聖剣の姫と神盟騎士団 V (角川スニーカー文庫)

【聖剣の姫と神盟騎士団(アルデバラン) 5】 杉原智則//Nidy‐2D‐ 角川スニーカー文庫

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「勝てない…」
ダークとフィーネの前に、ついに最強の敵が現れた!伝説の竜ドライグを超える力を持つその黒魔法士は、現世と魔界とを繋ぐ“門”すらも開いてしまう。魔物たちが押し寄せようとするなか、ダークたちに起死回生の策はあるのか。一方、ラグナの谷には将軍アグロヴァ率いるカーラーンの大軍勢が迫っていた。ヒエン率いる陸上船モーガウィル号が全速力で駆けつけるが、とうとう谷は赤い炎に包まれてしまい―!?
おおっ、ロナにもそんな裏技が装着されましたか。何気に、聖剣団の次世代のメンバーが集まりだしてるんですね、これ。今までイアンとかハスターとか、訳の分からない加わり方をしていたので意識していなかったのですが、ロナという死霊神官の若い子が現れ、今回十分な戦力として役立つことがわかったことで、ようやく今の幹部連中とはまた違う、ダークとフィーネの聖剣団が着々と構築されつつある事に気づいた次第。
そういえば、タイトルは神盟騎士団(アルデバラン)なのに、本編ではずっと聖剣団なのはなんでだろうなあ、と思ってはいたのですが、もしかして将来的に神盟騎士団を名乗ることになる、なんて展開もあるんだろうか。

これまでは、一巻ごとにラグナの谷からいなくなってしまった幹部たちを連れ戻すために駆けまわる展開だったのですが、今回はそれをさておいて、ついに黒幕の登場と、カーラーンの本格侵攻が開始されるという次のステージに至るための助走回、みたいなことに。ヒエンの姐御が前回特に前振りなく合流してきたのは、このためだったのか。
未だにフィーネの親父さんが皆殺しの島をなぜ訪れたのか、彼と黒幕と思しき黒魔法士との関係は。島を守護していた英雄の霊はどこへ行ってしまったのか、など謎が謎を呼ぶ流れになっていて、一歩一歩真実に近づいてはいるものの、暗中模索の段階だなあ、これ。ただ、ドライグからとある大層なシロモノを託されたり、と重要なイベントはちゃんと起こってるんですねえ。
そして、フィーネのダークへの信頼はほぼマックス状態。ダーク視点からすると振り回されっぱなしとはいえ、フィーネからするとダークは常に自分の期待以上のことをしてくれているわけで、そりゃあキラキラした目で見るようになるわなあ。少なくとも直情的に突貫してしまう癖をこらえられるようになったのは良いのですけれど、別に思慮深くなったわけじゃなくて、単にダークに全部丸投げしているように見えてしまうのは、フィーネの人徳というものでしょう(笑
ただ、絶体絶命の状況の中で、追い詰められまくったダークを傍らでニコニコと見守っているフィーネの姿は、微笑ましいのかなんなのかw それでダークも気分落ち着いてしまっているあたり、もう良いカップルじゃん、と思ってしまうのですけれど。お互い錯誤しまくっているくせに、一番根底の部分ではちゃんと繋がっているように見えますし。

とはいえ、今回岐路に立たされているのはダークよりもむしろハスターの方で……。やっぱり、本当は潜入してフィーネの親父さんの身体を探していたのか。でも、どうみてもそっちは片手間で、本気で馴染んじゃってるよなあ、ハスター姐さん。子供たちに情移しっぱなしだし。この人、こんなに情厚かったのか。とはいえ、最愛の弟が出張ってきたとなると、なりふり構うことも出来なくなるだろうけれど、だからといって手土産持って帰還しても弟を守れるかというと、今のところ見通しらしい見通しは全然立ってないんですよね。ハスター姐さんの追い詰められっぷりがパないの!

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