量子魔術の王権魔導(レガリアコレクション)2 (HJ文庫)

【量子魔術の王権魔導(レガリアコレクション) 2】 ハヤケン/miz22 HJ文庫

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オンラインゲーム『デュエルラグーン・クロニクル』のサーバが、ソロモン72柱の1柱アスモデウスに乗っ取られた。その影響で、綾芽たちがゲーム世界に取り込まれてしまう。だがサーバのあるカツキ横須賀工場の敷地は異形のモンスターで埋め尽くされていて、容易にサーバまでたどり着けない。綾芽たちを奪還するべく、和也たちは決死の突入を開始した!
おおっ、会社の若手幹部のレンさん。そのきざったらしいいけ好かないタイプのインテリ具合は明らかに黒幕気取りの小物の敵役という風情なのに、この人普通に味方になってくれる人なのか! しかも有能だ! しかも普通に格好いい! しかも環ちゃんに懸想してやがる! しかも、梨の礫じゃなくてわりと好印象だ!!
むしろ、脇役男子の宿命としては直人の方が断然報われてないのが哀れ。いやでも、一巻のやらかした感からするとだいぶ巻き返してるのか。ちゃんと行動で気持ちを示してましたね。この作品、頑張ればちゃんと振り向いてくれる、という前向きな雰囲気が漂っているので、直人にはめげずに一途であり続けて欲しいのう。
さて、一巻にて自分の中の力をうまく使えずにずっと役立たずだった身の上を解消して、綾芽を守れる力を手に入れた和也だったのだけれど……むしろそのことで浮かれてたのは、力を得た和也ではなくて守られる側の綾芽の方だったわけですなあ。カズって、おバカでイケイケドンドンだけれど、意外とあれで考えなしどころか思慮深く自分のことについてはかなり客観的に見ている子なので、全くと言っていいくらいに調子に乗ることもなく、王権魔導を使いこなしていましたね。同時に、その冷静さ、客観性はリスクマネジメントに対する合理性にも通じていて、何というか全部承知した上で平然と自分を危地に置くので、かなり危なっかしい。彼にとって、綾芽を守るというのは至上命題なので、それを優先するためなら自分に関するリスクとかかなり低く見積もってるんだよなあ。これがノリとか勢いだけで考えなしに無茶するなら止めようもあるんだけれど、彼の場合必要なとき必要な分だけ無茶するので、止めるに止められない。止めるためにはそもそも彼が無茶をせざるを得ないシチュエーションを起こさないことが必要になってしまう。となると、守られる側の綾芽がカズが無茶しないように自衛出来るようにならないといけない、という帰結になってしまうわけだ。お姫様気分で自分より強くなったカズに守ってもらうことに浮かれまくってた綾芽が冷水を浴びせられるお話だったのね、今回のこれ。
昨今では、守られる側の女の子もただ受け身で自分に与えられるものを受け取っているだけ、という状況を許してはもらえない、自立を促され、男の子の横に一緒に立つことを求められる時代なんだなあ。
しかし、綾芽もこれだけあからさまにカズ好き好き光線を出しまくっていながら、どうして肝心なときにヘタレるんだろう。じれったいったらありゃしない。おバカさんめ。これはカズが鈍感、とか言えないよ。あれ、純粋バカなんだから、額面通りにしか受け取らないぞ。カズの方はきちんと青信号で、綾芽に一途なんだから、普通にしてりゃあ上手くいくだろうに、綾芽が抉らせて線引いてたら、なかなかそれ越えてきてはくれないよ。
天真爛漫でド直球な美咲は、侮れんぞぉ。

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