銃皇無尽のファフニール1 ドラゴンズ・エデン (講談社ラノベ文庫)

【銃皇無尽のファフニール 1.ドラゴンズ・エデン】 ツカサ/梱枝りこ 講談社ラノベ文庫

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突如現れたドラゴンと総称される怪物たちにより、世界は一変した―。やがて人間の中に、ドラゴンの力を持った“D”と呼ばれる異能の少女たちが生まれる。存在を秘匿された唯一の男の“D”である少年・物部悠は、“D”の少女たちが集まる学園・ミッドガルに強制的に放り込まれ、学園生の少女イリスの裸を見てしまう。さらに生き別れの妹・深月と再会した悠は、この学園に入学することになり…!?
「本当にどうしようもなくなったら、俺がイリスを―殺してやる」「信じて…いいの?」
最強の暗殺者になるはずだった少年と、落ちこぼれの少女が繰り広げる、“たった一つの物語”が幕を開ける―!アンリミテッド学園バトルアクション!
これはまた、切り売りする対価がエグいなあ。しかも、現状その対価と引き換えに与えられる報酬が、失うものに値するかというとかなり微妙なところ。得られたものを活用して引き寄せるに至った結果を見るならば、辛うじて、というところか。
それに、悠当人は対価によって被る損失は自分一人のもの、と思い込んでいるようだけれど、実のところ彼が喪ったものによって煽りをくっているのって、深月の方なんですよね。ラストの展開はなかなかショックだった。彼女がまったく気がついていないところで、彼女の人生そのものを形作っているかもしれないものが、跡形もなく損なわれてしまったかもしれないわけですから。
あれ、場合によっては深月が絶対的なメインヒロインだったかもしれないんですもんね。悲惨なのは、起こってしまっている事態を、彼女自身はまったく知らないというところ。これは、残酷ですよ。時限爆弾としては、かなり強力なシロモノである。爆発した時の惨状は今から寒気がしてくる。
しかし、主人公以外の全員が大火力の対ドラゴン兵器であるのに対して、主人公だけが対人専門、しかも暗部寄り、というのはDたちが置かれた環境を鑑みても、主だったストーリーは対ドラゴン戦と同じくらいの比重で、人間サイドの悪意や政治的意図から繰り出されてくる陰謀の手を、主人公が防ぐというボディガードの話になるんだろうか。実際、この第一巻で既に組織間のゴタゴタからミッドガルに襲撃が行われちゃってるし。
さすがに毎回、悠が対価を切り売りしていてはすぐさま破綻しちゃうだろうし、基本的には対ドラゴン戦と対暗殺者戦は分担、ということになりそう。
まあ既に6巻まで既刊が出ているので、読んだほうが早いのですけれど。
個人的には、イリスよりも深月応援隊だな。幾らなんでも、このままでは可哀想過ぎる。