デート・ア・ライブ (11) 鳶一デビル (富士見ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 11.鳶一デビル】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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第8の精霊となった少女―鳶一折紙。忌むべき対象である精霊になってまで欲した力を手にした少女は、両親を殺した犯人を突き止めるため、狂三の力を借りて五年前の天宮市に降り立つ。しかしそこで目にしたものは残酷すぎる真実で―。過去に絶望し戻ってきた折紙の暴走によって、十香たちが傷つき、倒れていく中、五河士道もまた狂三の力によって、五年前の天宮市に飛ばされる。『この救いのない破滅を、希望の潰えた惨劇を、なかったことにしてみせてくださいまし』運命に呪われた精霊を救うため、世界を変え、デートして、デレさせろ!?
まさか、綺麗な折紙だと!?
もはや生理的にキモい!というレベルの変態的ストーカーである鳶一折紙が、浄化され洗浄され真っさらに汚濁を拭い去られて、綺麗な折紙になるなんて、そんな折紙が全時空上に存在していいのか!? 許可されるのか!? 宇宙の法則は乱れるのか!?
そして、綺麗な折紙の圧倒的なまでの真っ当なヒロイン臭。あれ? まるで不動のメインヒロインのように可愛いですよ? 
何気にエンジェルからこのデビルまで、ジャケットを飾る折紙の神々しいまでの美しさは、他の精霊娘たちを明らかに圧倒してるんですよね。なんという優遇っぷり。折紙なのに、ネタヒロインだったのに。
でも、この髪を長くした折紙は本当に美人で清楚で……もうこの折紙でいいんじゃね?

というわけで、狂三の力を借りて過去に戻り、折紙を見舞った残酷な現実を覆すために奮闘する士道。って、実はもっとこの五年前の天宮市にどっぷりインしてじっくり時間を掛けて、歴史を覆す決定的瞬間に至る行程を構築していくのかと思ったら、時間的に決定的瞬間は超至近であり時間制限もあり、という厳しい条件でどないするのかと思ったら……狂三さん大盤振る舞いじゃないですかッ!?
この手の時間遡行イベントとしては、それは相当に贅沢な使い方ですよ、士道くん。実際、狂三としてもこの術は相当に貴重なものらしいので、初手はまったく何の情報もなかった点を鑑みても狂三がこれだけカードを切ってくれるとは思わなかった。
ファントムともガッツリと接触できたことで、ある程度わかってきた事とさらに謎が深まる部分もあり、どうやらやはり士道には相当の秘密が隠されてるみたいだな、これ。そして、仮の姿とはいえ、ファントムの姿を挿絵でちゃんと入れてきたのは何気に意味深。仮とはいえ全く別人の姿をとっているわけじゃないのだろうし、これはファントムがあの人だという話は信ぴょう性が高くなってきたかも。確かに、この姿、あの人に似てる気がするし。
狂三も、かなり昔から活動していたのは知れていたけれど、五年前の天宮市に精霊として居たというのは……。

思ってたよりもサクッと過去編を終了して、中盤からは歴史が改変された現代に戻ってくるのだけれど、そこで出会う事になる鳶一折紙が、まさに衝撃のか・た・ま・り!!
今回の話って、どうやったってもう汚れすぎてて色物以外になれなかった折紙を、なんとかこうにかまともなヒロインの一員に組み入れる為の歴史的浄化作戦だったんだな、きっと。そう思ってしまうくらい、折紙というキャラの洗浄っぷりが凄まじかった。結局、あのどうしようもない変態性は、折紙という少女の魂にべっとりとコールタールのように張り付いて拭い去れずに、もはや鳶一折紙のアイデンティティみたいになってしまっていたのだけれど、ちゃんと自分の変態性に恥辱を覚えて赤面して悶え本気で恥ずかしがる折紙はこう、なんというか……ツボでしたよ!? どうしようこれ……ヤバい?
結局元の木阿弥、というわけではなく、実際あの士道への執着心以外ぶっ壊れてしまっていた折紙のパーソナリティはかなりまともな方に修復されたっぽくて、これならちゃんとしたヒロインに見えますよ! あの手遅れだった折紙が、まさかこんなにちゃんとしたヒロインに浄化されるとは思わなかっただけに、今回の展開は終わってみると圧巻だったかもしれない。いや、あれでちゃんとしたヒロイン、と言ってしまうのはやはり抵抗があるんだけれど。態度とか雰囲気とか柔らかくなって、ちゃんと女の子らしく思えるようになったけど。
出来れば、あの無意識に発露してしまう変態性に恥じらう感性は残しておいて欲しかった。あれが残ってたら、殆ど無敵状態だったのに。

シリーズ感想