甘城ブリリアントパーク (5) (富士見ファンタジア文庫)

【甘城ブリリアントパーク 5】 賀東招二/なかじまゆか 富士見ファンタジア文庫

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高校生なのに遊園地の支配人代行・可児江西也は悩んでいた。アトラクションの改装で集客が伸びてきたまではよかったが、もう一押し目玉となる企画が欲しい。何かないかと考えていると、ファンサービスのつもりで作った中城椎菜が歌ったCDがコアファンにバカ売れしているとの情報が入ったのだった。…これしかない!アイドルをプロデュースするのだ!そうして、甘ブリ初のアイドル(?)ユニット、『タスクフォースABC』が誕生することに!しかし、アイドル業界はライバルが多く、それを生業とする猛者が集う魑魅網魎の世界。果たして、甘ブリを救うべく西也の奇策は成功するのか―!?
こうしてみると、姫様のアニメでの盲目設定リセットは正解だったんじゃないかなあ、と思う。だって、今のところ姫様が目が見えないという所に物語上何の意味合いもないですもんね。個人的には、現状の来園者数リミットも話に何の寄与もしてないんじゃないかなあ、と思ってるんですけどね。確かに、何らかのお話上の目標がないと終着点なくダラダラと話しを続けるはめになる、というのは理解できるんですけれど、今のところ来園者数の目標を達成しないといけない、という目標に向けて話が動き出している傾向が全く無いにも関わらず、シリーズ自体は順調に面白さを保ってるもんなあ。ぶっちゃけ、個々のキャラクターにスポットを当てているだけでも十分面白く話は進んでたりするんですよね。変に尻に火を付けずに危機感を煽らなくても、既にキャストの意識は高い水準を保たれてるし、遊園地としては順調に人気を確保しだしているわけですし。
そもそも、精霊四人娘にすらスポット当てず、まともにキャラ付けしだしたのはアニメの企画始まってから、というのは何ともねえ。姫様の出番が少ない事といい、バイト三人娘の話も一人ひとり掘り下げるのにだいぶ時間かかった事といい、実は決して多数のキャラを上手く動かせているわけではない、というのが薄っすらと垣間見える。
とはいえ、個々の話がじわじわと来る面白さなのは間違いない話。マカロンと映子の話なんて、定番のダブルブッキングデート回のテンプレにも関わらず、テンション高くて面白かったもんなあ。マカロン、娘はちゃんと人間形態なんだ。
ただ、モッフルの今回のお話は、幾らなんでも後味悪すぎですよね。話の展開そのものよりも、オチがない、というのがかなりキツい。せめて、あの少年がその後どう行動し、どう結論したのかがわかるだけでも、気持ちを処理出来るのだけれど。別に、彼が本当に失望し、見切りをつけていたのだとしても、それはそれで納得できるんだけれど、怒りと共に飛び出していった彼が、その後どうしたのか、何をどう思い、何を考えたのか、というのが一切わからないまま、というのがスッキリしなくて後味悪すぎるんですよね。ものすごい渋味だったさ。

シリーズ感想