【Amazon.co.jp限定】天壌穿つ神魔の剣 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫)

【天壌穿つ神魔の剣】 高木幸一/狐印  GA文庫

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呪われた最強魔剣士 × 純情天才神術士
喋る剣、ルガイアと旅する魔剣士アークが恋を夢見る神術士リリアと出会って、不死竜退治へ――。
王道ロマンティック・ファンタジー!


「私の欠片を集めてください」
千魔斬《サウザンド》と呼ばれる凄腕の傭兵、魔剣士アークは、言葉を話す傷だらけの剣、ルガイアに「余命五年」の呪いを受け、【ルガイアの欠片】を探す旅を続けていた。ある日、彼はマナラン王国から、不死の力がある目を持つと言われる「三眼竜《スリーアイズ》」討伐の依頼を受ける。しかし、王の推薦で、旅の同行者になった神術士の少女、リリアの体内には、ルガイアの欠片のひとつが眠っていた……。
「わ、私をいい女だと言うなら……キミがなんとかしてよっ! ! 」
高木幸一×狐印が贈る、呪われた魔剣士と、恋に不器用な神術士のロマンティック・ファンタジー開幕!
【俺はまだ恋に落ちていない】や【放課後四重奏】で思春期の少年少女の純真な恋模様を描いてきた青春小説の雄、高木幸一の最新作は、まさかのファンタジー。この業界にあってはジャンルの変更というのは珍しくも何ともないんだけれど、これだけガチンコの、内面描写と想いのぶつけ合いをメインに描いてきた青春小説畑の人がファンタジー書くとなると、どうなるのかやっぱり興味深くはあったんですが……いやこれはなるほど、面白いなあ。
何というかね、リリアとかヒロインの女の子たちのキャラクターの造形が微妙に違うんですよ、普通のファンタジーと。ロジックが異なっている、とでも言うのか。キャラクターがすごく普通の女子高生っぽいんですよ。異能学園モノに出てくるような女子高生とかでもなく。
まあ、これまで作者が描いてきた青春小説のヒロインの、あのピチピチと肌も心も弾けてるような女子高生像がそのままファンタジーになっても変わってなかった、というだけの事なのかもしれないのですけれど、何気にこの手の言動のロジックが違うヒロインのキャラクターは、ファンタジーではお目にかからないので、妙な新鮮さがあるんですよね。
これなら、たとえ舞台がファンタジーでもガッツリ恋愛モノにしてしまってもいいんじゃなかろうか、と思えて来るくらい。とはいえ、舞台設定もキッチリしっかり整えてきているので、ファンタジーものとしても全く遜色なく話は進められそうなのですけれど、その呪われた剣というのも、余命があまり残されていない、というのもひっくり返すともろに恋愛劇の種になりそうな要素にもなってるんですよねえ、これ。
剣は剣で、後半アークに女を目覚めさせられてしまったせいか、一気に「私ヒロインです!」と言わんばかりの存在感を示しだしてきやがりましたし……女性としてのビジュアル、まったく出てないのにも関わらずw
インテリジェンス・ソードという意思のある剣、という類は決して珍しくもないし、それが女性人格というのもよくある話なんだけれど、その場合だと往々にして人化出来る設定だったり、少なくとも女性としての姿を投影出来たりするものなのですけれど、この呪われた剣ときたら一切人としての姿を見せないんですよね。お陰で、女性人格なのかも後半まで不明だったくらいで。
しかし、一度女性としての自覚が芽生え、アークに対して単なる持ち主、宿主という以上の想いが生まれ始めている事に、アークに気付かされた途端にヒロインとして、それも恋愛模様に強烈な楔を打ち込むような位置取りで、存在感を示し始めたわけです。なるほど、ライトノベルには挿絵はとても重要だと私も強く思う所なのですが、無ければ無いでそれは構わないと言わしめるだけのキャラ、ヒロインも在るっちゃ在るのが、この剣を見てると頷けるものがあるというもの。まあ、このケースだと、いざ人化した時のインパクトのために「貯め」ているとも言えるのかもしれませんが。