S.I.R.E.N. (2) 次世代新生物統合研究特区― (富士見ファンタジア文庫)

【S.I.R.E.N.  2. 次世代新生物統合研究特区】 細音啓/青崎律 富士見ファンタジア文庫

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天才生命科学者・アナスタシアに創られた“天使との調和体である”バイオテスタの少女・フィア。『SIREN』の学生・ミソラは師の志を継ぎ、フィアを守る決意をする。だが、それは科学世界と幻想世界の双方と敵対することを意味していた。ある日、ミソラは暴走バイオテスタ「暴君」輸送計画を知る。“幻獣との不完全な融合体である”暴君は科学世界にとっても、幻想世界にとっても、なんとしても押さえておきたい存在。ミソラは、世界の思惑に翻弄される暴君を解放することを決意する。それは暴君もまたフィアと変わらず、守り救うべき存在であるから―。いま、ミソラの『方程式』が起動する!

頑張る女の子は素敵ですか?
今のところ、物語の核心に居るのは、行方不明のアナスタシアに、今回現れた「エルベルト共鳴」と同じ名前を持つエルベルトさん、ということになるのか。福音機関はわかってそうでどこか見当違いの方に走っていそうだし、それよりは踏み込んでいそうなレイベルトも、エルベルトとの会話を聞いていると深層については関知していないみたいだし、幻想世界側の公的組織らしい「見えざる烙印」と来たら、むしろミソラよりもなんにもわかっていない節がある。
まあそもそもこの話、いったい何が起こっているのか、何を焦点に何を求めて何が動いているのか、という肝心なところがさっぱりわからないから困るんだけれど。とりあえず、アナスタシアが残したフィアこそが中心である事はわかるんだけれど、「S.I.R.E.N.」も「福音機関」も「見えざる烙印」も持ってるカードが少なすぎて、手持ちのカードからわかる範囲の情報を元に動いているものだから、殆どが片手落ちでチグハグな動きになってしまっている気がする。結局のところ、自分たちが手に入れようとしているものの全貌も、そのたどり着いた先にあるものもわからず、とりあえず目の前にあるわかりやすい価値に向かって手を伸ばそうとしている状態なので、どうもピントが外れている節があるんですよね。
もっとも、福音機関が抱えている情報も、「S.I.R.E.N.」がどれほど情報を掴んでいるのかも実際のところ定かではないので、はっきりした事は言えないのですが。案外、ミソラの方が情報握ってたりするからなあ。彼の場合、目的はフィアの安全というところに落ち着いているので、一番行動がスッキリしているのですが。まあ、フィアの安全を確保するためには、アナスタシアの消息とその真意を知らなければならない、というところで結局最深部に踏み込んでいかなければならない運命にあるのでしょうけれど。
そんな、今のところ誰もが靄の掛かったようなはっきりしない状況の中で手探りしている中で、シンプルに強くなりたい、義姉を見返したい、という目標を持ち、ひたむきに努力している京花にスポットを当てたのは、ボッチなフィアに友達を、という点からもこのタイミングがベストだった気がします。いや、友達なら奈々が居ますけれど、彼女戦闘要員じゃないからなあ。

しかし、「見えざる烙印」は出落ちというか、福音機関からしたら雑魚扱いじゃないですか、これじゃあ。ネオリエさん、役に立つのか立たないのか微妙だし。ってか、福音機関の青の第三相ってそれなりにすごかったのか。完全に噛ませ担当だと思ってたのに、裏切りやがって。
新たな情報としては、新約召喚も五色限定の模様。触媒についての条件もほぼおんなじ、と基本的に名詠式と同様のシステムみたいだけれど……。五色以外の色については、ネオリエさんはまるで知らないみたいだし、彼女が知っているのって殆ど表向きにしか知られてない情報ばっかりみたいだから、この人も結局驚き役なんじゃないかと疑いたくなる。そろそろ新約召喚についても通り一遍等じゃない本当のところを、名詠式と合わせて知っている人に出てきて欲しいものです。怪しさ極まるエルベルトさんは、なにげに匂わせるのが好きな人みたいなので、どんどん意味深なことをこぼして欲しいのう。

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