GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (7)中 (電撃文庫)

【GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 7(中)】 川上稔/さとやす(TENKY)  電撃文庫

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小田原征伐に続いて関東解放の歴史再現がついに始まった。江戸湾上空では羽柴の鉄甲船艦隊と村上・元吉率いる毛利艦隊がぶつかり、地上においては鍋島・直茂の機竜とMouri‐01の武神隊が激突する。それぞれの目的が明らかとなり、大きく変わりつつある各国の情勢。里見家復興のため奮起するペタ子、夫人の死が目前にせまり懊悩する少年、長岡・忠興。仲間達の決意を前に、トーリ達武蔵勢はこの歴史再現にどのように関わっていくのか―?川上稔が贈る、学園戦国ファンタジー第七話、中盤戦!
はい、上下巻じゃなくて上中下巻でまいりましたよ。直政やん、やっとこ表紙飾ったのはいいけれど、本番次の巻じゃないですかっ!
と、そういえば武蔵勢、まだナルゼとナイトとかも表紙飾ってないんだよなあ。あと、鈴さんとか、姉ちゃんとか。
賢姉はまだ「きみとあさまで」の方でデビューしてるんでいいんですけれど、スズさんはいつか表紙っデビューしてほしいなあ。
そのスズさんですが、冒頭から凄まじい艦船防衛戦の大盤振る舞い。ぶっちゃけ、武蔵が活躍できている理由の大半がスズさんの操艦にあるんじゃないかと思うんだ。他国見渡しても、スズさんの能力に匹敵する人は未だに見たことないもんなあ。賢姉さまとスズさんに関しては他の追随を許さないものがある。賢姉もこの人、攻撃力解禁したら、下手したら人狼女王に比肩する武を持っている気がする。
その人狼女王ときたら……え、なんでこの人、武蔵サイドなの? というEXボスっぷり。通常状態でもほぼ無敵なのに、そこからさらに覚醒して超絶無敵モードとか、完全に反則じゃないか。オメガとか神竜とか、そっちの類でしょうに、それが敵じゃなくて味方というのは、いい具合に狂ってるわなあ。
今回は、敵さんも中学生がメインの若手揃いなので、武蔵サイドはどちらかというと胸を貸すような対戦に。武蔵勢含めて、これまでの襲名者というのはある程度もう戦うための理由と覚悟をそれぞれ胸に秘め、滾らせている面々ばかりだったんですよね。武蔵の面々は1巻でそれを打ち立てたわけですけれど、羽柴サイドの中学生たちは、まだ襲名者になったばかりで未だに自分の中の理由というものを確固としたものにできていない、或いはしている最中の、まだ準備が整っていない子たちはわけです。勿論、若手衆の中にも差はあって、中でも鍋島ちゃんや、頑張り屋の可児ちゃんはすでに目標をもって走りだしていると行ってもいい子たち。浅野や池田なんかは、まだふわふわとした気持ちのまま、この武蔵との戦いを通じて自分の中の「本気」をようやく見出しはじめている段階なのでしょう。そして長岡の小僧は、自分の夫人となるクリスティーナが選ぼうとしている行く末に、この世界の残酷さを目の当たりにして、それに抗うことを自分の中の「本気」として位置づけようとしているのでした。そして、その「本気」が本物であることを自らに打ち立てるために、武蔵に対して一度自分の力を示す必要があった。立場とか後々の問題とかは結局後付なわけですよ、小僧にとっては。
不思議なのは、織田・羽柴の上層部があれだけ諦観に縛られているにも関わらず、次世代たちは末世に囚われず、すごく前を向いてるんですよね。こういう子たちを抱えている勢力が、どうしてこうも頑なであろうとしているのかが不思議で仕方ない。
真面目を拗らせてるのか?
だからといって、キ○ガイに世界の行く末を任せるのは、それこそ気が触れた選択にも思えるんだが、同じ超真面目の里見が、そのキチ○イ・サイドの一員として戦っているんだから、これこそ末世という他ない。義康も相当自分で疑問に思っているみたいだけれど。まあ義康いわく、平和なら共食いしているだけなので安全なんだってさ……なるほど!
ちなみに、立花夫婦も勿論、同類ですよ? 同類ですよ? あのバトルイチャイチャをみせつけられて、正常とか……。
さて、一方で、ネイトと対応する黒狼・糟屋がついにお披露目。この娘も、真面目というか真剣な子だなあ。確か、ネイトも登場した時は堅物の騎士さまタイプに見えた気がしたんだけれど、ネイトもどうしたってあの人狼女王の娘で、基地外の一員だからして、糟屋と比べるのが可哀想になってきた。胸的にも!
あとは、羽柴十本槍でまともに出てないのって、巫女巫女ぐらいか。とりあえず、アサマ、今から謝る容易な。全方位に向けて。自分、巫女ですみません、巫女とか名乗ってすみません、て土下座の準備な。

とまあ、本編殆ど関東解放戦の渦中で推移してしまったわけで、そりゃ長引くわー。しかも、表紙となった直政さんの本番はこれから。関東解放の主役となる里見・義康も本格出撃はまだしてなくて、気のせいかツッコミ含みの自問自答ばっかりしてたようなきがするぞ。次回こそ、いろいろ吹っ切ってくださいな。吹っ切ってしまうと、それはそれで正気を喪って朱に交わりかねないので、オススメしませんが。

最後に……長岡の小僧、あんな美人を嫁にする予定とか、忍者なみに殺意湧くんですがw

シリーズ感想