魔法少女育成計画 JOKERS (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画 JOKERS】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫

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今度のバトルは「魔法少女」vs「人造魔法少女」!
己の存在理由をかけて刃を交える少女たち。裏で糸を引くのは、破滅の悪魔か、それとも囚われ人の解放者か。
話題のマジカルサスペンスバトルの新章スタート!

加賀美桜は平凡な少女で、桜が変身する「プリズムチェリー」は平凡な魔法少女だった。
平和な町で、地味な魔法を使い、淡々と人助けを続ける日々に倦んでいた桜は、ある日クラスメイトの青木奈美から声をかけられる。
「加賀美さんさ、魔法少女だよね? あたしもなんだ――」
非凡な魔法少女「プリンセス・デリュージ」との出会いによって、桜の運命が動き始める……!
話題沸騰のマジカルサスペンスバトル、新章スタート!
これ、プフレがどこまでわかった上で行動してるか、だよなあ。見方によっては、フレデリカの魔の手を逃れたとも言えるし。彼女の最優先基準がシャドウゲールなら、ここらへんで親友の精神的なガス抜きが必要だったと考えててもおかしくはないんですよね。他の黒幕と違って、プフレはガワだけじゃなく心の方も慮れる人ですし、そろそろシャドウゲールが自分の悪事に対して色々と擦り減らしているであろうことに気づいていなかったとも思いたくないし。
それに、プフレがフレデリカの危険性について見誤っているとは思いたくないんだよなあ。フレデリカに科せられた「約束」の穴については、ウェディンがどのように死んだかをちゃんと調査していれば、見ぬくことは不可能じゃないと思うんですよね。
さて、「プレイヤー」として誰が一番抜き出ているのか。今のところはフレデリカが主導権を握り続けているように見えるけれど……。あれ、シャドウゲールが渡した記憶情報って、フレデリカについても入ってるんじゃないか?

しかし、今回は終わってもきちんとネタばらしというか、全体の構造図を解説してくれなかったので、誰がどの後ろで糸を引いていたのかがわかりにくくて、スッキリしませんでしたね。一応、情報の材料は揃っているので、全体図の想像はつくのですが。
今回のスタイルは、閉所空間からの脱出ゲーム。わらわらと襲い掛かってくる敵と戦い逃げながら、閉じ込められたダンジョンから脱出を図ろうとする今回のお話は、襲ってくる敵をがある意味「異形の怪物」的なものとして捉えるなら、映画の「エイリアン」とか「バイオハザード」みたいなパニックホラーと見てもいいのかもしれない。揺るがぬ主人公として、今回はスノーホワイトというぶっとい柱が戦闘の中心としても物語の中心としても、ドンと座っているわけですし。
「魔法少女狩り」として恐れられるスノーホワイトの活動はこれまでも語られてきましたけれど、実際にこうやって戦っている姿を見ると、あの初めての戦いのころ比べて別人に近いですよね。このクレバーさといい、不屈の精神といい。そしてあの能力は、主人公サイドで使われると無茶苦茶勝手良すぎて困るくらい。
でも、今度もさらにうわ重ねされるようにインフェルノにあんな願いを託されてしまうと、背負っているものが重すぎて潰れてしまわないかと心配になります。そのセーフティーだったはずのリップルがあんなことになってしまっているわけですし。でも、リップルについてはスノーホワイト、薄々気づいていたのかな。あの娘を見た時の動揺って、結局なんの解説もなかったけれど、どうも異様でしたし。
生き残れたのが結局あれだけだった、というのもスノーホワイトが一緒に居ながら、という惨憺たる結果で、いったい踏みにじられた願いはどれだけ積み上げられたのか。自分のやれることをやって満足して逝った娘もいるけれど、大半が一方的に冒涜され、陵辱され、祈りも何も踏み躙られて悔しい思いを抱えながら潰されたようなものだもんなあ。
まあ、いつものことですが。
でも、そろそろ。そうやって死んでいった娘たちの生き様と死に様を抱えたまま、生き残り今もじっと心の傷の痛みを抱えたまま、惨劇を引き起こしたものに対しての復仇の念を抱いている娘たちが一定数溜まってきた気がするんですよね。スノーホワイト、プフレのようにそれぞれ違う道を歩みながらも、既に動き出している娘たちも居るのだけれど、何というかそろそろ、個々ではなくて、グループとなってもおかしくないような……。

あと、これは余談なのですけれど、袋井さんって周囲からは凄まじくdisられて、魔法少女界隈ではワースト、最悪の外道みたいな扱い受けているのですけれど、別に全然ろくでなしでも外道でも悪人でもなかったような気がするんですけどね。極めて先鋭的なバトルジャンキーですけれど、武闘過激派の魔王一門だったらむしろ馴染みそうなキャラなんだが、魔王派ってあれ単なる体育会系保守派の集まりに過ぎなかったんだろうか。人事目的の派閥っぽい側面もあったみたいだし、純粋なバトルジャンキーはむしり邪魔者扱い、という感じだったんだろうか。

シリーズ感想