邪神攻略者の戦技教導II 新人加入篇 (HJ文庫)

【邪神攻略者の戦技教導 2.新人加入篇】 空埜一樹/村上ゆいち HJ文庫 

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新人加入&新技お披露目!? 絶好調部隊育成エンタメ第2巻!

人類最大の敵である邪神を飼い慣らした隊長・六道司の指導により、課題は多いものの急速に成長を続ける部下一同。
そんな中、司は新たな問題児にして新米騎士の神楽煉華を自分の部隊に引き取ることに。
その出自の特殊さゆえに、天世騎士にやや苦手意識を持つ煉華に対し、司は「まず俺たちの事を知ってもらうか」と歓迎会を催すのだが――。
唯一の男性隊員のユリアスが、ワンコみたいで一番かわいいんだが。元々素直で、最初からひたむきに頑張ってきていた男の子だったけれど、六道隊長の指導のお陰でちゃんと成果が出るようになってからも、謙虚さを失わないままワンコみたいに懐いてきていて、カワイイのなんの。隊長だけでなく、全方位に人懐っこさ発揮していて、殆どマスコット枠である。そもそも愛想がない所に意図的に距離を置こうとしている新入隊員の煉華に対しても、隊長にお願いされたから、というわけではなく、自分から率先して打ち解けに行き、そして見事に玉砕して泣いちゃう頑張り屋さんの可愛いこと可愛いこと。この子……飼いたいな。マスコットじゃなくて、ペットにしようぜ、ペット。
でも、これで戦闘時ではチームの要として働いているので、頼もしいんですよね。火力が足りない分、視野が広くて冷静さを失わない。実質的に戦闘時の指揮統制を担ってるのは彼ですからね、出来物ですよ。
根っからのワンコ気質で男っ気を感じさせないキャラクターなので、同世代の女性陣からはあんまり異性としては見られていないっぽいユリアスだけれど、今度加わった煉華さんあたりとは性格的にも相性ピッタリだと思うので、いい感じになって欲しいものである。
しかし、この煉華さん。ちょっと最前線に立つ者としては危機感なさすぎなんじゃないだろうか。天世騎士に隔意を持っているから天世騎士になりたくない、という気持ちがあるのはわかるんだけれど、実際に目の前に危機が迫り、自分だけではなく元の仲間にまで危険が迫っている段階で、それでも能力を使わないことに拘るというのはいささか現実逃避しすぎである。これまで本当に前線で戦い続けたという経験があるのか疑わしい平和ボケした危機感のなさである。一面的な見方を解いて六道隊の面々と本当の意味で理解し合い、戦うための理由を手に入れる、という筋書きはわかるんだけれど、いささかそのための舞台設定における彼女の立ち居振る舞いがボケたものになってしまった事は否めないと思う。
まあ、彼女と同じくらい敵側に回った十二侯弟の面々の振る舞いも子供かッ、というくらい稚拙に感じられてしまって、能力的にはともかく人格的、精神的な格については溜息をつかざるを得ない。敵も相応の格や思想を持っててくれないと、物語としてもあんまり盛り上がらないんだけれどなあ。
しかし、この作品の実質的なヒロインって、部隊の隊員そっちのけで、幼馴染である他の部隊の隊長の楓なのね。そしてリュミエル副隊長からは、十二侯弟のロウラとおんなじ匂いがするよw