落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)4 (GA文庫)

【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)4】 海空りく/をん GA文庫

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破軍学園――壊滅!? 激闘の第4弾!

七星剣武祭に向けて、準備を進める一輝たち破軍学園の代表選手団。東北の雄・巨門学園との合同合宿も充実したものになり、順風満帆かと思われた矢先、破軍学園が突然の襲撃を受けてしまう。

「皆さんにはここで倒れていただきます。――我々の踏み台として」

裏社会の実力者で構成された伐刀者集団「暁」に対するは一輝たちと生徒会の精鋭。だが決戦の火蓋が切られようとした矢先、味方であるはずの『彼』が、隠していたその牙を剥く!
そして一輝の前に立ちはだかるのは――世界最強の存在!

果たして早すぎた対峙が生み出すものは!? 理想と現実、希望と絶望の狭間を駆け抜ける、激闘の第4巻!
お姉ちゃんは男だけれど愛さえあれば関係ないよねby妹。
はい、ちょっと待ったコール。ごめん、本気で意味分かんなくなった、混乱した!
え、つまりどういうことなの珠雫さん? アリスは男だけれどお姉ちゃんとして好きなの? 姉妹愛なの? それとも、女っぽいのがいい同性愛なの? お姉ちゃんだけれど男として好きなの? 男だけれど妹的に普通にお姉ちゃんとして好きなの? それとも、妹的にお姉ちゃんなんだけれど、その上で近親相姦的に好きなの? もしそうだとして、それは女のお姉ちゃんとして好きなのか、お姉ちゃんみたいな男として好きなのか、どっちなの? そうじゃなくて、異性的な愛情の介在しない親愛の姉妹愛なの? あかん、自分で書いてて訳わからんくなってきた。でも、あれだけ自分の命を賭けられるくらい、兄である一輝に対するよりもある意味熱のこもった珠雫の想いを目の当たりにしてしまうと、生半の気持ちではないのは間違いないんですよね。
ちなみにアリス、言動も格好も女だし繊細で細やかだけれど、あれで基本的に男っぽい思考しているし、別に男が好き、なんて事は素振りにも出してないし、口にものぼらせてない。そもそも、過去からの交友を見ていると、普通に女の子が好きなようにも見えるんですよねえ。
珠雫への接し方はどうなんだ、と問われると、それが好きな女の子に対しての態度かどうかは微妙といえば微妙なんですけれど。ものすごい特別扱いしているのはわかるんですが、むしろ唯一無二というくらいの特別扱いだからこそ、よくわかんないんですよね。
珠雫のアリスへの姿勢も、上記したようにわけわかんないことになっているし、面白いといえば面白すぎる二人である。これで、この二人がくっついてしまったら、アリスは一輝の義妹になるわけですね……ん?
しかし、アリスの行動にはかなり驚かされたのも確か。紆余曲折あった末に元鞘に戻るのは予想して然るべきだったんですが。最終的に、珠雫がアリスを引き戻すんだろう、何てことはだれだって思い浮かべたと思うんですよね。でもまさか、アリスにとっての珠雫という少女の価値が、もうこの段階で迷う必要がないくらいに定まっていたとは。
いやでも確かに、本当にその娘の事を大事に思ってたのだとしたら、天秤に載せて比べるなよ、と思うような展開は色んな作品で見て、口をへの字に曲げた事は幾度もあったので、今回のアリスみたいに最初からキッパリとしがらみを切り捨てて、自分の大事なものを直視してそれに全霊をかけてくれるというのは嬉しかったなあ。
この作品って、色んな意味で勿体ぶらないのが気持ちいいですよ。一輝とステラを遠回りさせずに即座に恋人関係にまで昇華させてしまったり、と人間関係に関して胡乱なものがないんですよね。
ちなみに、勿体ぶらなさはバトルの方にもにじみ出ていて、特に主人公の一輝、いちいち前座のどうでもいい敵と戦ったり、めぐり合わせでちゃんと全力を出せなかっッたり、カセをかけられたり、というストレスのたまるような展開が一切ない。もう出し惜しみなしで、どんどん最強の看板に相応しい敵と全力全開でぶち当たる展開が毎回のように待っているのです。内容の方も、しょっぱなからフルスロットルで、ダラダラとやんないもんなあ。
これは、手に汗握らされますよ。
ただ、お陰で一輝の周囲だけ戦闘レベルが加速していっていて、相当レベルの人達でも置いてけぼりになりかねないのが玉に瑕。一輝ってば、前回の生徒会長から一足飛びにリアル最強と激突してしまったために、生徒会長を一蹴してしまった黒鉄の兄貴が、強さを追い求めて他のすべてを切り捨てた、という強さ至上主義の求道者みたいな人なのに、一輝的には眼中にないような扱いになってしまってるんですよね。まあ、彼についてはステラが相手と決まっているのもあるんでしょうけれど……。兄貴、生徒会長に勝っちゃったもんだから、ついでに噛ませ属性も引き継いじゃったんじゃないか?
今回の生徒会の噛ませっぷりも、まさにプロのお仕事でお見事でした。まさか、シリアス展開になってもシリアスに噛ませを全力で全うするとは思わんかったよ! なんでそんなに噛ませ犬になりたがるんですか、あんたたちはー!!
一方で、突っ走る一輝に対して、ステラはこれからとして、今回余裕で並走状態まで追い付いてきたのが珠雫である。学内戦で生徒会長に完敗したのはつい先日だったってのに、なんちゅう凄まじいレベルアップしてくるんだ、この娘はっ。一輝やステラよりも、天才という範疇では頭ひとつ抜けてるぞ、この娘。どう見ても、もうBクラスレベルではありません。この兄にしてこの妹か。

思っていたのとはかなり違う形で暁学園が強制介入してきた結果、七星剣武祭も前巻で公表されていたものとは別物になってしまったのですが、これは本戦はじまってもまともに進行しそうにないなあ。何しろ、暁学園のメンバーの数とこっちの数あわなくなっちゃったし。とりあえず、一回戦から問答無用のカードが用意されているので、盛り上がるのは必定でしょうが。

しかし、現在よりも明らかに、先生たちが学生時代の方が中二病が酷いよなあ、これ。なに、この理事長と先生の能力。世界観違いませんか?(笑

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