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【うちの居候が世界を掌握している! 9】 七条剛/希望つばめ GA文庫

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「あ、あんたに妹なんていたの!?」

桃香たちも驚く新事実! なんと真哉を兄と呼ぶ銀髪美少女が学校に現れた!!
しかも彼女の正体が――
「世紀の歌姫、イリーナだとは……」
世界中のファンをその歌声で魅了する超人気ミュージシャン、イリーナが真哉の妹なのだという。
だが……
「頼れるのはお兄様だけなのです」
極秘来日した彼女の身にふりかかる、真哉にしか救えない事件とは? そして兄と妹、二人の交わした秘密契約は、世界中の目を集めながら壮大なる最終公演へ突き進む――!! でも社長、そのホテルは兄妹でお泊りしても大丈夫なんですよね!?
歌姫の勇気が魅せる報道陣騒然の迫真ステージな第9巻、開幕!!
こうしてみると、やはり真哉という人間の核心を見て、彼に影響を大きく与えているのは桃花なのかなあ、という回でした。
イリーナ登場の前振りで、前の巻から随分とウチの兄貴に粉かけてんのはどこのどいつじゃ、という迫力を見せていたので、妹の登場は殴りこみに近いものになるのかと思ってたのですが、案外普通というか穏当な性格の妹さんでした。ってか、義理の妹なのね。どうして義理なのかは、話を読んでいただければわかるのですが、そういえば真哉の所有権を主張して殴りこみに来るという展開は、既にキルマンの娘のエルナの回でやってしまっていたので、同じ展開はさすがになかったか。でも、日本に来る前に自前に日本での真哉の動向を調査させて報告させたり、と強面の様相を垣間見せてたので、結構構えてたんだけどなあ。
真哉とは事情が違うものの、幾分世間知らずであり、飄々とその差異を気にしない性格は、血が繋がっておらず兄妹として過ごした期間も少ないにも関わらず、真哉とよく似た妹、という風情をまとっていたイリーナですけれど、だからこそか、自然と彼女と相対して彼女を振り向かせる言葉を告げるのは他の誰でもない桃花の役割だったのですね。何も知らず、小難しいことにも頓着しない色々と残念な桃花ですけれど、だからこそ思惑を介在させない率直な、思ったままの事を言える娘でもあり、苦労してきた分家族という枠組みに関しても一家言あるんですよね。
ちょっと最近、莉子に存在感奪われっぱなしだったので、久々にお姉ちゃんとして重きを見せたかなあ、と。まあ、その間にも莉子は着々と足場を固めていっているのですが。尤も、家族から仕事のパートナーに、というのは距離感的に果たして近づけるのか、微妙に怪しいところでもありそうなんですけどね。
しかし、オリオン社って民間の営利企業にも関わらず、真哉やキルマンというトップが自由にその企業の力を使える業態にあるせいか、慈善事業の解釈をかなり自由に取り扱えてるよなあ、と取引先の調査の果てに犯罪行為に対して実力行使しちゃってるところとか。カネの力って、しがらみに囚われなかったらかなりなんでも出来るよね。
プロとしては、売り物である自分の歌唱を、学園祭でただで供給してしまうのは商業倫理的にどうかとも思うんだけれど、彼女の場合は目的の為に選んだ手段がアレだからして、値段なんてどうでもよいのかもしれないですが。いやしかし、目的のための手段が結果としてこういう形になるというのは、とんでもない話ですよね。才能爆発しすぎだろう。だが、妹属性は優希が圧巻の一人勝ちだったような気もするぞ。
と、概ねイリーナ中心の話の今回でしたけれど、実のところ本筋は愛の行方不明にからむあれこれだった模様で、伏線回でもあったのかな。次回は我らがルファさんが再び最前線に出てきてくれるようなので、それが楽しみ。どう考えても、ヒロイン最強は彼女だもんなあ。作品が映えるという意味合いにおいても。

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