巨大迷宮と学園攻略科の魔術師 (3) (電撃文庫)

【巨大迷宮と学園攻略科の魔術師 3】 樹戸英斗/玲衣 電撃文庫

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新たな迷宮を攻略中の維留たちは、ゴーレムの闊歩する街へとたどり着く。そこで巨大な弓を操るエルフの美女、フィオネラと出会い、街の住民を苦しめるゴーレムを討伐することを決意する。同じく攻略を目指していた学園の大手ギルドとも共闘することになり、部隊を編成して迷宮へと向かう。スナイパーの少女・林檎をパーティーに加え、順調に攻略を進める維留たち。しかし、獣型ゴーレムの強襲を受けて、維留はパーティーから分断され底の見えない崖下へと落下してしまう。そして、その先で維留が見たものとは…。
少女大佐親衛隊が色物のくせにガチで強くて吹いたw
ウィザ研とかサイボーグ研とかでも十分濃ゆいのに、少女大佐親衛隊とか青山幕府とかホント面白い逸材ギルドが揃ってるんですよね。維留たちのパーティーのノリもそうなんだけれど、真剣に迷宮攻略を楽しんでいる様子が学生らしくて実にいいんだけれど、その分死と隣り合わせで簡単に人死が出てしまう、という世界観の設定自体と足並みが揃っていなくて、それどころか微妙に足を引っ張りつつあるんじゃないかと思えてくる。実際、今回のゴーレム討伐戦を見ていると、そのあたりの設定を持て余してきているんじゃないか、と思えるところがチラホラと。
確かに、ここに死人を出して悲愴感や精神的圧迫を日常に寄り添わせてしまうと、作品自体の雰囲気が崩壊してしまいかねない感じがするのです。それだけ、ネトゲやお祭り的なノリの方向に学園の空気をうまいこと形成出来てきているということなんでしょうけれど、意図しているにしろしてない結果にしろ、全体のストーリーラインを見渡すとちぐはぐではあるんだなあ。
惑星ゼラの秘密や学園上層部の目的、裏で暗躍するいろんなサイドの人達、など壮大なスケールを感じさせる断片はあちらこちらで垣間見えているんだけれど、ほんとにそれらはチラホラしか見せることが出来てなくて、動かしきれてない感じがするんだよなあ。維留の本来の目的である行方不明の姉についても、表に出てくる情報が断片で少なすぎて、せっかくのラストのあの展開も情報不足すぎて、どういう意味を持っているかが定かではなく興味をガツンと引っ張るだけの牽引力がないんですよねえ。学園上層部の思惑についても何を揉めてるのか情報が足りなさすぎて、漠然とした推察しか出来ないし。
惑星ゼラの大迷宮という世界観や、学園丸ごと迷宮探索のために設立されたとか、そこに在籍する学生たちの多種多様性、ストーリーの全体に張り巡らされた陰謀と謎、など美味しそう要素は満載で、実際つまみ食いみたいに味見する各シーン、各場面は面白いのだけれど、どうしても総合的全体的に見るとちぐはぐで、あれもこれもと欲張りすぎて結局動かしきれていないという感じがして、勿体ないなあと思ってしまうわけです。
なんか、結局次で最終巻なのかしら。最後にもう一捲りしてくれたら嬉しいのだけれど。

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