気なく悪いことをしてまわる悪童に罰をくれる人、という印象が強いのですが……案の定、護堂さんも目をつけられてしまいました。仕方ないよね、斉天大聖並に懲りずに大暴れしてる輩ですし、護堂さんは。あれだけ言い訳しているくせに、自覚はあったようで、民衆の敵に対してしか発動しないはずの白馬を自分めがけて発動させているあたり、反省してるくせにこいつ後悔してなさそうだよなあ、と。
しかし、今回さらっと明言されてましたけれど、ちゃんとまつろう神として顕現してしまう前に神様たちが存在している時空、というのが実際あったのか。須佐之男神なんかはまつろわぬ神の成れの果てみたいなものらしいので、果たして神界があるのかとは疑問に思ふところではあったんだけれど。あったにしても、まさか現世に干渉出来るほどのものだった、というのはそれなりに驚き。まあ、パンドラさんとか居たわけだしなあ。

そして、ラストは次巻へと続くファイナルエピソードへの幕開け回。そう、我らがヒロイン、アテナ再誕である!!
なるほどそうか、アテナの再登場、そういう形で用意されていたのか。確かに、以前から神祖という存在は女神の成れの果て、と言われてたもんなあ。
でもこれで、アテナを護堂さんがゲットしてしまう可能性がグッと増えたんですよね。神様の場合はまつろわぬ神としてどうしても狂気に侵されて正気を逸してしまうのは、かのウルスラグナが証明してますし、神様である以上アテナと護堂は決して両立出来ない定めだったけれど、神祖になってしまえばなんとでもなりますもんね。こりゃあ、鴨が葱を背負って来た!?
そしてそして、どうしてこれまで護堂が神様を倒しても倒してもなかなか権能が得られなかったのかがよくわかった。かつて護堂が倒した神様たちの、再顕現である! もう二度とその姿で現れることはないだろう、と言われてしまっていたランスロット姐さんまで出てこられては、興奮は隠せない!!
普通、再生怪人というと完全にやられ役なんだけれど、この神様たちは絶対そんなタマじゃないもんなあ。だいたい、これってまず護堂と再戦、ではないですよね。これって、他のカンピオーネたちと対決パターンです。まさに神の軍団VS魔王軍団という頂上決戦。あかん、鼻血出そうや!!
仮面の風神はドニが相手するようだし、斉天大聖は元々姐さんが狙ってた相手だし。となると、ランスロットやペルセウスも、スミスやアレクあたりと当たりそうなんですよね。うはは、斉天大聖戦での三対三の超絶決戦であれだけ燃えたのに、それ以上の総力戦となると、どれだけ盛り上がることか。
前振りとしては、極上すぎるご馳走じゃあないですか。始まる前からテンションあがってきたー!

シリーズ感想