神鎧猟機ブリガンド (ダッシュエックス文庫)

【神鎧猟機ブリガンド】 榊一郎/柴乃櫂人 ダッシュエックス文庫

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きみに問う。ヒーローとは、なんだ?
若槻紫織は、正体不明の奇病〈悪魔憑き(デモノマニア)〉の患者であり、明日にもその命を終える運命にあった。
ある日、収容所に〈魔神態(ルシフェリオン)〉と化した〈悪魔憑き〉が進入し、紫織にも運命の時が迫る。
しかし、その時突如現れた鋼鉄の巨人が『悪魔』を殺し、紫織を救った。その事件後、紫織に〈悪魔憑き〉の
兆候が見られなくなり、退院して新たな高校に通うことになる。
そして登校初日、紫織は鋼鉄の巨人の中にいた少年・斯波連志郎と再会する。連志郎も〈悪魔憑き〉であると同時に、
『悪魔狩り』の特殊能力を持っていた。悪魔の力を御する鋼鉄の鎧〈ブリガンド〉を駆り、「悪魔」を狩っていて――。
鋼鉄の巨人が導く、ダークヒーローアクション、開幕!
ああ、これは思いっきり【ストレイト・ジャケット】の系譜だなあ。ただ、あちらに比べて少年少女が主人公で、舞台も日本のせいかダークさ、救いの無さは幾分かマイルドになっている……ような振りをして、実は絶望のどん底から希望を掴むに至る物語だった【ストジャ】に対して、こちらはまだ「堕ちる」余地が残っているとも言えるので、油断はできないんですよね。<悪魔憑き>になってしまった人に対する対応も、現状でかなりキツいようで世間的にはまだ噂レベルでとどまっているので、今後<悪魔憑き>にまつわる事件が頻発することで、世論が強圧的になり紫織や連志郎への当たりが酷くなる可能性もありますしね。実際、既にブリガンドが悪、ブレイバーが正義という一方的な認識による虐げの気配は出てきてますし。
もっとも、連志郎という少年はそもそも人間に対して何の期待も感情も向けておらず、正義の味方・ヒーローという存在についても隔意を抱いているので、世間の敵意をそのまま絶望として受け取る事はないのだろうけれど……本当に人間に何の期待もしておらず、ヒーローを憎んでいるわけではない、というのは紫織の視点からも透けて見えてきている要素なので、振れ幅は充分準備されていると考えてもいいのでしょう。
となると、やはり鍵となるのは連志郎の真実の姿を知っていて、自身<悪魔憑き>の因子を抱え持っている怪物であり虐げられる側でもある紫織という少女の存在になるのでしょう。誰にも理解されない事を前提としていたはずのブリガンドの活動に、初めて現れた外部からの理解者、受け入れてくれる人。そう、彼をヒーローとして見てくれる人。
私は、世界の、社会の、秩序の為の、無辜の一般市民の平和を守る正義の味方ではなく、ただ一人の少女の為のダークヒーロー、という路線も決して嫌いではないのですけれど、さすがにその路線はないか。紫織が、そんな孤高を認めないだろうし、連志郎自身学校の友人たちを含めて本当の意味で人と距離を置いているわけではなく、情をなくせるほどスレているようには見えないからなあ。ただただ、彼は幼いころに傷つけられた傷の痛みに苦しんでいる、とも言えそうだし。それに、ブレイバーの操縦者とオペのコンビの二人からして本当に良い子らなので、よっぽどの事がないと偏向した正義の味方にはならなさそうだし。まあ、よっぽどの事があればわかりませんけれどw
しかし、このブレイバーって、どうみてもパトレイバーっぽいんですけど(笑