王道楽土の聖堂騎士団2 (一迅社文庫)

【王道楽土の聖堂騎士団(タンプリエ) 2】 不動准/TwinBox 一迅社文庫

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いつものように騎士王の座を狙うクランに挑まれる壮馬たち“王道楽土の聖堂騎士団”の前に、皇女エピカと近衛騎士団長“不抜のシュタインハルト”ことレギーナが現れる。エピカの近侍である美少年オズグール公爵と一触即発の険悪な雰囲気になる壮馬たち。理事長となって神衛騎士学院を掌握したエピカは、かつての約束どおり、壮馬に近衛騎士団へ加わるよう命じるのだが―。“魔道鎧甲”をまとって戦う“神衛騎士”が躍動する学園騎士ファンタジー第2弾!!
うーん、これ結構面白いんだけどなあ。読書メーターとか見ると、全くというくらいに読んでる人が居ない。少なくとも、異世界ファンタジーで女の子とチーム組んで戦う学園モノとしては、他と比べても勝るとも劣らないと思うんだけれど。
特に、スットボケたノリで繰り広げられるコメディタッチのやりとりやイベントの数々は、その軽妙さ加減において瞠目すべきテンポの良さがある。この手の文章から溢れ出る軽妙さ、軽快さを伴うテンポの良さやリズム感というものに関しては、なかなか後天的には獲得できないその人特有のセンスや才能みたいなものなので、これが喪われない限りラブコメについてはまずある一定以上の面白さは安定して導き出せるんですよね。勿論、そのテンポに乗っかるキャラクターを、キッチリと作り上げないといけないのだけれど、主人公の壮馬をはじめ、アンジェや鎮西など、少なくとも状況に放り込めばある程度勝手に動いてくれるくらいの滑らかさで、キャラが立ってますし、いい意味で軽妙な緩さを備えている。
その上で、ストーリーの方はメリハリ良く、展開にピリリと刺激のある締まった筋立てが用意されていて、全体的に甘さや粗さはあるとはいえ、ここまでスルーされてしまう作品だとは思わんのだけれどなあ。
残念ながら、後書きを見るとどうやらこの2巻までで打ち切りみたいですし、壮馬を一度殺した騎士が誰なのか、など色んな伏線がそのまま置き去りにされる形になってしまったのは勿体無い限り。それでも、作者が出したかったというエピカ姫を登場させることが出来たのだから、幾らかでも未練は果たせたか。
周囲に信頼できるものが居らず孤独なまま野心を募らせていたエピカ姫が、剣として盾として、友として、王道楽土の聖堂騎士団の面々を召し上げて近衛にして、立ちふさがる様々な壁やしがらみに喧嘩を売り、一方で味方を増やし、どんどんとのし上がっていく、みたいな展開はぜひ見てみたかったんですけどね。
個人的に、次回作はすごく期待したいと思ってます。もっともっと、面白くて盛り上がる作品が出てきておかしくない人だと。

1巻感想