特別編集版 魔法少女育成計画

【特別編集版 魔法少女育成計画】 遠藤浅蜊/マルイノ 宝島社

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奇跡のソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』によって魔法の力を与えられた十六人の少女たち。ある日、彼女たちに「増えすぎた魔法少女を半分に減らす」という一方的な通告が届き、無慈悲な生き残りレースが幕を開けた……。話題沸騰中の作品が特別編集版となって登場! シリーズ第一作『魔法少女育成計画』に加え、書籍未収録だった中編『スノーホワイト育成計画』を収録。さらに描き下ろしミニポスター、イラストギャラリーなど、お楽しみ要素満載でお届けします!
あれ? 【魔法少女育成計画】って第一弾は前後編で出たんじゃなくて、一冊完結でしたっけ。ということは二巻をまとめた形式ではなかったのか。勘違いしていた。
そうなると、ほぼお得な要素は中編の【スノーホワイト育成計画】と掌編が読めるというだけで、単行本化ということで値段も倍近くになっているし、積極的にコチラをおすすめ、というのはなかなか言い難いですね。
相変わらず、何度読んでもトップスピードの一件がダメージデカすぎる。後々まで彼女の影響はリップルに色濃く残るのだけれど、犠牲という意味では他の子よりもあまりにも重いんですよね、キツい。
肝心の【スノーホワイト育成計画】ですが、本編後から【restart】までに何があったか、スノーホワイトさん別人みたいになっちゃっているのですが、その間に何がありスノーホワイトがどう変貌していったのかが描かれたのが【スノーホワイト育成計画】のそれである。
シリーズの中でも屈指のおぞましいクズが語り部になっているのですが、こいつの人心操作術は当人が自分の歪みを認めた上で染まりきっている分、本当に気持ち悪くて仕方がない。スノーホワイトは、【restart】で再び登場した時にその変貌ぶりがかなり踏み外してしまった感があって心配してたんだけれど、こいつにこれだけ誘導されてしまったとなると、そりゃ歪んじゃうわなあ。幸いにもギリギリの所で最悪は回避したものの、影響はバッチリ残ってしまったようで、元々最初の事件でブレーキが壊れ気味だったところに、アクセルを踏み抜くのを躊躇わないブレのなさがハマってしまった感があり、これは相当に危ういわ。
これはなるほど、リップルが相当にストッパー役として頑張っていたことが伺える。ただ、だからこそリップルもこのスノーホワイトをサポートするために余計に頑張らざるを得なくなった面もあるわけで、【limited】でああなってしまう遠因にもなってるんだよなあ。そしてその原因がこのクズ野郎ということになると、こいつ自分が撒いた種をまわりまわって自分でちゃんと収穫しているのが、なんだかすごく腹が立つ。決して十全こいつの思惑通りというわけではなく、かなり偶然が作用しているだけに尚更に。
いい加減悪意と腐敗が、息をするのも苦々しいほどの濃度になっているので、一度こうスッキリする話が欲しいところです。まあそういうスパッと爽快さを感じる展開は、このシリーズではあり得ないんでしょうけれど。

遠藤浅蜊作品感想