異世界魔法は遅れてる! 3 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 3】 樋辻臥命/himesuz オーバーラップ文庫

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魔将・ラジャスをレフィールと共に倒した水明は、彼女を仲間に加えてネルフェリア帝国へ。
無事に到着した二人はそれぞれの目的のために行動を開始するが、帝国では原因不明の昏睡事件が起こっていた。そんな中、水明は帝国十二優傑の魔法使いであるリリアナ・ザンダイクと出会い、さらにフェルメニア・スティングレイとも再会を果たす。図らずも事件を解決するはめになった水明は、八属性の中でも異質とされる闇属性の魔法と対峙することになり――。
異世界魔法と現代魔術が交錯する大人気異世界ファンタジー、第3巻!
お前誰だよ!! 
ほぼウェブ連載と同時進行になってきたのですけれど、ウェブ版との一番の違いはやはり白炎の魔法使いフェルメニアさんのキャラの違いでしょう。いや本当に誰だよ、というくらいに別人になってます。ウェブ版のフェルメニアが凛々しく礼儀正しくテキパキと有能で、完全に味方となった今となっては頼もしい女性そのままなのですけれど、こちら単行本版のフェルメニアさんというと……どこか大事なネジが飛んじゃったんじゃ!? と本気で心配になるほど、ゆるゆるのグニャグニャになってしまっていて、水明の前だと精神の方もいささか幼児化しているんじゃないかと思えるほど茹だってしまっていて、王様王様、こんなのお供につけてくれてもあんまり役に立たなさそうなんですけど!
実際は、幾らネジが緩んでいても、世情に詳しく魔法使いの能力も高く頭も回る、と案内役としては変わらず有能なのですけれど、傍目にはお荷物が増えたようにしか見えない!
レフィールも精霊力を過度に消耗してしまったせいで、身体的に幼児化してしまって超一流の剣士としての威厳はどこへやら。肉体に精神が引っ張られているのか、こちらも言動が完全に幼児化してしまってるんですが。いや、子供扱いされて実際子供になってる現実に涙目になっていじけるレフィールはマジで可愛いんですが、可愛いんですが……あの凛々しいレフィールは何処へw
新登場となる新たなヒロイン候補と思しき闇の魔法使い、リリアナもこちらは実年齢も幼いお子様なので、水明の周辺はもはや幼女園と化しています。どうしてこうなったw
本来ならリリアナも含めて、ヒロイン三人共背筋がピッと真っ直ぐに立つような凛として言動にも鋭さがあるかっこいい系の女性揃いのはずなのですが……幼女幼女幼女、水明くん、ロリコン呼ばわりされてもこれは仕方ないぞ。

エピソードとしては、対ラジャス編の後始末から帝国編に導入へ、という橋渡し回、と見るべきか。リリアナとの話は後半に続く、みたいになっているし。
闇の属性については、他の属性魔法の使い方が現代魔術理論からすると大変に未熟で原始的で固定観念に囚われたもの、であったのに対して、コチラは未解明のまま間違った解釈を定着させてしまっていた、という類の話になるのか。その危険性を正しく理解できないまま扱っていた、と言うことで闇属性自体、このままだと取り扱い不可、になりそうな感じなのだけれど、となるとリリアナは戦力化にはならないのか。

もう一人の勇者戦は、ウェブ版では丸っと回避されていたのに対して、コチラでは水明の力の一端をひけらかすことに。あれだと、エリオットサイドからは完全に警戒されそうなものだけれど、水明を利用しようとした将軍に対してといい、意外と水明くん、喧嘩っぱやいというか誘い受けの卦がありますねえw
しかし、意外とこれ、女神の存在はキーワードになるのか。救世教会ベッタリのエリオットやそのおつきのシスターの居丈高な態度や、将軍の女神に対する考え方なんかを見ると、レフィールに度々くだされる神託の迷惑さも相まって、どうしても否定的な感情が湧いてくるのだけれど、シスタークラリッサみたいな人がいることも考えると一方的な見方も危険なんだよなあ。

黎二くんについては、今はただただ勉強の日々、か。勇者としての活動よりも、政治的な立ち位置に悩まされる方にリソースをとられるのはかわいそうにも思えるけれど、意外と姫様が政治的にも軍事的にもやり手みたいなので、彼女がついているなら下手な事にはならないか。もう文句なしに良い奴なので、順当に成長して水明くんと劇的な再会をする展開が素直に楽しみなのであります。