プリズマ☆イリヤ3rei!! 4―Fate/kaleid liner (角川コミックス・エース 200-13)

【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!! 4】 ひろやまひろし カドカワコミックス・エース

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アサシンフォームのイリヤ、あれカボチャパンツ!? なんか、アサシンというよりも着ぐるみみたいで可愛いのう、とか言っている場合じゃないんだけれど、思いの外ハサンの技って役に立っている気がするぞ。
さて、此処に至ってついに美遊の聖杯としての役割、彼女の世界であるこのパラレルワールドの異様に荒廃した雰囲気の謎が明らかになるわけだが……思いの外直球でFateのテーマに挑んできたじゃありませんか。
いかなスピンオフとはいえ、このプリズマ☆イリヤもまた正しくFateシリーズを継承するものであったわけだ。そうなんだよなあ、正義の味方の思想としてはエインズワース家の選択はキリツグの系譜であるわけだ。もっとも、あの当主の思惑は痛みを甘受してなお貫く正義ではなく、むしろ娯楽に傾倒しているように見えるのが不気味なんだけれど。
そして、エインズワース家の正義に対して真っ向から反抗してみせたクロエのそれは、真・イリヤであった彼女らしい正義の味方を捨ててサクラを選んだ弟を祝福し、姉として生きて死んだヘブンズフィールへの道とも言えるのでしょう。そしてそれはこのルートにおいても、正義の味方たるを据えたキリツグの肯定であり、そうして世界平和と引き替えにされたたった一人である妹、イリヤの全肯定するものなのです。
ここでも彼女は、選ばれなかった姉ながら、それでも大切な家族を、友達を守るために死力を尽くす事になる。
しかし、イリヤは、このイリヤはその両方を否定し、夢物語を決然と宣言してみせるのです。それは正義の味方でも魔術師としての在り方でもない、魔法少女という存在の生き様であり、同時にイリヤスフィール・フォン・アインツベルンという聖杯が、穢れない願望器として正しく奇跡を起こし、夢の様な願いを叶えようと挑む物語となったわけです。どんな願いも叶える願望器が聖杯ならば、イリヤスフィールにはそのチカラが備わっているに違いない。さらに、異世界の聖杯である美遊と手を携えることが出来るなら、尚更に奇跡は近くにありにけり。必要なのは、勇気と決意。まったくもって、魔法少女の本分じゃあありませんか。そうして、父が諦めた「世界を救う」という願いをもまた、形は違えどここに叶えようとしているのですから。いや、それどころか、世界も、友達も、姉も、家族も、全部守って助けだす、と。
すべての人を幸せにする聖杯として。
これぞFateにおけるイリヤスフィールの物語の結実と言えるのではないでしょうか。さあさあガッツリ、きましたよ〜。

シリーズ感想