落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)6 (GA文庫)

【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 6】 海空りく/をん GA文庫

Amazon

「一人残らず消し炭にしてやるわ! 」
暁のメンバー全員を自らの手で敗北させるため、一対四の変則マッチを希望したステラ。
《紅蓮の皇女》の焔は、破軍学園を壊滅させた無法者たちを焼く尽さんと、かつてなく激しく燃え猛る。

一方、暁の一人、紫乃宮天音と再会した一輝は、かつて相手に抱いた不可解な嫌悪感の理由に辿りつく。
ついに明らかになった天音の真の能力と彼が抱える闇は、大会に新たな影を落とし始め――!?

離れていた恋人との束の間の逢瀬、因縁の相手と交わす再戦の誓い、そして意外な伏兵の登場。
七星の頂を巡る戦いは、次の局面へと突入していく! 邂逅と覚悟の第6巻!
うははは、楽しい楽しい。主人公の一輝の試合はこの巻では無いに等しいにも関わらず、個人的には大盛り上がり。何となくノリが天下一武道会か幽遊白書の暗黒武術会っぽくて凄く好き。試合形式で進行する異能バトルものはいまどき珍しくも何ともないんだけれど、案外とこんな風な少年漫画的なノリで楽しめる作品はなかったんですよね。前々からやたらと男女の区別なく男臭いステゴロタイマン上等だぜオラオラな風情だと思っていたんだけれど、今回はそれが少年漫画バトル編、な方向に転がった、というべきか。
世界最強の剣士と渡り合うわ、前回の大会優勝者と一回戦からガチバトルするわ、とちょっと一輝が実力的に突出してしまったのか、と危惧しましたがどうしてどうして。他の出場者たちも実に個性的な面々ばかりで、敵対勢力の暁のみばかりではなく、他校の出場者たちも一筋縄ではいかない連中ばかりで、それら同士の試合も見てて本当に楽しかった。
ていうか、ステラのあれはヒロインじゃないよなあ。どんだけパワー推しの暴虐圧殺プレイなんだ。タイラントとかフォートレスとか、そんな感じの暴君っぷりで上限知らずの底なしな大物っぷりなんだけれど、そのバトルスタイルはやっぱり男臭いんですよ。その華麗さも可憐さも端から捨てにかかってる姿は潔いくらいなんですが、敢えて言おう……女子力! 戦闘にも女子力!!(笑
「がぁおおーーっ!!」
は幾らなんでもあかん、あかんでや。怪獣か、おんしはw

まあプライベートではちゃんと女の子全開にしているので、アカン娘ではないのですが、というかむしろ自重しろ、と言いたくなるくらいに大会の真っ最中に発情しすぎだ、この娘さん! 色っぽいのは素晴らしいんですけれど、わりと本能に忠実すぎないか、ステラ。この作品、もう一輝とステラがラブラブで、しかもそこにわざわざ割って入ってくるような女の子もいないので、恋愛方面歯止め効かなくなってます。珠雫は口うるさいふりをして、二人の関係もう認めちゃってから肝心な時は邪魔して来ないからなあ。

意外だったのは、王馬と一輝の関係がそこまで拗れてなかったことか。実家との関係の酷さを思うと、そっけないながらもちゃんと弟扱いしてくれてたし、さり気なくアドバイスや忠告を与えてくれる事を思うと、仲は悪くないんですよね。一輝も、逃亡先に兄ちゃんの部屋を選んで一晩かくまってもらうとか、結構大胆な事してますし。
ちょっと王馬兄ちゃんの小物臭を心配していたのですけれど、ステラへの執着も含めてかなりイメージを挽回出来たんじゃないでしょうか。どうやら、彼自身どこか壁みたいなものを抱えているみたいで、それを乗り越えるために足掻いているみたいな素振りがありましたけれど、ステラの噛ませになるにしても、生徒会メンバーみたいにきっちり後々まで活躍してくれそうな、立ち位置の立て直しが今回行われた気がします。
むしろ、今全開でかませ臭を自ら煌めかせてるのは、珠雫さんなんですけどね!! 既に攻略法を見つけました、うふふ! と、ドヤ顔しまくってる時点で、物凄いフラグを立てまくってるんですけれど、大丈夫か妹ーっ!!
まあ生徒会の副会長みたいに、深刻な顔で、あの相手にはステラさんは相性が悪すぎる! とか解説してたら即座にその相手がステラにワンパンでノされたり、という展開もあったので、意外とどちらに転ぶかわからないんですけれど。ヤバイよヤバイよ、あいつヤバイよ、とフリしておいてあっさりヤッちゃうパターンも無くはないだろうしw
しかし、生徒会の面々は本当に役割を心得ているというか、どのシーンにおいても場を賑やかしてくれますねえ、さすがですw

個人的には、蔵人と一輝の再戦はかなり期待していたので、あの結果はちと残念だったなあ。でも、蔵人のとてつもないパワーアップした姿と、その鬼気迫る強さは結構堪能できたので、それなりに満足してしまったのかもしれない、これはこれで。負けて強し、な内容でしたし。それにだからこそ、相手の反則なまでの能力も際立ちましたし。いやまじで、あれどうやったら勝てるんだ? 
少なくとも、サラと天音についてはどうやったら勝てるのかさっぱりわからんですぞ。単に腕っ節が強い、技量が凄まじい、という枠なら、蔵人が勝てたはずですもんね。ルールが違うもんなあ。

そして、ラストに持ってきた一輝の試合。これもまた……(笑
いや、次回への引きとしては最高なんじゃないですか。引っ張り方が実に上手い。これは次を早く見せろ、という気になりますよ、うん。
シリーズ感想