見習い神官レベル1 ~放課後は朝まで砂漠で~ (ファミ通文庫)

【見習い神官レベル1 放課後は朝まで砂漠で】 佐々原史緒/せんむ ファミ通文庫

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いちゃラブ度倍増! (生殺し度もUP!!) だがそこへ“暴虐の沈黙王"が来襲!?

見聞の旅から無事戻り、優等生のティエルに教えを請うて、魔操の習得に励むヨシュア。だが何とこれっぽっちも上達しない。このままでは落第する! 焦る彼に、さらに不運が降りかかる。夜な夜な寮を抜け出しているのを上級生に見つかったのだ。しかも相手は首席最上級生、人呼んで"沈黙の暴虐王"。これで落第確定かと戦慄するヨシュアだが、彼はとある"取引"を持ちかけてきて――!?
元・最強暗殺者の最凶嫁つき学園ライフ、好評第2弾!
もしかして、本当に魔操の腕前まったくあがらずにレベル1のまんま(この世界はレベル制ではないので、あくまで比喩表現です)なのかとハラハラしてたら、ちゃんと上達してるじありませんか! まあ、ヨシュアが魔操を上手く出来ないのは技術の問題ではない部分が大きいので、最初からレベル1相当じゃないじゃん、と思うところもあるのですが。いずれにしても、きちんと魔操出来たんだから、タイトルもレベル1のままというのは何気に酷い。このままだと、延々レベル1のまんまですもんね、どれだけ上達しても。
普通に、巻数ごとにレベルあげていけばよかったのに。というかこれ、毎回第一巻と誤解されかねないぞ。

クラスメイトの子供たちに、スーリィアのことがバレた事で結果的にスーリィアの方が精神的に安定したというか余裕が出てきた感じがする。前は、存在自体を秘密にしていた事によって、かなり汲々とした生活を送っていたせいか寂しがっててちょっと精神的に余裕なかったもんなあ。それが、子供たちとも普通に顔を合わせてお話できるようになったことで、スーリィアにも余裕が出てきて、夫婦生活の方にも潤いが出てきたように見える。具体的には、ヨシュアへのイチャイチャの仕方に切羽詰まった感が薄れて、自然に愛情を寄せてくるようになった、と。
元々ヨシュアの方もスーリィアを大好きで、ほぼ正式に夫婦関係営んでるんだから、スーリィアにまとわり付くような鬱陶しさがなくなって、ヨシュアの様子を見てちゃんと彼の邪魔にならない時に擦り寄ってこられたら、理性に対するダメージとしては、そりゃ今の方が深刻ですわ。
ほんと、肉体関係まで持っていけないのは単純にこれ以上関係を深めると、スーリィアのことが学校にバレてしまう、という一点だけで、それ以外に障害ないったら全然無いんだもんなあ。
ちなみに、ティエルが独り悶々とヨシュアへの恋心を育て持て余しながら苦悶していますけれど、残念ながら年齢的にどうやったって、子供たちは対象外なものですから、ヒロインにはなりようないんですよねえ。もう、傍目にはちっちゃい子が大人のお兄さんにドキドキしている、という構図は甘酸っぱいというよりも微笑ましい、としか見えないw
今回は、人間と神魔の愛の末路、という主題があったんだろうけれど、ヨシュアとスーリィアではもう結論出ちゃってるからなあ。過去の悲恋とその残影を前にしても、共感はしても今更それを我が身に当てはめて苦悩することもなく、ブレることはありませんでしたし。相手のことを大切に思うが故に相手の意思を無視する事はままある事だし、それが決して悪い事とは言えないんだけれど、ヨシュアとスーリィアに関しては同意がなされているので、すれ違いにならない安心感はあります。

さて、今回の目玉は子供たちはメインのカップルよりもむしろ【沈黙の暴虐王】ことアフェク先輩(男)その人だったのではないでしょうか。もうキャラ立ちすぎというか、佐々原さん昔からこの手の暴虐だけれど理不尽じゃないキャラ上手いよなあ、と思うんですよね。無茶苦茶しているようで、頼れる感バッチリだし、暴言毒舌の嵐にも関わらず何気に愛嬌が感じられて、嫌な感じさっぱりしないし。逆に女性キャラじゃないのがイイのかもしれない。
スピンオフ作品かなんかで、女性主人公出して相方この人にしてくれんかなあ。

佐々原史緒作品感想