今年は年内!! 今年は年内!!

そう連呼しながら躍起になってまとめてたら、年内に出来たよ!!
お陰で、今のところ他に何にも出来てませんが。本も読めてないし、感想も書けてないけれど。
でも、ここ数年、年を越してからあげていた新人作品のまとめ記事、何とか大晦日前に出来上がりました。うむうむ。

というわけで、14年度にデビューした新人作家さんの作品を、ずらっと並べて雑感など添えてみました。その中で、面白かった作品、先々楽しみになる作品などをピックアップしつつ。
新人賞受賞作に拘らず、今年はじめて本を出したという作家さんの作品も押し並べて抽出してみました。ただ、例年通りシナリオライターなど、他方面で執筆活動していた人は抜いております。
また「小説家になろう」で作品を投稿していて、今年各レーベルから本として出版した、という方は既存のレーベル内からに限り、新人さんとして抽出してます。
ヒーロー文庫やモンスター文庫、MFブックス、アルファポリスなど、ウェブ上に投稿していた作品を専門に扱うレーベルについては、今年も省かせてもらってます。私自身が全くカバーできてないので。
また、今回も当該作品を調べるにあたり、<ラノベの杜>様を参照・参考にさせていただきました。ありがとうございます。

以上、除外分を置いて主要レーベルから出版された、この記事内で収録した新人作品は124作品。
去年は102作品ですから、20作以上増えてるんですねえ。今年から富士見L文庫も加え、富士見ファンタジア文庫、一迅社文庫、オーバーラップ文庫というところが大幅に新人作の投入数を増やしているためと思われます。幾つか前年より投入作数が減っているレーベルもあるのですが、それを補ってあまりあるほどに。

注目は、やはり<小説家になろう>から引っ張りあげた作品が既存のレーベルでも増えている点でしょうか。特に力を入れているのが「富士見ファンタジア文庫」と「オーバーラップ文庫」。一方で、厳選した一作二作を投入するHJ文庫などMF文庫Jや、一切手を出さないガガガ文庫やスーパーダッシュ文庫。単行本の方に全部振り分けてるファミ通文庫など、それぞれ対応に差があってなかなか興味深いですね。

私が目を通すことが出来たのは54作。ウェブ掲載のぶんを読んでいるのを含めれば、59作になるのですが、いずれにせよ去年より減ってしまいました。新人作だけじゃなく全体読了数も減っているので、なんともかんとも。でも、せめて半分はカバーしたかった。


ちなみに、評価基準は完全に主観的な好みによるものなので御容赦御寛恕お願いいたします。



以下、収納。

<角川スニーカー文庫> 6冊/3冊
【大魔王ジャマ子さんと全人類総勇者】 岬かつみ/yamasan <第19回春スニーカー大賞・優秀賞>《未読》
【魔装学園H×H】 久慈マサムネ/Hisasi <第18回春スニーカー大賞・優秀賞> 《★★★》
【俺と彼女の青春論争(ノイジー・ゲーム)】 喜多見かなた/ぶーた <第18回秋スニーカー大賞・特別賞> 《★★》
異界の軍師の救国奇譚(フェアリーテイル)】 語部マサユキ/明星かがよ <第19回春スニーカー大賞・特別賞>《★★★☆》
【星降る夜は社畜を殴れ】 高橋祐一/霜月えいと <第19回春スニーカー大賞・特別賞>《未読》
【やっぱチョロインでしょ!】 吉川兵保/犬江しんすけ <小説家になろう・より>《未読》

異界の軍師の救国奇譚 (角川スニーカー文庫)

一時期と違って、安定して6冊前後送り出しはじめたスニーカー文庫。ビッグタイトル!というのは、やはりまだ無いのですが、その中で光っていたのが【異界の軍師の救国奇譚】。異世界に救世主として呼ばれ、という設定はもはや供給過多もイイところの昨今において、奇を衒うわけでもないのにこれだけ面白く仕上げる腕前は大したもの。読んだ後の多幸感が半端ないんですよね。2巻で完全に軌道に乗りましたし、今後の期待作です。


<HJ文庫> 7冊/3冊

VRMMOをカネの力で無双する】 鰤/牙/桑島黎音 <小説家になろう・より>《★★★☆》
【搭乗者科<リベラ>の最下生】 志木謙介/トナミカンジ <第8回HJ文庫大賞・金賞>《未読》
絶滅危惧種の左眼竜王<レッドデータ・ドラゴンロード>】 千月さかき/クロサワテツ <第8回HJ文庫大賞・銀賞>《★★★☆》
【チート剣士の海中ダンジョン攻略記 水着娘とハーレム巨船】 猫又ぬこ/パセリ 《未読》
【光刃の魔王と月影の少女軍師】 桜崎あきと/卵の黄身 <第8回HJ文庫大賞・大賞>《未読》
【クロス†ウィザード ―魔術都市と偽りの仮面―】 しきや/深井リョースケ <第8回HJ文庫大賞・銀賞>《未読》
【ディアヴロの茶飯事】 斜塔乖離/植田亮 <第7回HJ文庫大賞・銀賞>《★★☆》

VRMMOをカネの力で無双する (HJ文庫) 絶滅危惧種の左眼竜王<レッドデータ・ドラゴンロード> (HJ文庫)

最下生は、元のタイトルの方が良かったんじゃないだろうか。自分なんかはタイトルで忌避感が生じてしまったタイプなのですが。
注目作はやはり小説家になろうから登場した【VRMMOをカネの力で無双する】でしょうか。勢い的にもレーベルを牽引するかのような捲りを、この一年見せていましたし。
新人賞作品の中で堅実な作りを見せていたのは【絶滅危惧種の左眼竜王】。地がしっかりしている上に情緒を積み重ねていくタイプなので、このまま行っても大崩れしない安定感がありそう。



<ファミ通文庫> 6冊/4冊
【リーガル・ファンタジー 1.勇者弾劾裁判】 羽田遼亮/三弥カズトモ <第15回えんため大賞小説部門・優秀賞>《★★☆》
【キルミルカタル 眼ノ宮瞳子の眼球探し】 緋色友架/ukyo-rst<第15回えんため大賞小説部門・特別賞>《★★》
【ニートな魔王とツンデレ勇者】 及川シノン/みわべさくら <E★エブリスタ・より>《未読》
【奈落英雄のリベリオン】 朝凪シューヤ/夕薙 <第15回えんため大賞小説部門・優秀賞>《★★》
神武不殺の剣戟士 アクノススメ】 高瀬ききゆ/有坂あこ <第15回えんため大賞小説部門・特別賞>《★★★★》
【アクアノート・クロニクル】 中村学/こずみっく 《積読》

神武不殺の剣戟士 アクノススメ (ファミ通文庫)

趣向を捻った、特色を有した作品を各種取り揃え、みたいに色んなタイプの作品を選ぶ、という意味では新人賞としては実にアグレッシブで好感がモテるんですけれど、如何せん作品の出来栄え自体がなあ……。
そんな中で、非常に尖りながら同時に素晴らしくエンタメをしていたのが【神武不殺の剣戟士】なのですが、この作品も2巻でいきなりヘバッてしまったんですよね。そのまま終わっちゃいましたし。次回作大丈夫なのかなあ、と今は不安の方が大きいか。


<電撃文庫> 16冊/9冊
【非公認魔法少女戦線 ほのかクリティカル】 奇水 《★★》
ゼロから始める魔法の書】 虎走かける /しずまよしのり <第20回電撃小説大賞・大賞> 《★★★》
【韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ―】 真代屋秀晃/x6suke <第20回電撃小説大賞・金賞> 《未読》
【思春期ボーイズ×ガールズ戦争】 亜紀坂圭春/ぎん太郎 <第20回電撃小説大賞・銀賞> 《★☆》
王手桂香取り!】 青葉優一/ヤス <第20回電撃小説大賞・銀賞> 《★★★》
【水木しげ子さんと結ばれました】 真坂マサル/生煮え <第20回電撃小説大賞・20回記念特別賞> 《★★》
【オウカの魔女】 此乃亭多楽/山田マコ 《★☆》
【給食争奪戦】 アズミ/すきま <第20回電撃小説大賞・電撃文庫MAGAZINE賞>《未読》
【視ル視ルうちに好きになる】 扇風気周/フカヒレ 《未読》
【クズが聖剣拾った結果】 くさかべかさく/Anmi 《未読》
監獄学校にて門番を】 古宮九時/やすも 《★★★》
【IHOF ―イチジョーハンターズ・オフィス―】 春鳩兼/猿ゴル 《未読》
【ハコニワフールズ ―精霊、火炎放射魔、古い顔―】 佐々山プラス/えびら 《★☆》
【レターズ/ヴァニシング 書き忘れられた存在】 旭蓑雄/おぐち 《未読》
【幻惑のディバインドール ~Eye Knows Heaven~】 夢澤章/ちこたむ 《未読》
【犯人がわかりますん。】 黒沼昇/ふさたか式部 《★★☆》

監獄学校にて門番を (電撃文庫)

うーん、去年に引き続き主戦を担えるクラスのタイトルが見当たらないなあ。いや、去年はまだ【塔京ソウルウィザーズ】と【エーコ】さんがあった分だけ全然違うのだけれど。今年は【王手桂香取り!】や【給食争奪戦】など話題に登った作品もあったものの、全体的に非常に小粒な印象で中堅層としてレーベルを厚くする人材についてもいかばかりか。
個人的には、【監獄学校にて門番を】の古宮さんには期待したいんですよね。ウェブ上で公開している各種作品が素晴らしくて、凄くファンなので。



<GA文庫> 7冊/4冊
【ぼくらのクロニクル<因果魔法大戦>】 篠宮ゆうき/tsucaco 《未読》
神楽剣舞のエアリアル】 千羽十訊 /むつみまさと <第6回前期GA文庫大賞・優秀賞>《★★★☆》
【クロスワールド・スクランブル】 雪川轍/エイチ <第6回前期GA文庫大賞・奨励賞>《未読》
未来/珈琲 彼女の恋。】 千歳綾/アマガイタロー <第6回前期GA文庫大賞・奨励賞>《★★★》
【少年給魔師と恋する乙女】 御子神零/鍋島テツヒロ <第6回後期GA文庫大賞・優秀賞>《★★》
【魔王子グレイの勇者生活】 広岡威吹/An2A <第6回前期GA文庫大賞・奨励賞>《未読》
【ガンソード.EXE ―異能の騎士と忘却の少女―】 北川まんた/Nidy-2D- <第6回後期GA文庫大賞・優秀賞>《★★》

神楽剣舞のエアリアル (GA文庫) 未来/珈琲 彼女の恋。 (GA文庫)

この一冊の構成が、ではなくてシリーズ全体としての構成が初っ端からエキセントリックだった【神楽剣舞のエアリアル】、賛否両論あるみたいだけれど私は結構アリじゃないかな、と思ってます。とはいえ、2巻でも足りてない部分を埋めきれていなかったのを見ると、ちょいとじっくり地に足をつけて隙間をなくす必要があるかと想いますが。



<ガガガ文庫> 6冊/2冊
【夏の終わりとリセット彼女】 境田吉孝/植田亮 <第8回小学館ライトノベル大賞・優秀賞>《未読》
【奇械仕掛けのブラッドハウンド】 ついへいじりう/マルイノ <第8回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞>《未読》
【血潮の色に咲く花は】 霧崎雀/refeia <第8回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞>《未読》
【芸人ディスティネーション】 天津向/きんのたま▼ 《未読》
スチームヘヴン・フリークス】 伊崎喬助/凱 <第8回小学館ライトノベル大賞・優秀賞>《★★★★》
クレイジーハットは盗まない】 神無月セツナ/nyanya <第8回小学館ライトノベル大賞・優秀賞>《★★★☆》

スチームヘヴン・フリークス (ガガガ文庫) クレイジーハットは盗まない (ガガガ文庫)

ふむ、こうして新人作品全体を振り返ってみた結果、新人賞受賞作品、読んだ中でピカイチ!だったのはこの【スチームヘヴン・フリークス】だったのではないでしょうか。続刊を含むとメキメキ伸びてる作品は他にもあるのですが、本作の「ジャパニーズ・スチームパンクヒーローもの」としての充実ぶりは目を見張るものがあり、派手なエンタメ性と個々のキャラの内面をじっくり情感を込めて描く丁寧さが両立してる所などは、もう素晴らしいです。
【クレイジーハットは盗まない】も、逃げる怪盗に追いかける幼馴染の警吏という泥棒モノかと思ったら、なかなかハードな設定の上に、ヒロインたちとの関係がわりとズブズブに深みにハマる感じが結構好みだったり。


富士見ファンタジア文庫> 14冊/7冊
【心空管レトロアクタ】 羽根川牧人/片倉真二 <第25回ファンタジア大賞・金賞>《★★》
【ブルークロニクル】 白星敦士/いちやん <第25回ファンタジア大賞・銀賞/読者賞>《未読》
Only Sense Online オンリーセンス・オンライン】 アロハ座長/ゆきさん <小説家になろう・より>《★★★》
【隠れ魔王の覇道誓界(インテグラル)】 秋芳草太/狐印 《★★★》
【金色の文字使い ―勇者四人に巻き込まれたユニークチート―】 十本スイ/すまき俊悟 <小説家になろう・より>《未読》
【女の子に夢を見てはいけません!】 恵比須清司/こうぐちもと <第26回ファンタジア大賞冬期・金賞>《未読》
ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)】 羊太郎/三嶋くろね <第26回ファンタジア大賞冬期・大賞>《★★★☆》
【100万回死んでも少女は死体回収屋の苦労を知らない】 割石裂/ゆーぽん <第26回ファンタジア大賞夏期・準大賞>《未読》
死線世界の追放者(リジェクター)】 ミズノアユム/カスカベアキラ <第26回ファンタジア大賞冬期・金賞>《★★★☆》
【武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行】 赤石赫々/bun150 <小説家になろう・より>《未読》
【オー・ドロボー! 1.怪盗淑女は恋きに盗む?】 岬かつみ/れい亜 <第26回ファンタジア大賞夏期・金賞>《★★★》
【今すぐ辞めたいアルスマギカ】 氷高悠/菊池政治 <第26回ファンタジア大賞冬期・銀賞>《★★☆》
【軍オタが魔法世界に転生したら、現代兵器で軍隊ハーレムを作っちゃいました!? 1】 明鏡シスイ/硯 <小説家になろう・より>《未読》
【HP1からはじめる異世界無双】 サカモト666/MtU <小説家になろう・より>《未読》

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (富士見ファンタジア文庫) 死線世界の追放者 (富士見ファンタジア文庫)

富士見ファンタジア文庫の怒涛の攻勢。去年が7冊だったのに比べて倍ですよ。それというのも、積極的に「小説家になろう」から作品を引っ張ってきた結果。それも、わりとランキング上位で目立ってる作品が多いのですが、さてそれが功を奏しているのかどうか。
一方で、新人賞の中から近年のファンタジア文庫では中々お目にかかれなかった花も実もある、まず間違いなくレーベル主戦クラスに入るだろうタイトルが来てるんですよね。【ロクでなし魔術講師と禁忌教典】、1巻では若干まだ初速がついてなかったのですが、2巻で大化けに化けました。これはほんと面白かった。今後はレーベルの看板を担えるくらいまで頑張って欲しいところです。



<一迅社文庫> 8冊/2冊
【あいまねっ!-Idol is money!?-】 平山ひろてる/朱 <一迅社文庫 New Generation Award 2012・金賞>《未読》
【プリンセスオーダー 〜絶対遵守の姫君〜】 小林健太郎/明星かがよ 《未読》
王道楽土の聖堂騎士団(タンプリエ)】 不動准/TwinBox 《★★★☆》
【パンツではじまる世界革命】 綾野陽一/崎由けぇき 《未読》
【探し物はウサギですか? いいえ、宇宙生物です】 ひらの泉水/庄名泉石 《未読》
【恋詠クロニクル】 田渕リョウ/さくらねこ 《未読》
【僕と先輩たちは主にハッケンしています。】 菊池仁/彩葉 《未読》
【勇者よ、魔王にデレるとは情けない!】 高尾瑞夫/基井あゆむ 《★★★》

王道楽土の聖堂騎士団 (一迅社文庫)

もしかして、一迅社文庫って今年侮れなかったんじゃあ……。【王道楽土の聖堂騎士団】は、この手の作品としては他のレーベルの同種の作品と比べてもかなりクオリティ高めでした。ほかは残念ながら殆ど読んでなかったんですが、【パンツではじまる世界革命】がかなり評判良いんですよね。この人の作品はチェックしておくべきだったかも。遅ればせながら、購入予定。新作の方も。他の作品も、読書メーターなんか見ると読んでるヒトの数は少ないものの総じて評価は悪くないんですよね。



<スーパーダッシュ文庫> 4冊/1冊
【偽神戦記 首輪姫の戴冠】 三国陣/なかばやし黎 《未読》
【特別時限少女マミミ】 斧名田マニマニ/wingheart 《未読》
【神楽坂G7 崖っぷちカフェ救出作戦会議】 水沢史絵/しらび 《未読》
【ファーレンハイト9999】 朝倉勲/一色箱 <第13回スーパーダッシュ小説新人賞・大賞> 《★★★》

うーん、今年はダッシュエックス文庫への移行準備もあったのか、出す駒自体が少なかった上に、うーん。大賞受賞作も、どうも題材の描き方がしっくりこなかったんだよなあ。


<MF文庫J> 7冊/4冊
【Re:ゼロから始める異世界生活】 長月達平/大塚真一郎 <小説家になろう・より>《積読・ウェブ版既読》
絶深海のソラリス】  らきるち/あさぎり 《★★★★★》
【藤元杏はご機嫌ななめ ―彼女のための幽霊―】 吉野茉莉/いたち 《未読》
【Yの紋章師】 越智文比古/カグユヅ <第10回 MF文庫J ライトノベル新人賞・最優秀賞> 《★★☆》
【逃奏劇リアクターズ 1.阿頼耶識冥清の非日常】 塀流通留/をん <第10回 MF文庫J ライトノベル新人賞・優秀賞> 《★★☆》
【ひとりで生きるもん! 〜粋がるぼっちと高嶺の花〜】 暁雪/へるるん <第10回 MF文庫J ライトノベル新人賞・佳作>《未読》
【イケニエハッピートリガー】 未味なり太/らいか <第10回 MF文庫J ライトノベル新人賞・審査員特別賞> 《★★☆》

Re:ゼロから始める異世界生活1 (MF文庫J) 絶深海のソラリス (MF文庫J)

まあこれは問答無益に【絶深海のソラリス】の嵐が吹き荒れた、と言っていいんじゃないかと。MF文庫に限らず、ライトノベル界隈全体に竜巻の通ったあとのような惨状を現出させた暴風でした。もう、とんでもなかった。
ここが凄すぎたせいでもないのでしょうけれど、新人賞の方がねえ……。唯一読んでない【ひとりで生きるもん】が良質の恋愛モノみたいなので、あとで読んでみるつもりでいます。
あと、【Re:ゼロから始める異世界生活】。これは小説家になろうの方で読んでいる身から言わせてもらうと、ぶっちゃけ「傑作」です。何もかも上手くいかない時の停滞感、息苦しさは尋常じゃないんですが、だからこそ突き抜けた時の右肩あがりは圧巻の一言。かなりロングスパンで見ないといけないのですが、これはもう是非読んで欲しい、読み続けて欲しい。絶賛オススメの一作です。


<講談社ラノベ文庫> 8冊/5冊
【シス×トラ】 橘九位/urute <第2回講談社ラノベチャレンジカップ・佳作> 《未読》
サービス&バトラー】 望月唯一/成沢空 <第3回講談社ラノベ文庫新人賞・優秀賞> 《★★★☆》
【ストレンジ・エッジ 異界の剣士と孤独の魔女】 椿博太/桜井柚南 <第2回講談社ラノベチャレンジカップ・佳作> 《★★》
【ハロー・ワールド ―Hello World―】 仙波ユウスケ/ふゆの春秋 <第3回講談社ラノベ文庫新人賞・大賞> 《★★★》
【揺り籠の悪魔と零のアリア】 穂村健人/黒銀 <第3回講談社ラノベ文庫新人賞・佳作> 《未読》
【ウィークエンド・ドラゴン】 星見圭/兎塚エイジ <第3回講談社ラノベ文庫新人賞・優秀賞> 《★★★》
【星撃の蒼い魔剣】 椎月アサミ/翠燕 <第3回講談社ラノベ文庫新人賞・佳作> 《★★》
【フェイトフル・モーメンツ 理想の砂漠】 高橋びすい /フルーツパンチ <ワルプルギス賞らいと2013受賞> 《積読》 

サービス&バトラー (講談社ラノベ文庫)

こと、文章の巧さという点に関してはこの【サービス&バトラー】の望月さんが随一だったんじゃなかろうか。話自体は怪我で現役を退かざるを得なかった天才テニスプレイヤーが、厳しいテニス部からドロップアウトした娘たちが作った第二テニス部のコーチを頼まれて、というオーソドックスなスポーツものであり、キャラ萌えに走っているわけでもないにも関わらず、グイグイと読み込ませる筆致なんですよね。構成やキャラの扱い方なんかはまだ甘いところが見受けられるのですが、それも成長の余地があるということ。この作品自体は3巻で完結してしまいましたが、来年の期待株ですね。
ただ、他の作品は読んだ作品に関してはちょっと心許ないかなあ、と。伸びる要素がどれだけあるか。


<このライトノベルがすごい!文庫> 5冊/5冊
戦塵の魔弾少女 魔法強化兵部隊戦争記】 雨澄碧/桜沢いづみ 《★★》
まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる】 紫炎/武藤此史 <小説家になろう・より>《★★★》
Vermillion 朱き強弓のエトランジェ】 只野新人/フルーツパンチ <小説家になろう・より>《★★★》
着ぐるみ最強魔術士の隠遁生活】 はまだ語録/丸ちゃん。 <第5回このライトノベルがすごい!大賞・最優秀賞> 《★★★☆》
【【急募】賢者一名(勤務時間は応相談) 勇者を送り迎えするだけのカンタンなお仕事です】 加藤雅利/群青ピズ <第5回このライトノベルがすごい!大賞・栗山千明賞> 《★★》

着ぐるみ最強魔術士の隠遁生活 (このライトノベルがすごい! 文庫)

色物と見せかけて、これがまた良作だった【着ぐるみ最強魔術士の隠遁生活】。一つの主題をコトコトと味わいが出るまで煮込む丹念さは、意外なほど執念と巧みさが必要なので簡単なものじゃないんですよね。それをビシッとこなしている時点で、お見事という他なし。こういう作品こそが、じんわりと心に染みてくるお話になるんですよ。
ただ、他の新人賞経由の作品は去年と比べても数が少ないのだけれど、どうも五回はこの二作だけだったみたいなんですよね、そこまで粒が揃わなかったんだろうか。


<オーバーラップ文庫> 9冊/5冊
【閃虹の機巧美神 1】 来栖宍/BLADE <オーバーラップ文庫キックオフ賞・特別賞> 《★★☆》
【魔王が多すぎる世の中に告げる 1】 甘宇井白一/牧乃 <オーバーラップ文庫キックオフ賞・特別賞> 《★★★》
【フレイム王国興亡記 1】 疎陀陽/ゆーげん <小説家になろう・より>《ウェブ版・途中まで既読》
【異世界魔法は遅れてる 1】 樋辻臥命/himesuz <小説家になろう・より>《★★★》
異世界迷宮の最深部を目指そう 1】 割内タリサ/鵜飼沙樹 <小説家になろう・より>《★★★☆》
【銀河戦記の実弾兵器 1.高校生の俺が目覚めたら宇宙船にいた件】 Gibson/藤丸 <小説家になろう・より>《未読》
【聖樹の国の禁呪使い1】 篠崎芳/〆鯖コハダ <第1回オーバーラップ文庫WEB小説大賞・金賞>《未読》
【魔剣戦記1 〜異界の軍師乱世を行く〜】 藍藤ユウ/シコルスキー <第1回オーバーラップ文庫WEB小説大賞・銀賞>《ウェブ版・途中まで既読》
かくて聖獣は乙女と謳う 1】 陸理明/クロサワテツ <第1回オーバーラップ文庫WEB小説大賞・銀賞>《★★★》

異世界迷宮の最深部を目指そう 1 (オーバーラップ文庫)

オーバーラップ文庫の新人賞、第一回受賞作品が出るのは来年一月からなので、本格稼働はそれから。と言うことで、今年は主に「小説家になろう」からの引き込み組がメインとなっていたようで。で、ありながら富士見ファンタジア文庫なんかとは傾向が全く異なっているのがまた面白いところ。
中でも目を引くのが【異世界迷宮の最深部を目指そう】。本格ダンジョン攻略モノであり、ダークな、それも人の心の闇の部分にスポットを当てるような雰囲気がなかなかたまらない作品になってます。
個人的には、現代魔術の使い手が、中世相当の異世界への召喚に巻き込まれ、という【異世界魔法は遅れてる】が、この手の作品としては結構お気に入り。



<メディアワークス文庫> 9冊/2冊
【博多豚骨ラーメンズ】 木崎ちあき <第20回電撃小説大賞・大賞> 《★★☆》
【僕が七不思議になったわけ】 小川春央 <第20回電撃小説大賞・金賞> 《積読》
C.S.T. 情報通信保安庁警備部】 十三湊 <第20回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞> 《★★★☆》
【罪色の環 ―リ・ジャッジメント―】 仁科裕貴 《未読》
【嘘つきは探偵の始まり 〜おかしな兄妹と奇妙な事件〜】 石崎とも 《未読》
【お近くの奇譚 〜カタリベと、現代民話と謎解き茶話会〜】 地図十行路 《未読》
【かなえの八幡】 瀬田ユキノ 《積読》
【華麗なる絵魂術師の面倒事】 尾嵜橘音 《未読》
【駅伝激走宇宙人 その名は山中鹿介!】 つるみ犬丸  《未読》

C.S.T. 情報通信保安庁警備部 (メディアワークス文庫)

メディアワークス文庫は、ぶっちゃけかなり良作が揃っていると思うのですが、手が回りきってないんですよね。既存のシリーズを追いかけるのに精一杯で。
近年電撃文庫が妙に新人作品の層が薄くなっている気がするのは、落ち着いてじっくり読めるタイプの作品が全部こっち持ってかれてるからなんじゃないかと思うわけで。まあハズレはあんまり無いという点で無造作に手を伸ばしやすくあります。


<富士見L文庫> 9冊/1冊
【諸事万端相談所まるなげ堂の事件簿】 阿澄森羅/だぶ竜 <第24回後期ファンタジア大賞・ラノベ文芸賞> 《未読》
【見えない彼女の探しもの】 霧友正規/杉基イクラ <第25回ファンタジア大賞・ラノベ文芸賞> 《積読》
【電池式 君の記憶から僕が消えるまで】 庵桐サチ/上条衿 <第25回ファンタジア大賞・ラノベ文芸賞> 《未読》
【幽遊菓庵 〜春寿堂の怪奇帳〜】 真鍋卓/二星天 《未読》
【サンタクロースのお師匠さま 石蕗と春菊ひとめぐり】 道具小路/庭春樹 <第1回富士見ラノベ文芸賞・大賞> 《未読》
【町医者風尹の謎解き診療録】 史間あかし/ユウノ <第1回富士見ラノベ文芸賞・金賞> 《未読》
【うみまち鉄道運行記 サンミア市のやさしい鉄道員たち】 伊佐良紫築/戸部淑 <第1回富士見ラノベ文芸賞・審査員特別賞> 《未読》
【ご恩、お売りします。 恩屋のつれづれ商売日誌】 朝倉景太郎/烏羽雨 <第1回富士見ラノベ文芸賞・審査員特別賞> 《未読》
【心理学者こころ女史の分析 卒業論文と4つの事件】 七菜なな/ワカマツカオリ <第1回富士見ラノベ文芸賞・審査員特別賞> 《★★★》

メディアワークス文庫の隆盛のめざましさからか、各レーベルも追随するように新レーベルを立ち上げているのですが、富士見ファンタジア文庫みたいに内容の範囲がどうしても限定されてしまいがちなレーベルでは、作風を広げられない作家さんに、新たなステージを与えるという意味で、この富士見L文庫の創刊は良かったんじゃないでしょうか。新境地を模索できる余地、というのは大切ですよ。
で、肝心の新人作品ですけれど、ご覧のとおり殆ど手が出せてません。メディアワークス文庫の方でも回ってないのに、こっちまで回らんですよ。


<その他>
【辺境の老騎士 1】 支援BIS (エンターブレイン) <小説家になろう・より>《ウェブ版既読》
【しにこん! 死と婚活の巫女は理想の勇者とゴールインしたい】 ぶんが秀徳/櫻木けい (エンターブレイン) <小説家になろう・より>《ウェブ版既読》
異世界から帰ったら江戸なのである 第壱巻】 左高例/ユウナラ (エンターブレイン) <小説家になろう・より>《★★★★☆》

辺境の老騎士 1 しにこん!1 ―死と婚活の巫女は理想の勇者とゴールインしたい― 異世界から帰ったら江戸なのである 第壱巻

その他と類しつつ、内実は全部エンターブレインの単行本なんですけれど、ここって私の好みドストライクの作品をピックアップしてくれるので、正直見逃せないんですよね。各レーベルが小説家になろうから作品を引っ張り、またヒーロー文庫やモンスター文庫、アルファポリスやMFブックスなど専門に小説家になろうなどウェブ上で掲載している作品を刊行してくるレーベルも多様に誕生してるわけですけれど、一番私の好みに合致してるのはエンターブレインですね、断言。単行本ながら、値段は1000円ちょい、というのが何とか手を出せる範囲で心憎い。1280円とかだと、躊躇しちゃうんですよ。それに、分量もしっかり厚くて損な感じはしませんし。
【辺境の老騎士】は、本邦における数少ない<本物>の「ヒロイックサーガ」です。単なるファンタジーじゃなく、ヒロイックサーガ――英雄叙事詩なのです。韻文じゃないですけどね。あまりの感動に滂沱の涙させられた大傑作でした。
そして、今私が一番好き、大好き!! と諸手を上げて絶叫する作品がこの【異世界から帰ったら江戸なのである】なのであります。もう、めちゃくちゃ面白い。毎週土曜日に更新されるこの作品を読むのが週末の楽しみなんですよ。今となっては鳥山石燕先生は私の中では一生この残念未亡人です。鳥山石燕が男? そんな馬鹿なw
何気に両方共主人公が既に余生を生きる爺ちゃん、というのが面白いところ。人生晩年を迎えた人たちのお話がこんなに面白いなんて、思いもよらないかもしれませんが、少年少女、若者たちの人生だけが輝いてるわけじゃあないんですよ。



さて14年度の状況ですが、振り返ってみると心配なのが電撃文庫。例年一作は間違いなくあった主戦級になれるタイトルどころか、中堅を担えるクラスに関してもあまりめぼしいのが見当たらないように見えました。どうもメディアワークス文庫の方にかなり吸い取られてるんじゃないだろうか。あれだけの投稿数がありながらこれはあまり納得がいかないのです。
さらに、毎年良作を安定して供給してきたMF文庫なんですが、今回については受賞作が個人的にはことごとくハズレで、あれ?となってるんですよね。もっとも、新人賞作品以外がずば抜けていたので、トータルで見ると揺るぎないのですが。
逆に、例年の低迷感を振り払うように一気呵成の勢いを得てきたのが【富士見ファンタジア文庫】。小説家になろうから積極的に作品を引き上げてきているのも然ることながら、低年齢層狙いのような易しい作品が目立っていた近年の中では珍しいくらい読める新人作が増えていたのも確か。中でも【ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)】は久々の看板候補の登場です。

とりあえず、来年15年度も要チェックしていきたい新人さんは、

語部マサユキ 【異界の軍師の救国奇譚(フェアリーテイル)】(角川スニーカー文庫)
鰤/牙 【VRMMOをカネの力で無双する】(HJ文庫)
古宮九時 【監獄学校にて門番を】(電撃文庫)
伊崎喬助 【スチームヘヴン・フリークス】(ガガガ文庫)
羊太郎 【ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)】(富士見ファンタジア文庫)
不動准 【王道楽土の聖堂騎士団(タンプリエ)】(一迅社文庫)
らきるち 【絶深海のソラリス】(MF文庫J)<完結済?>
長月達平 【Re:ゼロから始める異世界生活】(MF文庫J)
望月唯一 【サービス&バトラー】(講談社ラノベ文庫)<完結済>
支援BIS 【辺境の老騎士】(エンターブレイン)
左高例 【異世界から帰ったら江戸なのである】(エンターブレイン)

この11人。来年一年間はその伸びしろに要注目。


で、おなじみ昨年の同じ記事を参照して、13年度デビューの新人さんたちがどういう経過を辿っているかを振り返ってみたいと思います。

順調すぎる道を歩んでいるのが【ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか】。ヒロインのアイスをメインに据えたスピンオフも展開し、来年にはアニメ化も決定。刊行数も良いペース。悪いところなしですね。
去年と同じく意外なタイトルがアニメ化決定したのが、富士見ファンタジア文庫。【空戦魔導士候補生の教官】なんですが、そんなに売れてたの!? と、面食らう選出なんですよね。どうしてこれなんだろう。


レーベルごとに見てみると、スニーカー文庫は新人賞受賞作が一応殆ど続刊出しているのだけれど、苦戦かなあ。
【この素晴らしい世界に祝福を!】がめぐみん主役のスピンオフも展開して、これも順当に躍進しているのですが、個人的にウェブ連載中時の神がかった面白さを忘れられないので、どうも小さく纏まっちゃってる感じが否めないんですよねえ。


HJ文庫は、第二巻も出せない作品が殆どで、ほぼ壊滅状態。そんな中で、唯一奮闘しているのが【姉ちゃんは中二病】の藤孝さんか。この作者さんは、来年代表作とも言える【大魔王が倒せない】も別レーベルから出す予定。
去年、読んでいなかったものの、読んだらこれが面白かったのが草木うしみつさんの【ネームレス・リベリオン】。残念ながら2巻で止まっちゃったのですが、続きが出るにせよ新作にせよ、この人の作品なら楽しみ。


ファミ通文庫。大賞作品の【四百二十連敗ガール】、私は合わなかったので読んでなかったのですが、好評のうちに4巻で完結。このまま新作でも活躍していきそうな勢い。
【サイコメ】は、私結局脱落してしまいましたので、この年度の作者さんは全部合わんかったということに。


電撃文庫は、結局本命だった【塔京ソウルウィザーズ】が続刊が出ず音沙汰なくなってしまいました、がっくり。柳田狐狗狸さんもエーコの2巻を出してから本年度は一冊も出さず。
そんな中で、藤まるさんの【明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。】がかなり話題になってたんですよね。私は1巻から読んでなかったんですが。かなりの感動作に上り詰めたみたいで。
また、【失恋探偵ももせ】の岬鷺宮さんが良質の青春恋愛小説を本シリーズで仕上げつつ、他にも色々と手を伸ばしはじめていて、順調に足場を固めている模様。

GA文庫は何より【ダンまち】の躍進なのですが、密かに【Let'sパーティー!】と【マネー&ウィズダム】が完結まで見事に走り抜けていて、次回作も楽しみにしてるんですよね。


ガガガ文庫ですが、大きくブレイクすることはなかったですけれど、【カクリヨの短い歌】が独自の世界観をきっちり広げてってくれていました。3巻が春に出て以来音沙汰ないのが気がかりなのですが。
【人形遣い】も結局1巻きりで、パッタリなんですよねえ。これも残念。


富士見ファンタジア文庫なんですが、この年の作品については全く関知せず。【再生のパラダイムシフト】とか【勇者リンの伝説】なんかは、6巻、5巻と長期シリーズに突入しているので、人気はちゃんとあるんでしょうが。
しかし【空戦魔導士候補生の教官】のアニメ化は予想外だったなあ。


一迅社文庫、目玉だった【引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている】なんですが、どうも失速してしまった感あり。これだと、凡百の中に埋もれてしまいかねないので、1巻で見せてくれたようなエッジの利いた部分を取り戻してほしいのですけれど。


スーパーダッシュ文庫は、相変わらずの壊滅率。その中で容赦なくゴンゴン叩いて伸び続けている【代償のギルタオン】、そして作者が完全にキャラと世界観を掌握して活き活きと物語が躍動し始めた【つくも神は青春をもてなさんと欲す】の二作が見事に柱となった時点で、大成功なのでしょう。特につくも神は望外に大きくなりました。【パパのいうことを聞きなさい!】クラスまで行かんかなあ。


多数の目覚ましい受賞作が目白押しだったMF文庫Jなんですが、軒並み続きが出ない、途中で失速、すぐに打ち切り、という形で次々と潰えてしまって、ちょっとまってよ状態。
特に本命だった【MONSTER DAYS】が何度も延期した挙句に今に至るまで2巻が出ないという事になってしまうとは、完全に予想外でした。【猫耳天使と恋するリンゴ】も速攻2巻で終わっちゃったしなあ。
【仮想領域のエリュシオン】の上智さんなんかは、次回作あたりでは長いシリーズを書けるんじゃないか、という手応えはあったんですが、はてさて。


講談社ラノベ文庫は、【神様のお仕事】の幹さんが次のシリーズも含めて見事に作風を確立してほんと面白いんですけれど、長く続いてくれないのはどうしてだ、むむむ。
イチオシの南篠豊さんも、決して速いペースではないのですが、新シリーズ2巻が来年出るようなので、何とか長く続けて欲しいのですが。


このライトノベルがすごい!文庫……あれだけ粒が揃っていたこの年の作品、かたっぱしから2巻も出なかった、というのはどういうことなのか。どれもレーベルそのものを下支えできるクラスだったのに。これじゃあ層の薄さをいつまでたっても払拭できないんじゃあ……。


オーバーラップ文庫、この年出た作品、どれも3巻まで出ているというのは順調と見ていいのか。もう少し、ペースが早かったらよかったのだけれど。


メディアワークス文庫は、作品そのものはどれも単発ばかり。じっくり時間をかけて新作をまた単発であげる、というパターンが多いようで、ほとんどの方が以降もう一冊出しているくらいか。
そんな中で【路地裏のあやかしたち】が三冊で完結したものの、シリーズものとして作品をまとめあげ、また新シリーズが来年登場、と活躍を深めています。そっちも追いかける予定。


うーん、去年の新人さんは、思わぬ躍進やブレイクを果たしている人が非常に少なくて、それどころか続刊も出せないまま消えてしまった、というパターンかなりの数いらっしゃるようで、どうも心配。
書いて書いて、その経験から成長して一気に化けて、という人が少なからず居るからこそ、新人さんを追いかけるのが楽しい部分もあるわけで、そもそもデビュー作が出てからパッタリ音沙汰なくなってしまっては追いかけようもないんですよね。
今年デビューした人には、頑張ってほしいものです。

というわけで、14年度新人作品のまとめでありました。