まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる (このライトノベルがすごい! 文庫)

【まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる】 紫炎/武藤此史 このライトノベルがすごい!文庫

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魔物倒してスキルをゲット! 大人気ウェブ小説が待望の書籍化!
やり込み倒したゲーム「ゼクシアハーツ」そっくりの異世界に転移してしまった風音。
なぜか持っていたラーニング能力を駆使し、魔物からスキルを手に入れまくる。
気づけばオーガを蹴り倒して街を救い、かつての自分を仲間にし、冒険者としてメキメキ頭角を現していった――。
イラストは『スカイ・ワールド』(富士見ファンタジア文庫)の武藤此史。

応募総数2200作品、日本最大級のオンラインノベルコンテスト、第二回「なろうコン」グランプリ受賞作品!
魔物を倒して能力を奪って私強くなるから、タイトル【まのわ】って、最初から略称を正式名称にしたようなもんなのか。いや、別にいいんだけれど、それでいいのか?
能力的には、いわゆるFFなんかでいうところの「青魔法」「ラーニング」という奴である。ラーニングが、実際に自分で喰らわなければならなかった(最近のシリーズのは知らないよ?)のに対して、これは敵モンスターさえ倒せば能力がラーニング出来る上に、スロットも多分ないから覚えた分は使いたい放題、というのは便利だわなあ。
珍しいのは、やっぱり女の子二人組が主人公、というところなのでしょう。個人的には女の子が主人公の作品はもっと増えてほしいと思っているタイプなので、こういうのは大いに大歓迎。主人公の風音が、飄々としてオン・マイ・ウェイな自由人な娘なので、その分相方の弓花が苦労性として振り回されて……ないなあ、わりと放置だぞ、この相方。
特に障害らしい障害もなく、苦境らしい苦境もなく、出会う人もいい人ばかりで、その上偉かったり有名人だったりして、色々とお得な運命の出会いばかり、というストレスを全く感じさせないタイプの作品である。風音の、あの深く悩まずあっけらかんとして何事にも堪えない性格は、むしろ好きなタイプなんだけれど、ちょっと物語に抑揚がなさすぎる気がしました。サクサク進みすぎて、盛り上がりにかけるというべきか。というよりも、物語としての紆余曲折がなさすぎるというべきか。基本的な起承転結は勿論あるんですよ? ただ、それが風音たちの行動と、周りで起こっている状況を淡々と書き起こしているだけで、「物語」というよりもむしろ単なる「記録」みたいなもんじゃないのかな、これ。
キャラクターの内面を掘り下げるような事も殆どしていないので、感情移入もあんまり出来ませんし、脇を固めるキャラクターも、ノンプレイヤーキャラクターみたい、と言ったら語弊があるか。
風音と弓花の女の子コンビの屈託のないキャラクターや、サクサクと進んでいく展開は別に面白く無いというわけじゃないんだけれど、味付けとしては薄味すぎて食べた気がしない、という感じでした。